今回のアスペルガー障害を持つ被告についての判決への事務所意見 | PSIカウンセリング スタッフ★ブログ

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 今日、Yahooニュースを見ていると先日大阪市平野区で起きた殺人事件の判決の記事があった。

 詳細はこちら。→(http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/citizen_judge_system/?1344743917


 私は記事の内容の真偽を確かめるため、判決要旨を手に入れ、内容のを精読させていただいたのだが、まぁ本当にひどいものである。



 最初に断わっておくが、今回のような殺人事件を起こした被告は正当に裁かれるべきであると考えている。


 そのうえで、裁判官の具体的な量刑の決め方が非常にまず過ぎるのである。


 判決要旨(以下要旨と記載する)内の量刑の理由の部分では、アスペルガー障害(要旨内ではアスペルガー症候群との記載。以下、アスペルガーと記載する)の影響を認めた上で、


「本件犯行に関するアスペルガー症候群の影響を量刑上大きく考慮することは相当ではない。(本文ママ)」

と、記載がある。


にも関わらず、具体的な量刑の部分では

「社会内で被告人のアスペルガー症候群という精神障害に対応できる受け皿が何ら用意されていないし、その見込みもない現状の下では、再犯のおそれがさらに強く心配されるといわざるを得ず、この点も量刑上重視せざるを得ない。(本文ママ)」

と記載されている。


 本文をそのまま掲載し、みなさんにも判断してもらいたいぐらいである。

 ネット上に落ちているので、是非探して頂きたい。


 この判決についての問題点として

①裁判官がアスペルガーへの取り組みに関してあまりに無知であること

②量刑を重くするためにアスペルガーを利用している感が否めないこと

③他のアスペルガーの方への多大なマイナスの影響

が、あげられる。


 これに関して当事務所としては


 今回の裁判員裁判で出されたこの判決の要旨は、現在のアスペルガーへの取り組みに対しての挑戦であると感じる。できれば控訴審でこの認識を改めた上で、正当な量刑を被告に与えてほしい。(量刑を軽くしてほしいわけではない。裁判員が正しい認識を持ってほしいことを望んでいる。)


 また、この判決が出されたことで、アスペルガーの方への差別助長が確実に進むことが見込まれる。正しい認識の上での判断で出された判決であれば何も言うことはないが、正しい認識を持たずしての判断で、差別の助長をするような判決は抗議に値すると考える。


 最後にアスペルガーやひきこもりの方と関わる当事務所を含めた関係機関は、社会一般の方に正しい認識を持っていただけるように、今まで以上の努力を持って日々取り組みを行って行くべきだと考えている。

 そして今後こういったことが起こらないことを切に願っている。


 PSIカウンセリング事務所


 以上を公式声明とさせていただます。

 これからお盆休み返上で、対応を協議します。

 今月末、外部からアスペルガーの方をお呼びして講演をしていただく予定が決まっていました。

 たまたま昨日打ち合わせがあり、笑顔で食事をさせていただいたところでした。

 今からその方と急遽電話でお話をして、対応を協議することになりました。

 講演も外部の方も参加できるようにした方がいいのか真剣に検討しています。

 ご意見等がありましたら、コメント欄によろしくお願いします。