現代語大東亜会議演説集 日本国代表東條英機内閣総理大臣による代表演説⑤ | 日本を語るブログ
2013-10-24 07:46:10

現代語大東亜会議演説集 日本国代表東條英機内閣総理大臣による代表演説⑤

テーマ:大東亜会議
(前回から引き続き)
米英が、いわゆる大西洋憲章によって標榜するところと、インドに対して実際に執りつつある事実を、彼らがいかなる言い訳をしようとしても、理解を得ることはできないと思います。同時に我々は、今更彼らの矛盾を見て驚くことはありません。全世界の人々は今日まで米英の表面に掲げる美しい看板と、その裏にある企みとの矛盾を多く見せつけられ、欺瞞と偽装こそ、米英の本性であることを熟知しているのであります。敵側の為すことがいかなるものにせよ、帝国は大東亜各国と連携し、王道を歩み、大東亜を米英の抑圧から解放し、大東亜各国と協力して大東亜の復興、興隆を図ることを期すのみであります。今や大東亜の諸国家諸民族の結集は成し遂げられ、万邦共栄の理想に向かって、大東亜新建設の大きな一歩を踏み出したのであります。
(中略)
大東亜戦争は実に(*1)破邪顕正の聖戦でありまして、大義名分は我にあり、正義の向かうところ敵無し、究極の勝利は我に帰すべきことを信じて疑いません。
ここに大東亜諸国が各々の真心により大東亜戦争に協力されつつあることに対し、心より感謝の意を表すると共に、今後ますます激しくなる戦局に対処し、帝国は大東亜諸国と共に、欧州の同盟国との連携を固め、必勝の確信の下、不屈の闘志で、いかなる困難も乗り越え、我々の共同使命とする大東亜戦争を完遂し、大東亜建設を完成させ、真の世界平和確立に貢献することを期するしだいであります。(終)

(*1)破邪顕正・・・誤った見解を打ち破り、正しい見解を打ち出すこと。

今回で、大東亜会議における東條英機内閣総理大臣の代表演説は終わりです。
東條首相の演説は素晴らしいと思います。大東亜戦争完遂への決意、そしてアジア解放を説いた東條首相の姿が目に浮かびます。
ですが、演説中「向かうところ敵無し」「勇躍邁進」と言いながら、最後は「今後ますます激しくなる戦局に対し・・・」と発言しています。大東亜会議が開催された昭和18年は、日本軍に緒戦の勢いがなくなり、戦局が厳しくなり始めたころです。その状況が、この「今後ますます激しくなる戦局」という発言に集約されていると思います。
石原莞爾は「東條には思想がない」と評したように、東條は軍事官僚としては優秀でも、軍人としての才能はなかったと思います。事実、この大東亜会議でも、東條の関心は会議の完遂にあったそうです。やはり東條は優秀な軍事官僚でしかなかったのです。

次回は自由インド仮政府首班・スバス・チャンドラ・ボースの発言内容をご紹介します。開始日は未定です。
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