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9月15日。

韓国独立球団、高陽ワンダーズでのシーズンが終了しました。

ここで感想と個人成績について書きたいと思います。


ワンダーズは独立球団という立場上、
FL(フューチャーズリーグ:韓国プロ野球2軍リーグ)には
特別参加。試合数も対戦数もFL(102試合)とは違うので
リーグ公式記録ではありません。
なので、どこまで皆さんの比較対象になるかは分かりませんが
チーム内での記録としてご報告いたします。


球団公式試合48試合を終え、チームの投手の規定投球回数は
38イニングとなりました。


僕個人の成績は28試合に登板し
4勝1敗7セーブ1ホールド28中継 81回 被安打82
奪三振65 与四球22敬遠2与死球4 失点34 自責点33
防御率 3.67
WHIP  1.28 1イニングでの被出塁率
K/9   7.22 1試合での奪三振率
BB/9  2.44  1試合での与四球率
K/BB  2.95  四球一つに対した奪三振率   でした。

韓国プロ野球2軍リーグに参戦しましたが
同じ数の対戦数をこなした訳でも全ての球団と対戦した訳でも
ないので各数字がどういう価値を持っているかは未知数です。


SK   3試合 10回1/3 ERA 2.62
LG   4試合 12回2/3 ERA 2.12
ネクセン 2試合  3回2/3 ERA 17.03
NC   3試合  6回2/3 ERA 6.72
斗山   3試合 11回1/3 ERA 0.796
ロッテ  1試合  2回   ERA 9.00
尚武   5試合 16回2/3 ERA 2.16
サムソン 2試合  2回1/3 ERA 3.91
警察庁  4試合 11回2/3 ERA 5.38
キア   1試合  3回2/3 ERA 0.00
ハンファ 無し

対戦成績をみると…
イニング長いと防御率が低いですね。
早いイニングでの失点が多いと言う事です。

海外でやっていると打者の情報が入って来ないことが殆どで
今年も自分の対戦結果から打者のデータを取ってきました。
なので、勝負して打たれて情報を得るのが僕流です。
(自分でやってみないと納得しない性格なんだな)
ある程度打者の情報が分かってくれば
順応力、対応力はある方なので数字も良くなってますね。
やっぱり…自分は先発タイプなんだな、と
つくづく思ってしまいます。

150キロを超えるようなボールがバンバン投げれたり、
恐ろしく変化する変化球があれば誰が打席にいようが関係
なく、自分の最高のボールを投げ込めばいいんですが、
僕のスピード、コントロール、球のキレは
外国人選手としては恐らく平均レベルです。
扱う球種は多い方かもしれません。

でも、投手として野球選手としての能力はそれだけではないと
考えていますし他の選手に負けない物は持っているつもりです。
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それが海外経験で学んだ事、僕の生きて行く自信でもあります。


韓国の打者レベルは決して2軍とは言え低くありません。
僕の予想通り、韓国打者のパワーは魅力的だし
考え方などバラエティに富んでいるので
対戦していて非常に面白いと思いました。

インコースが弱いと言う話もありましたが、
捌く技術は持っていると思います。
ただ、狙っているものが違うんだと感じました。

強く打つということを優先しているからでしょう。
どちらが良いとは言えませんが求める野球の違いです。
風土やフィールドの質、ボールの質、バットの質、
野球の歴史などそれぞれの国のそれぞれの背景があるから
違いがあって当然。
それを自分の経験の中で見つけて行く作業はとても面白いです。

韓国の打者は変化球を狙ってコンタクトすることもできるし、
インコースに反応して裁ける打者もいます。
狙い球を変えてきたり打線としての配慮も感じられました。

僕は日本の一軍でプレーした経験が無いので
日本のプロ野球と比べて…と偉そうなことは言えませんが
実感としては打撃レベルは非常に高いと思います。

日本人は力が弱いのでバットの芯で打つ事が当たり前の技術と
して培われて来ましたが韓国人選手は体も大きく力もあるので
強く振りぬくことで
「芯を外されても内野を超えヒットになる可能性が高い」と
いうスタイルが主流なのかなと感じました。

ピッチャーもスピードはあるけど球筋がバラつく、
という選手が多いです。
細かいコントロールが良くない、と言われる点ですね。
打撃技術進化に与える影響においてもこう言う理由が
原因なのかもしれません。
(メジャーリーグではワザと球筋を動かすのが普通です)
もちろん、更に上のレベルの打者になればフルスイングして
コンタクトする事が出来るんでしょう。
対戦した中にはそういう匂いのある打者もいました。

警察庁や軍隊は一軍レベルの選手もいたそうで
素晴しい打者がいましたよ。
名前はハングルだったので分からないし覚えてませんが
背番号や体型や構え方で覚えました(笑)
試合中は登板の有無にかかわらず
ノートにメモを取っているのですが
先週層の厚い警察庁や軍隊は先発メンバーと
僕が投げる後半で打線が変わるので大変でした…。(笑)
おい!誰やねん!こいつ!って何度も(笑)
まぁ、何事も経験ですね。
中に入ってみないと分からない事は沢山ありますね。


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今年は大事な場面での
中継ぎ、ロングリリーフ、抑えと先発以外で登板しました。
48試合で81イニング登板は
先発のタイラー(75回1/3)、センディ(74回2/3)を
抜いてチーム最多。
チームの総イニング数が417回1/3なので
19.4%を一人で投げたことになります。
ちなみにタイラーが18.4%、センディが17.8%ですから
3人で229回、チームの総イニング数(409回1/3)の
55.9%を投げたと(笑)
フル回転で3連戦の初戦と3戦目に
4回以上投げるなんて事もありましたね。

こう言う経験は初めてでしたが、
どの登板もチャンスだと思って限られた時間、
環境の中で出来る限り準備してきました。
なので、数字には表れない苦労もあったし、
数字だけで満足しては行けない部分もありました。

見ている人にとって数字は分かりやすいですが、
数字が全てじゃないと僕は「プレーヤー」に伝えたいのです。
良いも悪いも、数字『だけ』では分からないと言う事です。
これはプレーヤーとファンとの視点の違いでもあるのであしからず。
それがゴールなのかスタートなのか?にも
繋がりますね。ゴールなら評価されて終わり
スタートなら「実体験の裏付け」となるわけです。
もちろん僕はいつもこう言うデータを次のスタートに繋げたいのです。


チームへ貢献出来た部分は自信になりましたし、
KBOへの移籍出来なかった事は自分の力不足です。
不足部分が分かっているなら補う努力をするだけです。
更にレベルアップしたいと思っています。


韓国プロ野球に一番近い所、でシーズンを送り
韓国野球界の空気感や傾向、考え方や環境への配慮など
色んな事を見て経験して感じる事ができました。
一軍の各球団にも日本プロ野球界OBの方達が
コーチとして在籍していたり、話を聞かせて頂いたり
声をかけて頂いたりしました。
サムソンライオンズの落合英二投手コーチには
試合観戦もさせて頂きました。感謝です。

そして、「野神」ことキム・ソングン監督の下で
プレーさせて頂き、多くを学ばせて頂きました。
「練習は嘘をつかない」
中学生の頃、憧れだった元巨人軍の桑田真澄さんと
電話をする機会があってその時に言われた言葉。
同じ事をキム監督も僕たち選手に伝えました。
世界一長い練習時間は正直、大変だったけど33歳になっても
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「自分に限界を作るな」と言われてるようでした。

昨日、一年間のお礼を伝えに監督室へ行った際、
監督からも「ありがとう」と労いの言葉を頂き驚きました。
普段は厳しい表情でグランドを見つめているキム監督も
笑顔で話しながら、今後の事について相談に乗って下さいました。
春のキャンプで韓国メディアの取材で監督の印象聞かれ
「優しい人ですね」と言ってたんですが、本当に優しいですよ。


今年2月に急遽呼ばれて高知でテスト。
監督に認められ外国人助っ人として入団し、
チャンスを貰いました。毎試合「一番良い場面」で使って
もらってたので意気に感じて投げました。
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チームのため、自分のため、そして声援をくれる
ファンのためでもあるけれど、
自分を戦力と認めてくれる人のために
と言う思いはどこに行っても強くあります。
失敗すれば僕を信じてくれた人に恥をかかせる事
にもなるわけで、多くの場合、僕の経歴だけを見ると
獲得には慎重になると思います。
それでも目の前でアピールしている僕の力を
認めて球団にプッシュしてくれるのです。
誰かが僕を認めてくれたから僕はチャンスを貰い
マウンドに上がれているのですからね。
今年も感謝の気持ちをもってマウンドに上がりました。

そして、チャンスを頂いたから今年も成長する事が出来ました。
日本人コーチの河埜総合コーチ、沖ブルペンコーチにも
日本野球界出身者の目線でアドバイスを頂きました。
投手コーチのパクさん、カクさんには体を気遣ってもらい
色々と配慮を頂き感謝しています。
球団のスタッフさんたちも日本人であル僕を
一人のアスリートとして親身になって接してくれました。
感謝。


今後の進展は現時点では何とも言えませんが、
タイミングを見極めて自分の出来ることを精一杯やります。
最後までプロアスリートとして生きたいと思います。



今シーズンも沢山のご声援ありがとうございました。
僕は幸せ者です!!






o(・∀・)o 「ざぁぁぁっす!」