脳を興奮させる「深夜のブルー」には気をつけろ! | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

脳を興奮させる「深夜のブルー」には気をつけろ!

少し遅くなりましたが、先週、文化放送ソコダイジナトコ「ドクターたかよしの140歳まで前向き生活!」で話した内容をコンパクトにご紹介!

脳を興奮させる「深夜のブルー」には気をつけろ!


青色のLEDが普及。

最近、バーやライブハウスなど、飲食店に多用されるようになった。

深海をイメージさせるような神秘的な空間だったり、未来都市をイメージさせるようなハイセンスな空間だったりする。




日本だけでなくニューヨークなど世界の大都市でも、青色のLEDで照明がなされた店が増えている。

なんと、この影響で夜のお酒の売り上げが伸びている。

原因は、深夜にハイテンションになりたくさん飲むようになるから!



では、なぜ、青色のLEDで照明で、深夜に元気になるのか?

原因は、「光感受性網膜神経節細胞(ipRGC)」



目の網膜には、色を感じる「錐体細胞」と、白黒を感じる「桿体細胞」という二種類の光を感じる細胞があると、高校の理科で習ったはず。

でも、これに加え、第3の細胞が見つかった。

それが、「光感受性網膜神経節細胞」だ。



これは、ブルーの光を感じ、体内時計をリセットして、朝が来たと認識させる。

夜明け前の薄明かりで目を覚まさせるのに好都合だった。



「光感受性網膜神経節細胞」は、昆虫やイカ、タコの目にある光を感じ取る細胞と似ている。

おそらく、我々の祖先は、進化の途中で、「錐体細胞」と「桿体細胞」を獲得。

ものを見るためには使わなくなった「光感受性網膜神経節細胞」を、体内時計の調節専用にしたのだろう。



夜に青色の光を照射すると、緑の光より、音に対する反応時間が短くなったという研究もある。

体内時計が朝だと認識し、脳を興奮させたからだと考えられる。

本来、寝る時間なのにどんどん覚醒してしまう。

深夜のブルーは、ほどほどが良いだろう!