トンネル事故を元素で分析!その3「接着剤が事故の原因?」 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-12-04 05:20:36

トンネル事故を元素で分析!その3「接着剤が事故の原因?」

テーマ:元素周期表
トンネル事故を元素で分析!その3「接着剤が事故の原因?」

9人の死者を出したトンネルの事故。

昨日は、原因として疑われていた金属疲労について解説したが、その後、接着剤が事故の原因である可能性が浮上した。

金属のボルトをコンクリートに接着剤で止めていたとのこと。

このボルトがすっぽり抜け落ちているので、接着剤が効かなくなっていたかもしれない。

ここまでが、報道されていること。

ここから先が、私の解説。


コンクリートと金属をくっつけていたのだから、使われていた接着剤は、おそらく「エポキシ樹脂」というもの。

私は、以前、宇宙の彼方、おうし座暗黒星雲にあるオキシレンという化合物の研究をしていた。

(詳しくは、「元素周期表で世界はすべて読み解ける、宇宙・地球・人体の成り立ち」(光文社新書)の第2章をご参照ください。)

このオキシレンが実に面白い性質をもっており、生命を生み出したカギを握る物質だと、私たちの研究グループは考えていた。

それはさておき、
このオキシレンの仲間のエポキシ基を持つ化合物を、総称してエポキシ樹脂という。


エポキシ樹脂という名前は聞いたことがなくても、使ったことはあるはずだ。

A液とB液を混ぜると固まる・・・。

こういう接着剤は、だいたいエポキシ樹脂だ。

A液はバラバラの分子で、B液を混ぜることによって、化学反応を起こしてくっつき合い、一個の巨大な分子に変身して接着する。


接着剤としては優秀なものだが、しょせんは有機化合物。

35年も放置しておくというのは、接着剤については素人でも、オキシレンを研究していた私には考えられないな。


P.S. 拙書が、また、アマゾンで在庫切れになっていて、ご迷惑をおかけしましたが、本日、無事、大量に搬入されました。よろしくお願いいたします。

おうし座暗黒星雲の研究については、「元素周期表で世界はすべて読み解ける、宇宙・地球・人体の成り立ち」(光文社新書)の第2章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。
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