「没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち」展関連イベント ブロガー内覧会@山種美術館
http://www.yamatane-museum.jp/2012/10/blogger.html
いつもお世話になっている《青い日記帳》Takさんが、またまた素敵なイベントを企画して下さったので、喜んで参加して参りました。
山種美では数年前に「横山大観と竹内栖鳳」展を拝見した記憶も新しいですが、「東の大観、西の栖鳳」と呼ばれる大家でありながら、現在一般の認知度では大観に水をあけられている栖鳳。その真価を多くの人に知ってほしいという山種美術館(特に山下裕二先生!)の強い思いを感じる展覧会です。 ちなみに私は京女のはしくれとしても、上村松園の師であった栖鳳先生を高くリスペクトしております....w
いつもながら素敵なお着物の山崎館長によるギャラリートークでは、様々なトリビアをお聞きすることができました。
何が楽しいって、まるで動物園のごとく沢山の動物がいたこと!(笑)なんでも栖鳳の動物画は「動物を描けばその体臭までも表す」と評されたそう。
写真撮影可能だったので、お話の記録も交えて忘備録。
冒頭を飾るのはやはりこのニャンコしかありません!《斑猫》
エメラルドグリーンの目には、群青、緑青、金泥を使用。毛描きにも金泥を使用しているあたり、北宋の徽宗皇帝の画を意識しているのではとのこと。
落款と印章の位置が左上にあるのも、空間構成を考えられている。
せっかくなのでドアップ写真。このニャンコを見ると、いつも「ど根性ガエル」を思ってしまう私なのである..絵の中で生きているようなので(笑)
栖鳳の画業の源泉となった円山四条派の紹介。
円山応挙の《虎図》コワいというよりも可愛い(笑)なんだか東博より居心地よさそうな感じ?
長沢芦雪《岩上双鶴図》白い羽の描き方は若冲の白いオウムと似ている。
伝 芦雪《唐子遊び図》文句なしに可愛い。やっぱり蕭白のグロい唐子よりもこういう子供らの方が好みだわ。
さて、私が好きな栖鳳作品はライオンなのだが、三重県立美所蔵の《虎・獅子図》は後期展示(10/30~11/25)なので今はライオンがいなくて残念ではあった。
が、こちらの象さんも迫力あって素晴らしい。お猿が背中に乗っているのも愛嬌があるが、このように大きい動物と小さい動物を組み合わせて描くのは芦雪のスタイルを踏襲しているそう。
《象図》
その横にいたこの熊のかわいさにもノックダウンされた!
《熊》
蘇州の塔を描いた作品などは、渡欧の際に感銘を受けたターナーやコローの影響も感じられる。
《雨中山水》越前の岩野平三郎商店に特注して作らせた「栖鳳紙」に描いている可能性が高い。岩野平三郎の和紙については、明治神宮文化で見た「和紙に魅せられた画家たちー近代日本画の挑戦」で知った。岩野商店にはもともと大観が特別注文を始め、栖鳳や他の画家たちも自分の好みに応じた和紙を注文するようになった。
《飼われたる猿と兎》 実際に栖鳳が飼っていた動物たち。猿を描きたかったので兎はついで?だったらしいが、猿は輪郭線なしで墨のにじみによってふわふわした毛を表しているのに対し、兎は輪郭線あり、と描き方にも違いをみせている。
このウサギはピーターラビットにも負けない可愛さだと思います...!
《干柿》紙を梳く段階で銀を混ぜる「銀潜紙」に描かれている。近づいて見るとキラキラして、浮世絵の雲母刷りのよう!!
《蛙と蜻蛉》鳥獣戯画からのインスピレーションで描かれた。右端の蛙が半身なのは、絵巻のように右側にも絵が続いていくことを示唆する。蛙が11匹なのは、帝展の審査員が11名だったので風刺?とも言われた。
《鴨雛》 ぬいぐるみにしてほしい...
《若き家鴨》これもマザーグースみたいで可愛いのなんの。鴨はよく画題でも使われたが、家鴨を描くのは珍しいかったとか。バックが金箔がランダムに散らした揉箔なのも美しい。
《散華》
東本願寺・大師堂門の天井画の依頼を受けるも未完となった試作。
門下の弟子たちの作品も紹介。 いずれも錚々たる面々。
西村五雲《白熊》 京都市動物園の白熊を写生したそう。白熊は昔からアイドルだったのだなw
上村松園《新蛍》
村上花袋《裸婦図》
ラウンジの交流タイムでは、カフェ椿の和菓子も頂けた。 そして続々とTwitterやFacebookに投稿タイム(笑)
いつもながらの楽しく有意義なひと時を過ごさせて頂きました。Takさん、山崎館長、スタッフの皆さま、改めて御礼申し上げます!