ルックワールド うどんそば自販機 青森県十和田市 | 昭和スポット研究所

昭和スポット研究所

昭和風味のレトロ自販機を中心に昭和の匂いを感じるドライブイン、建築物、車両などを扱うブログです。
日々そういうものを求めて旅をしています。

雪が降る中、苦労してたどり着いた。



向かって左が24時間営業の自販機コーナー。右はゲームコーナーになってる。こちらは夜間は閉まってる。



前回訪問時はうどんそば自販機は非稼働だったのだが、2013年終わり頃に配置が変わって復活していた!





260円入れたのに何故か40円おつりが出てきた。






ニキシー管もきれい!







雪を見ながらうどんとそばをいただいた。


そばを食べてたらオーナーさんが話しかけてきた。

「汁は薄いかね?濃いかね?どうだろう?」と。

少し薄く感じたので正直に申し上げた。
濃縮のつゆが湯で薄められているのが少し湯が多いようで、下に濃い汁が溜まってしまって一口目がかなり薄かったのだ。
混ぜてからいただけばそれほどでもないが、少し薄いことには変わりない。


せっかくなのでいろいろレトロ自販機に関する話をきいてみた。

「昔は故障してましたよね?」

と聞いて見たところ、コーラの補充に来る営業所がうどんそば自販機も手配しているようで、何年ももううどんそば自販機を捨ててしまおうかと思ってたらしいが、コーラの会社に「何とかしますから待っててください!」と言われ、非稼働のまま何年も残していたそうだ。

昨年の秋ごろに「二戸のお店が辞めるっていう話で・・・」とコーラ会社から話があり、このうどんそば自販機が設置されることになったようだ。


「二戸の~」という話を聞いて、真っ先にオートレストランジャンボの閉店の話を思い出した!
ジャンボの閉店は2013年10月なので時期的にぴったり一致する。

オーナーさんにジャンボの話をしても、前使ってたお店の名前までは知らなかったようで、これがジャンボで稼働していた筐体なのかこの時点では自信が持てなかった。

ジャンボにある頃は非常に手入れが良くて、綺麗でピカピカだった。
正直言うとルックワールドのは、それに比べると少々輝きが落ちていたので自信が持てなかったのもそれが理由の一つだった。

でもその後ジャンボの画像と比べてみると間違いなくオートラストランジャンボで稼働していた筐体だった!



オートレストランジャンボにあったうどんそば自販機。



こちらはルックワールドで現在稼働してる筐体。


押しボタン下の色褪せたシールや取り出し口のカバーの角の欠けなどが完全に一致していた!

上のモール?の変形はジャンボからの搬出時からここに設置するまでの間に損傷したのだろう。


間違いなくオートレストランジャンボのうどんそば自販機がここにある!

昨年10月、ジャンボ閉店前に二戸までうどんとそばを味わいに行ったので感動的な再会となった!



オーナーさんに前の自販機がずっと非稼働だった理由を聞いてみると、湯切りができなくなったためとのこと。

「湯切りできなくても使ってるお店はいっぱいありますよ!」

と話しすると、味を見てみてやはりダメということになったらしい。

湯切りができない。それだけの理由で本当に稼働していなかったとしたら誠にもったいない話だ。





ちなみに非稼働だったうどんそば自販機はお店の裏手に置かれている。





各パーツに積もった雪が引退してる侘しさを思わせる。



さらに奥へ行ってみると、なんとカップライス自販機があった!












非稼働ではあるがボタン一つでそれぞれの湯量が自動的に出てくるタイプ。
これは初めて見た!

カップライス対応自販機として製造された貴重なものなのだろう。
旧式のカップめん自販機のパネルだけカップライスのものは見たことがあるが、カップライス対応のはかなりレアだろう。

パネルは色褪せているが非常にレアだ!


裏で許可をいただいて自販機の写真を撮っていると

「自販機好きならちょっと話そうよ。」

とオーナーさんに言われ、ありがたいことに缶コーヒーをごちそうになりながら、店の中でさらにいろいろ話を聞かせていただいた。


うどんそば自販機の中身。天ぷらは七戸の天ぷら屋さんから、めんはスーパーで(笑)買ってきているらしい。

それをお店の裏の厨房で奥さんが仕込んでるとのこと。


昔はラーメンもやっていたが2回の湯切りだけではめんの芯が残ってしまい、あまりよろしくなかったのでやめてしまったらしい。

その頃はうどんそば自販機とラーメンの自販機が並んで設置されていたらしい。


オーナーさんが天ぷらで自販機の中が汚れるので掃除が大変だという話をされたので

「具はめんの下に入れてるところもありますよ!湯切りで具が飛び出たりすることもありませんか?」

という話をすると

「しょっちゅう(笑)」と。

先のラーメンの話もあったので雲沢観光ドライブインの具がめんの下に入ってる自販機ラーメンの画像を見せたらとても驚かれて、わざわざ厨房の奥さんに

「天ぷらはめんの下だぁ~!」

と言いに行ってました。(笑)


具はめんの下に入れるっていう発想は全くなかったようで

「昔一度覚えてそれを疑わずでねぇ・・・。」

と感心なさっていました。


これからは具はめんの下になるかもしれませんね!


昔はここにカレー自販機、ハンバーガー自販機、自販機の中で油で揚げるから揚げやフライドポテトの自販機もあったらしい。
トーストサンドはやってなかったとのこと。
汎用機ではおにぎりやサンドウィッチなども販売してたらしい。

ハンバーガー自販機の中身も、例のコーラの会社がどこかから仕入れて納品してたとのこと。
グーテンバーガーだったかどうか聞いてみてもわからなかった。


話からするとカレーは川鉄のカレー自販機のようで、暖まっているレトルトを自販機の中で自動的にハサミで切ってご飯に乗せて出てくる構造だったとのこと。
そのハサミで切るのが時々トラブルになったようで、少ししか切れずにルーが少ししかご飯に乗ってないとか、全く切れないでご飯だけ出てくるとかいろいろあったらしい。

「トラブルがあっても大人の人はちゃんと言いに来てくれるけど、若い人は文句だけ言ってそばを食べずにぶちまけていく人もいた」と。

アナログなレトロ自販機を維持していくにはやはりご苦労はあったようです。


現在の麺類自販機は3台目だそうだ。

レトロ自販機のあるお店としては建物が新しいのでいろいろ聞いてみると、この建物何度か建て替えて、現在のは3代目だそうだ。

以前の建物は2階建てで、2階が喫茶店になっていたそうな。



その話を裏付けるかのように、店の裏の非稼働のうどんそば自販機のシールにはしっかりと「喫茶2F」と書かれていた。


レトロ自販機があるお店のオーナーさんに「レトロ自販機が好きで日本全国旅をしている」話をすると喜んで自販機の話を聞かせてくれる人が多い。
このルックワールドのオーナーさんも例外ではなく、貴重なお話をいっぱい聞かせてくれた。

いつまでもレトロ自販機も頑張って守って、営業を続けてほしいなって思う。



ルックワールドの再訪は、今回の東北自販機めぐりの重要なミッションのひとつだった。
ここを再訪して、個人的には日本全国の稼働が確認されているレトロ食品自販機(麺類、ハンバーガー、トーストサンド)は完全制覇となった。


しかし、訪問時うりきれだったりして食べてないメニューなどもあるため、まだ旅は続きます。


(2014.3.7訪問)


前回(2011.8.26)訪問時の記事はこちら