現代語大東亜会議演説集 自由インド仮政府代表・チャンドラ・ボースの発言④ | 日本を語るブログ
テーマ:大東亜会議(前回http://ameblo.jp/seizi1995/entry-11692275421.htmlから引き続き)
議長閣下、併せて新しい世界、新しいアジア、自由にして繁栄なる新大東亜の理想の達成は、我々が今次戦争に勝利するか否かに懸かっていることを忘れないでいただきたいのでありまして、インドに関しては、我らの運命は今次戦争における日本およびその興国の運命と密接な関係にあります。万一、我が興国が没落すれば、インドは少なくとも向こう百年間は自由を得る望みはないでしょう。併せて今次戦争においては、正義は我が方にあるのであります。そしてこのような国際的危機を長い間待望してきた我々インド民衆は、この好機を積極的に利用し、最終的には祖国解放を達成することを決意していることを、私はここに議長閣下並びに閣下各位にはっきりと申し上げる次第であります。インドにとっては、英帝国主義に対する徹底抗戦以外に道はありません。仮に他国が英国との妥協を考慮しているとしても、少なくともインド民衆になっては、全く問題にはならないのであります。即ち、対英妥協は奴隷化との妥協を意味するものであり、我々はこのような奴隷化との妥協は決して行わないという決意であります。故に、我々は今後いかなることが起ころうとも、又、その戦いが以下に長期かつ困難を極めようとも、さらに又、闘争に伴う苦悩および犠牲がいかなるものになるにせよ、我らの究極の勝利を確信し、いばらの道を最後まで戦い抜く決意に燃えていることを、閣下各位に確約したいのであります。併せて私は我々の前途に立ちはだかる事態の重大さを軽視するものでなければ、敵の戦力を過小評価するものでもありません。私は5歳のときから英国人というものを熟知していますが、彼らをこのように熟知し、インドにおける敵の力と弱点を知るが故に、私は我々が最終的には勝利することを確信する次第であります。
併せて我々は自由を獲得するためには当然その代償を支払わなければなりません。インドにとってこの問題は、閣下各位に対するのとは趣旨を異にしません。閣下各位は全て、敵が加えてくる攻撃を排除し、現に保有しているものを確保し、各位自身の自由を保持すれば事足りますが、インド民衆はさらに戦い、己が自由を戦い取らなければならないのであります。ここに繰り返す申し述べますが、我々は決して我々の前途に立ちはだかる事態の重大さを軽視するものではありません。真に、私がこの席上にあって、新東亜、新アジア、新世界を想像している間にも、胸中には全て我々がインドの国境、あるいは平原において戦うべき数々の戦闘の情景が彷彿するのであります。
(次回へ続く) 
