ザ・女。 | あらゆるものを二行で。

ザ・女。


先日、父の十三回忌で
実家に帰りました。
約1年半ぶりに。


久しぶりに会った甥、姪はすっかり大きくなってて。
姪は最初、「あなただれ?」という顔をしてた。


彼女は、なぜか自分のことを「おおの」と呼ぶ。
どこから出たのか「おおの」
なぜおまえは「おおの」
まあおもしろいし、よしとする。


おおのには兄が2人いて。
おおのは、2人を呼び捨てにする。
兄2人は、おおのをちゃんづけで呼ぶ。
すでに上下関係は明らかである。



「あのね、おおのね、プリキュアになるんだよ~」


か、かわいい。
しゃべり方かわいい。しかもゆっくりだ。


おおのは、

みんなが自分の言うことを聞いてくれることを知っている。
結局、自分の思いどおりになることを知っている。


チクショー。
これが小悪魔か。
彼女は、もう女である。
そんな女に、わたしは嫉妬である。



おおの 「おねえちゃん、オオカミの絵本読んで~」と絵本を指さし

にだん 「これね。」

おおの 「ちがう、これ」と、別の絵本を指さし

にだん 「ああ、これ?」

おおの 「ちがう、ちがう、これ」と、また別の本を指さし

にだん 「・・・これ?」

おおの 「ちがうよ、オオカミだよ~」

にだん 「もうわからんっ、自分でとって!」



3歳相手に、42歳は吠えた。ガルルルルー。



おおの 「だっておおの、とれないもん」



チクショー。
3歳のくせに冷静な対応。
でもかわいい。

結局、絵本は読むことに。
そして、彼女に羨望のまなざしを向けたのである。

惨敗。