「解かれた封印」【焼き場に立つ少年】 http://p.tl/sxAP 転載
「解かれた封印」
NHK 2008年8月7日 午後8時 ~ を見た。
ジョー・オダネルさんが被爆地に立って、写した写真と、撮影に至る思いや、帰国後その写真を封印してしまった心の動揺を描く。
地元の図書館の学芸員がオダネルさんに行ったインタビューの録音が残っていて、それを聴く息子のタイグ・オダネルさんが父の遺志を引継いでゆく様子が描かれている。
ジョー・オダネルさんは、「歴史は繰り返すと言うが、この歴史は絶対に繰り返してはならない」と語るところで出た言葉が、この記事のタイトルである。
“It must never Repeated Again”
ビデオを録画していた訳ではないので、正確かどうかは若干心配があるが、そのように聴こえた。
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ジョー・オダネルさんは、米軍の記録係として、長崎や広島の被爆地を撮影したが、軍務としての記録は主として「原爆の破壊力」を確認するための撮影だった。
一方でオダネルさんは、個人のカメラで人々が被った悲惨な惨状を撮影した。
軍に隠れて撮影したこれらの写真は、封印されたまま米国に持ち帰り、頑丈なトランクに入れて誰にも触れさせないという厳重な管理をしていた。
オダネルさん自らも、この写真を見直すと、あの惨状や臭いなど当時のあれこれを思い出して寝ることもできなくなるからだ。
しかし、43年間封印していた、その被爆した人々が写っている写真を公開することに決めた。
そのきっかけは、キリスト像の全身に被爆者の写真を重ねてある反核運動のシンボルとなっている彫像を見たからであった。
これを見たオダネルさんも、何かをしなければならないという啓示を受け、その「何か」を突き詰めて行ったところに、自らが撮影した被爆写真の公開という選択肢に行き着いたのであった。
しかし、その写真を市民に見てもらうための「写真展」に会場を貸してくれる施設は殆どなかった。
あらゆる努力をして写真展の開催を企図し、日本でも何度も訪れて写真展を行ってきた。
「小さな石でも波紋は広がって行く。 誰かが続けばさらに広がってゆく」
これが彼の遺言である。
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