
予習復習の最適時間はいつ?勉強の集中力を高める脳の概日リズム!

今日のテーマは、勉強の集中力がどうしても上がらないという中学生や高校生の人に、ぜひ知っていただきたい、脳医学の法則を応用した勉強の効率アップの方法のご紹介です。
勉強は、脳の使い方を、サーカディアンリズムと呼ばれる一日のリズムに適合させることによって、集中力を高められるということが、脳医学の研究で解明されています。
特に大事なのは、予習と復習では、脳に必要とされるリズムが異なるということです。
この性質を活用しただけで、勉強の集中力や効率は、大幅にアップします。
具体的には、勉強をするときに、どのような工夫をすればいいのか?
受験生を専門に診療している心療内科医としての経験と専門知識をもとに、わかりやすく解説します。

この時期、受験生はもちろん、それ以外の中学生や高校生も、そろそろ本格的な受験勉強を始めないといけないと思って、勉強のギアを上げようと考えている人は多いと思います。
にもかかわらず、いざ机に向かうと、ちっとも集中力が上がらない・・・という悩みを抱えている人は少なくありません。
どうして集中力が上がらないのか?
実は、今どきの中学生や高校生に特に多いのですが、集中力が上がらない原因が、人体に組み込まれている一日のリズムであるサーカディアンリズムに合致しない脳の使い方をしていることにある場合が多いのです。
そのような方は、これからご紹介する、脳のリズムを応用した予習と復習に適した時間帯の法則を守れば、それだけで、かなりの集中力アップを実現できます。
人間の脳は、1日24時間のサーカディアンリズムと呼ばれるリズムに従って、その働きを変化させています。
家庭で行う学習も、この脳のリズムに従って行うと効率が上がってくれます。
この点で大事になってくるのは、予習と復習で、いつ行うべきか、サーカディアンリズムによって、望ましい時間帯が異なるということです。
家庭学習とは、大きく分けると予習と復習が二本柱ですよね。
この二つは、勉強をしているときの脳の働きが異なり、集中力を高めるための条件もく異なるのです。
だから、脳にとって望ましい時間帯も異なるわけです。
まず予習については、脳に求められる能力の中心が、未知の分野の知識を論理的思考力によって理解することです。
こうした能力については、脳の前頭前野という部分を主に使いますが、この機能については朝から午前中にかけてが最も機能が高まり午後のになると少しずつ低下してきて、夕方以降はかなり低下してしまいます。
だから、勉強の集中力も効率も、必然的に低下します。
また、無理にこうした能力を高めようとすると、脳に負担がかかってしまってストレスが生じてしまいます。
だから、ヤル気も長続きしないし、イライラもしやすくもなります。
翌日の予習を夜に行う人が多いと思いますが、こうした勉強習慣は、脳のリズムから言うと、集中力や勉強の効率の点で、とても損をしているやり方だと言えます。
一方、復習については、脳にとって使う部分が大きく異なります。
復習は、習ったことを確実に知識として脳に記憶をとどめておくということです。
これについては、脳内では海馬を含め側頭葉といった部分を中心に使います。
こうした部分による記憶の能力を高めるためには、夜に勉強したほうが、はるかに効率が高いのです。
なぜかと言うと、記憶は、夜寝ている間に海馬から側頭葉の大脳新皮質に変換されて置き換えられて長期記憶に変換されます。
これを効率よく行うには、復習を寝る時間にできるだけ近い時間に行った方が有利なのです。
午前中に復習を行うと、夜寝るまでの間に時間が長くなり、その間に復習したことと違う情報が次々と脳に入ってしまいます。
その結果、夜寝ている間になかなか長期記憶になりにくいという性質を持っているのです。
こうした脳のリズムを理解した上で、出来る限り予習は、できれば午前中を中心に、遅くても午後の遅くならない時間帯までに済ませてしまのがいいんです。
一方、復習は、午後の遅い時間帯以降に回す方が有利なのです
ただし、注意していただきたいのが、脳にストレスが溜まるなど脳の機能が不調に陥っていると、午前中であっても予習の効率が上がらず、夜であっても復習しても記憶に止まらないという現象が起きます。
この場合は、気力を振り絞って頑張っても、ほんの短い時間だけ効率が戻るだけであって、これにより、さらに大きなストレスが脳に溜まることによって、しばらくするとその反動で、余計に集中力が低下するという事が起こってしまいます。
このような場合は、脳機能についての専門の検査を受けて頂き、脳で起こっている問題点を解決するということが成績アップの最善の解決策です。
実際、なにか脳のSOSサインが出ていたら、それは受験生にとって朗報かもしれません。
現在の成績は、あなたの実力ではなく、脳機能の低下で、見かけ上、下がっているだけなので、逆に言えば、脳機能を直せば大幅に成績が上がるということを意味するからです。
根本的に学力が劣っているより、はるかに明るい未来が見えてきます。
該当する症状が見つかった方は、ぜひ、こちらの検査を受けてください。