命には限りがあります。



明日、最期の日になったら…

今日を一生懸命に生きようと思うでしょう。



僕も。

これが最後のマウンドになっても後悔しないように一生懸命生きよう、と思って野球人生を生きてきました。






海外でプレーすることになり「日本人としての仕事、人としての生き方」に特に意識が強くなってきました。

仕事とは?お金をもらうことが仕事なら野球じゃなくてもいい。自分の立場の安定が必要なら契約社会である野球界でいい仕事は出来ない。今さえ良ければいいのか?

各国、各民族、各組織、それぞれで考え方が違いイライラすることも多く、その度に日本人ならそんな仕事しねぇぞ?と心の中で呟きながら自分を律する機会がかなり多くありました。


日本人として、と言う価値観自体、日本人同士でも千差万別あるかとおもいますが、僕自身はベースボールではなく野球道で育ったこともあり、武士道精神のテイストの強い考え方を持っています。


武士道には優秀な部下は大将の過ちを指摘し正すことで大将の面目を保つ、と言う旨のことが書かれてあります。逆に自らの立場を案じるばかり、大将の顔色を見て言われた通りにしか出来ない部下は大将の恥の上塗り、そして組織の崩壊を招く、と。


これは野球の世界でも同じことだと思います。もちろん部下の意見を取り入れようとできる上司でなければ成り立ちませんし、そんな環境を作れる大将でなければ部下が上司や組織、社会のことを考え言動を起こすことも出来ないですね。

色んな国、色んなチームでプレーして来ましたが。上司個人が自分の立場を守り、部下の意見を蔑ろにしてしまったり意見が出来ない環境をつくってしまうチームは組織としても個人としても、そして社会的にも悪循環し上手くいっていませんでした。(当たり前ですが…部下の意見、というのが組織やその世界の発展を考えた上での意見であり部下個人の利益だけのための意見は問題外ですよ。)

日本の球団でも海外の球団でも僕がアプローチしてきちんと対応してくれる(連絡とか責任者への確認とか。仕事として当たり前のことができる)人がいる組織はさすがにリーグでも上位に位置していました。プレーヤーやスタッフさんからの評判もよく、社会的イメージも素晴らしいです。






海外に出た頃、ある人から「日本とは違うから自分のことだけを考えて生き残ればいいんだよ、とアドバイスを受けたことがありました。確かに、日本よりもそう考えてプレーしている選手が多かったと思います。

しかし…結局チームがいい成績を上げなければ個人の成績は評価されないわけで。契約社会であれば尚更その責任は分かりやすく、選手を入れ替えることで悪い流れを断ち切ろうと意味もなくリリースされることがあります。僕の成績はそれ程良くありませんでしたがチームへの貢献度は評価されていたようでした。

チームが悪い状態を立て直そうとする時、強いチームはマイナス要素…ではなくプラス要素がどれほどあるのか?に注視します。足が遅い、とかいうマイナス要素は起用で埋めることが出来ますが、チームの士気を高める、とかチームが苦しい時にプレーで踏ん張ってくれる、上司に的確な意見ができる(コミュニケーションが取れる)などと言ったポイントが重要視される(評価してくれる)チームは強かったです。もちろんそう言うチームは選手も首脳陣やスタッフも楽しそうに仕事をしていて、人気も高く地域還元性も強いんですね。


つまり武士道精神は組織や社会において「仕事や生き様」の真意を見事に言い表した指南書だなぁと感じたものです。

仕事、はお金をもらうことだけではなく、顧客はもちろんその組織や社会、そして個人に利益のある活動でないとならない、のでは?と、そう心掛けて野球選手として生きてきました。

2006年。僕が海外に活路を見出したころは、出来るか出来ないかではなく素直に自分がやりたい事に挑戦しようと言う思いでした。しかし生きるチャンスを貰い、選手として人として成長して行く中で、社会(野球界)における自分の役割や、より良い仕事をするための心得などに興味を持つようになりました。偉そうに聞こえるかも知れませんが一流と呼ばれる野球選手だけがその使命を持っているわけではなく、全ての野球を愛する者それぞれにその使命があるのだと思い知らされたのです。プレーヤーだけでなくスタッフ関係者、ファンやそこに関わる仕事をする人たち全てです。自分がこの野球界、そして日本社会に貢献出来る仕事をしているのか?自問自答してきました。

僕はプレーヤーなので野球を通じ。組織(チーム)や野球界、社会の利益になる仕事を求め、繋げたいと考えています。

だから、簡単に諦めるわけにはいかないと思うようになったのです。そんな僕の思いを理解して下さり一緒に仕事をして下さる方々、スポンサーさんや治療家さん、支えてくれる仲間や応援してくださるファンの人達。家族。感謝ですよ。






生きている限り。人は、この世に命を授かった以上、それぞれ何らかの使命を背負っているのです。だから毎日を自問自答し一生懸命生きなければならないのだ。



と…


今日、お会いした方から学ばせて頂きました…


「.生きるよ。もっと生きるよ!」

涙が出そうでした。



最期まで生きることを諦めたらいかんね。









o(・∀・)o 「ざぁぁぁっす!」