ROH:Best in the World Hostage crisis 抜粋レビュー | コアドラのプロレス研究室

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テーマ:
アダム・コール vs.カイル・オライリー ハイブリット・ファイトルール
かなり細かいルールがあるので、ルールについて触れておきましょう。
15分制限で、フォールなし、KO、TKO、サブミッション、反則で決着。反則は髪をつかむ、凶器使用、外部の介入、レフェリーへの抗議(危害を加えようとするなど)など
目や下腹部への攻撃、またリング外に出たり、あるいは相手を出したり、故意のロープ使用による攻撃は警告が入り、3回受けると負けになる。

さて、前置きが長くなりました、試合に話をうつしましょう。
ジュニアヘビー的スピードと技の読み合い、流れるような試合運びです。しかしながら、序盤はそこまで、このハイブリットルール、ちょっとよくわからないですねぇ。普段しっかり見てないからこそ、おー、なかなかやるじゃないかと言う印象は抱けるでしょうが、それ以上は特にないのです。
しかし、後半、試合が大きく化けました。ナックルの打ち合いから、コールがすざましい流血。クリーンな試合形式から、信じられないほどの凄惨な画が生み出されます。コールが吹いた血の霧は、それ自体にとてつもない説得力が存在し、仮に試合が止まってもこれはしょうがないと思わせるだけのものがありました。
それほどの流血をすれば試合のペースと言うのは、嫌でも落ちるものですが、それどころか、さらに加速。あいた口が塞がらない、鬼気迫るとはまさにこのことではなかろうか。圧巻です。素晴らしい好勝負。この景観は奇跡の産物ともいえるので、必見です。


フィット・フィンレー vs.マイケル・エルガン
出方をうかがいすこしばかり消極的な試合運び。老練なフィンレーが若いエルガンをいなそうとしていると言えば聞こえはいいですが、エルガンに思いっきりの良さがないので、この言い回しは使いにくい。
エルガンが全編通して受けに入り気味なので、フィンレーがひたすら攻め込む画が続きます。Boringチャントも飛んでしまったのは、もっと激しい肉弾戦、シバキ合いが見たいんだというファンたちの民意でしょう。終盤こそは何とか持ち直しそうになったものの、試合時間も長すぎです。如何せん前の試合の打ち合いが壮絶だったこともあり、肩透かしを食らってしまいました。


ケビン・スティーン(ch) vs.デイビー・リチャーズ ROH世界王座エニシング・ゴーズ
初っ端からテーブルが割れる飛ばしよう。思い出してください。去年デイビーは、王者として世界で最も優れていることをこのPPVで体現して見せました。今回は挑戦者として、ましてやインディー界で暴走を続けるスティーン。最初からど派手にやってやるぞと言うアピールでした。
内容なんてなんのその、飛べや壊せやの大乱闘、エニシング・ゴーズという、なんでもありを生かして、凶器をこれでもかと投入。ペースも落ちず、ROHの勢力をこれでもかと投入してインパクトひとつで、カオス空間を生み出した好勝負。ただ何度も言うように混沌としているので、クリーンな試合を好む人には受け入れられないかもしれません。




総評
コールとオライリーの試合が実力vs実力で紡がれた好勝負とすれば、この試合は凶器から人から、あらゆる混沌を生み出し売る材料を投入して作り上げた好勝負。去年の同大会では理想的な形で好勝負と名勝負を生まれましたが、今回は好勝負二つ。前回がWWEで言うところのマネーインザバンク2011に匹敵する出来だっただけに、比べてしまえば見劣りは否定できませんが、コールとオライリーの壮絶な死闘、これだけを見るためだけでもDVDを買う価値があります。レビューはしませんでしたがフィンレーのほかにもWGTTの二人も出ているので、WWEファンにもおすすめの良質な大会です。
壮絶な試合を繰り広げた後のコールの画像を公式サイトからとってきたので、試合結果の下に貼っておきます


恒例のここで買えますよのコーナー タイトルにリンク先を仕込んだのでよろしければ。
ROH「BEST IN THE WORLD 2012: Hostage Crisis」
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試合結果
○アダム・コール vs.カイル・オライリー ハイブリット・ファイトルール
フィット・フィンレー vs.○マイケル・エルガン
○ケビン・スティーン(ch) vs.デイビー・リチャーズ ROH世界王座エニシング・ゴーズ



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