附図解説の中味 | 大山格のブログ

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おもに歴史について綴っていきます。
実証を重んじます。妄想で歴史を論じようとする人はサヨウナラ。

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 来月に覆刻される『元帥公爵大山巌』の附図には、旧版にはなかった「附図解説」がつきます。実際に覆刻される附図は、旧版の附図を撮影した画像にデジタル処理を施して黄ばみを除去したうえ、四色分解ではなく青や赤は特色インクを用いた多版刷りになりますが、この記事では旧版のを撮ったまま載せています。

 ここに例示したのは「附図第十八」の部分拡大です。くどいようですが、実際の商品では色調が新製当時の状態に復元されます。そこは御安心ください。

 それでは、解説の中味を、この一枚分だけ御紹介します。

 白河口の新政府軍が中通りで北上を開始すると三春藩が無血開城し、次は二本松が白河口軍の進撃目標となった。同盟軍の要請に応じて諸方面に兵力を派出していた二本松藩は手元に残した兵力が乏しく、同盟に対して援軍を要請したが受け入れられず、また、派出した藩兵の帰還も許されなかった。
 絶体絶命の窮地に陥った二本松藩は降伏か抗戦かで論議がもつれるうちに新政府軍が来襲し、抗戦を決意した。正規兵が出払っていたため、元服前の少年たちまでが防戦に出陣し、多くの犠牲を払いながらも大健闘した。
 城の南西、大壇に位置する砲兵こそ世にいう二本松少年隊。もとより城を守りきる力はなかったが、藩主を脱出させ、本丸に残った家老らが腹を切るまで時を稼いだのは天晴れというほかない。猛将・野津道貫に挑みかかり、感銘を与えつつ討死した青年もいた。


 旧版の附図は薄紙で破れやすく、扱いに注意が必要でした。それがマツノ書店の覆刻版では厚紙になりますので、安心して広げられるようになるのが嬉しいところです。

 御注文はマツノ書店で受け付けています。恐れ入りますが書店での取り寄せ注文はできません

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