わたしの 娘を 100ウォンで 売ります
その女は 憔悴していた
-わたしの 娘を 100ウォンで 売ります
書かれた 紙を 首に かけ
おさな児を わきに立たせて
市場に 立っていた その女は
女は 唖者であった
売られる 娘と
売る 母性を ながめては
人々の 投げかける 呪詛にも
地べたを みつめるばかりの その女は
女は 涙も 枯れていた
母が 死病に かかって いると
わめき 泣き叫ぶ 娘が
母のチマに すがっても
女は ただ くちびるを
震わせるばかり
女は 感謝することも 知らなかった
あんたの 娘ではなく
母性愛を 買うと
ひとりの 軍人が 100ウォン 手渡すと
その金を もって どこへやら
駆け出した その女は
女は 母であった
娘を売った 100ウォンで
小麦粉パンを かかえ
慌てて 駆け戻り
別離れ行く 娘の
口へ 押し込み
――赦しておくれ!
慟哭した その女は
宮廷のお抱え詩人だったチャン・ジンソンさんは
北朝鮮の真実を伝えるために脱北した。
私たちはこの事実を伝えなければならない。
北朝鮮や、中国の国民や、チベットの人々の悲しみや苦しみから、
目をそむけて、自分達は別だと安心してはならない。
この国を、世界を、戦争や侵略や災害から守り、
平和で豊かな地球を、創造しなければならない。
それが、いま日本に生きる私たちのROLE

わたしの娘を100ウォンで売ります/晩聲社

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