∞イケメン・ジョニーはスーパースター? #37 | ワールズエンド・ツアー

ワールズエンド・ツアー

田中ビリー、完全自作自演。

完全自作、アンチダウンロード主義の劇場型ブログ。
ロックンロールと放浪の旅、ロマンとリアルの発火点、
マシンガンをぶっ放せ!!

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「ジョニーを目覚めさせる方法。」


「……起きろ、こら」
 湖の底の石のように深い眠りが瞬時にして覚醒へと切り替わる、その声は心臓に突き刺さる鋭さを持っていた、天野くんは跳ね上がるように布団から飛び起きる。
「ま、まどかさん……なぜ、こんなところに……」
 改装さえなされていない農機具小屋、一階はバンドの練習スペースとして、二階の物置きに天野くんとジョニーが生活している。

「なんてとこに住んでんのよ、あんたたち……」
「住めば都って言うじゃないっすか……」
「ここはそもそも住居ではないでしょうよ……」
 呆れた表情を浮かべる、視界には年月の経過を感じさせるタマネギがぶら下がっていた、そしてスヤスヤと寝息を立てるジョニーは小さく丸まっていた。
「ジョニーはなかなか起きないんです……」
「知ってるわよ」
 申し訳なさそうに天野くんはアタマを下げる、そうは言いながらも爪先でジョニーに合図を送る。
 反応はない。

「……で、今日はなぜここに……?」
「とりあえずジョニーを座らせて。起きなくてもいいから」
 はぁ、と訳の分からぬまま、天野くんはジョニーの着ているパジャマの首を引っ張り上げ、そして壁にもたれかけさせた。
「天野くん、憶えておくのよ、ジョニーの起こし方。寒くなると冬眠するかもしれないからね」
 まどか嬢はおもむろにジョニーにまたがる、そして寝息を立てたままの彼の後頭部の髪を握った。
「な、なにを……?」
「いいから」
 その瞬間だった、コマかネジかのように、まどかさんは渾身の力でジョニーの首を左へ捻じった、音を立てて180度後方へ向いている、起きていれば間違いなく真後ろが見えるだろう、いや、常人なら首の骨が折れてしまうだろう。
「痛っ、いたたた……」
 痛みはあるものの、ジョ
ニーはやはり生きていた。
「ほらね」
 まどかさんはしてやったりの顔で言った。

<ロックンロールはつづいてゆく……今夕、もう一編……>
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go,johnny,go‼
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