人の悪い癖を見て、自分の振る舞いを正していくこと程、徳になることはなく、逆に人の悪い癖を真似する程、損なことはないのである。
このことを仰せの御教歌です。
人には、それぞれ良い所もあれば悪い所もありますが、
「人のふり見て我がふり直せ」
このように、自分の振る舞いは、中々分かりにくいものが、人様を見ていると善悪がよく見えるものです。
その人を通して良い所は真似をしていき、悪い所は真似をしないようにしていきたいものです。
例えば、人からされて嫌なことは人様にもしないことです。
傷ついたこと、嫌な思いをしたこと・・・それを仕返しをするかのように、「自分と同じ目にあわせてやる」などと思い、相手からされたようにやり返したとしても、その結果残るのは空しさや憎しみだと思います。
そういう時、もう一つ大きな器となって、相手からされて嫌な思いをした事は、「決して人様にしてはいけない」ことを心に留めて置きたいものです。
自分だけ我慢して損のように思うかもしれませんが、自分が受けた嫌悪感を、人様に持ちかけない生きかたの方が素敵だし、大人のように思います。
そのことが
「あしき所作 みてなほすほど 徳はなし」
という教えに基づいた生活だと思います。
またことわざに
「人には添うて見よ、馬には乗ってみよ」
(人は親しく交わっていかなければ、その人の本当の良さ、悪い点は分かるものではない)
とありますように、人を外見や上辺だけの付き合いで判断していくのではなく、心からの付き合いをしていく中で、相手の良い所は真似をしていき、悪い点は真似をしていかないよう心得ていきたいものです。
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