その心意気、ヨシ | 元プロ野球選手がニュースから考えてみる

その心意気、ヨシ

”楽天の釜田投手がKO”なんて今朝のスポーツ紙で記事が出ていましたが
、記者さんは本当に厳しい批評をするものです。


というのも彼は昨日、6回途中まで投げて勝ち投手の権利を
得て、次の投手へバトンを渡しました。

それ以降の投手が打たれたので、記事的には興味をひくように、釜田君の名前を
出したのかもしれないが、それはちと違う。


おそらく勝っていたら、「釜田ナイス・・・」なんて風に変わるんでしょう。

結果もよりも大事なのは、まず内容をしっかりと伝えることではないでしょうか。


この試合、私も途中から観ていましたが、彼は高卒一年目とは
思えない素晴らしい投球をしていました。


決して調子は良くなかったのですが、先発として、しっかりと試合を作り、
最後まで粘り強く投げていました。


これは何年もプロでやっている選手だって、なかなか出来るものではありません。


しかも西武ドームは蒸し風呂状態です。そしてデイゲーム。
普段より数段悪い環境の中でしたから。


テレビで見ても、投手のかく汗は尋常ではありませんでした。


一昨日の西武の牧田投手の指のマメがつぶれたのも
この蒸し暑さが要因の一つだと思います。


しかしこの厳しい中、釜田君はしっかりと投げたわけです。


だからこそ褒める記事がないことに残念さを感じます。


「調子が落ちているな」とは星野監督のコメントですが、
当たり前の話です。


昨年まで一年間フルに野球をやったことがないんです。

しかもプロという最高峰の中でプレーしているわけですからね。


数試合を投げて、疲れは当然出てきます。

ここは故障をしないように、大事に起用して欲しいと願います。


僕が彼に惹かれたのは、最後の打者に打たれはしましたが、
愚直なほど、真っ直ぐで攻めたこと。


おそらくこの回で交代するとわかっていたのと、どちらかと言えばこれまで
スライダーが多めだったので、最後は投手の本能として力勝負でいったのでしょう。

スピードも上がっていましたしね。


気持ちが画面を通して伝わってきました。


とても負けん気の強い投手なんでしょう。

この心意気、大好きです。