10月16日(火)屋久島「Hale Kipa」にて「第2回ひかりの祭り」
今回の九州ツアーは天候に恵まれたが、いよいよラストの屋久島で台風がやってきた。
フェリーは全部欠航したが、高速船トッピーは動いている。
民俗館館長のヨウコが鹿児島市まで送ってくれ、名店「小金太」のラーメンを食べた。コクがあるのにさっぱりして、完璧なバランスだ。チャーハンもむっちゃうまい。
今回の主催者ダイ&エミカ夫婦は311をきっかけに屋久島に移住し、1歳のアニカを育てている。
ダイは日光で300人のアイヌ結婚式をおこない、高尾山で「ウレシパモシリ」という祭りをおこし、去年第1回ひかりの祭りを主催している。
やつがいくところ、人が集まってしまうカリスマ力をもっている。
オレにとって屋久島は3回目である。
アニメ「もののけ姫」の舞台ともなった屋久島は、森の島であり、その森は神の森と呼ばれる。
なぜ神の森なのか?
言葉では説明できないが、屋久島の森にはいった者ならば誰もがうなずくはずだ。
きらめく雨、輝く苔、皮のせせらぎ、森の体臭、木々のフォルムが織りなす美、気がつけば荒れていた心が鎮まり、神聖な気持ちになっている。
会場の「Hale Kipa(ハレキパ)」は海を見下ろせる最高のフリースペースだ。
去年につづき、オーナー井内さんと猫が素敵な笑顔で迎えてくれる。
100人を超える観客が集まってくる。
島民はもちろんだが、静岡からダイの兄夫婦トシ&ミナコ、
東京からシホ&ヒロシをはじめ、内地からきた人も多い。
屋久島へ子育てのために移住してきた家族も多いので、子供たちも元気に遊びまわっている。
おおっ、いきなりの組体操。おまえらは北朝鮮か!
屋久杉を削るワークショップで全国をまわるケンタとナオがこのイベントを陰で支えている。
ふたりは今朝の5時から森にはいり、美しい花を摘んできた。刈谷崎ケンタの異名をとる生け花はワイルドだ。池bヴぁなが終わるとDJ8940(ヤクシマン)に変身する。
ナオは忙しいダイにかわりイベントの告知から受付まで影のサポートを一手に引き受けてくれた。
ケンタとナオはダイが屋久島にくるきっかけをつくってくれた夫婦で、屋久島の森のガイドならこの二人にお願いしたらまちがいない。ガイドブックなどにのっていない本当の森を案内してくれる。
小笠原もそうだが、島では料理を一品持ち寄るって風習がすばらしいねえ。
舞踏家虫丸さんの奥さんであり、素敵な料理を提供するお店「水晶玉」のひろみさんは、手作りのピザと屋久島の名産サバブシをつかったパスタをだしてくれる。
舞踏家の虫丸さんは世界的に活躍する舞踏家だ。
普段は永田で農業を営みながら、奥さんのひろみさんと3人の子供を育てている。
やさしい笑顔と穏やかな性格からは想像できないほど、彼の舞踏は魔力をもつ。荒々しい海を背景に芝生の上に魔神が降臨した。
白髪交じりの長髪を振り乱し、顔にインドの修行僧を思わせる模様が描かれている。
薄くまとった衣を透かして60歳とは思えない肉体美が躍動する。
座(ザ)じゃじゃは、アフリカンパーカッションのバンドだ。
ジャンベやドゥンドゥンからつむぎだされる強烈なグルーブに観客は踊り狂う。
ビッグストーンは屋久島を代表する重鎮バンドだ。
「アキラー生き返っておめでとうー!」
屋久島の小田和正ことヒロキさんと涙の再会を祝う。
ランディさんとも本を出している天才写真家山下さんが貴重な日本ミツバチの蜂蜜をくれる。
サブローさんは今日、仙台原発反対の訴訟で鹿児島にいっている。今日のメンバーはボーカルのヒロキ、ベースの山下さん、ギターのテラさんは17歳の息子である潮(うしお)を参加させる。潮のギターテクニックは軽く父を凌駕し、タッピングで華麗なるギターを披露する。
ビッグストーンの歌はストレートで力強い。
「子供たちを戦争にはいかせない」や、「ガンジー」など、まっとうなことをまっとうな言葉で投げかけてくる。そのいさぎよさと覚悟がかっこいい。
おのれ~オレもこのパワフルなオヤジバンドには負けていられんわい。リュウがパーカッションでサポートしてくれる。
1、 雲のうえはいつも晴れだから
2、 My life
3、 ハイボクノウタ
4、 トゥルーストーリー
5、 The profession
6、 Hello my mom!
7、 家族
8、 ウレシパモシリ(スライド;ダイ)
9、 水の惑星 癒しの森(舞踏;虫丸)
10、 祈りの歌(舞踏;虫丸)
11、 MOVW! MOVE! MOVE! (アンコール)
12、 なんくるないさ(アンコール)
13、 Happy Birthday(アンコール)
14、 ありがとう(アンコール)
今日の主役は誕生日3人組だ。
主催のダイ、理学療法博士のヒロシ、オレのパートナーハルナだ。
オレが病気のとき必死で看護してくれたハルナに感謝を捧げるため、肖像画をプレゼントした。我ながらすごい傑作!
ダイが撮った屋久島の写真をバックに「ウレシパモシリ」を歌う。
虫丸さんの舞踏と「水の惑星 癒しの森」、「祈りの歌」でコラボした。
ポップでいながら崇高さをたたえる舞踏は、さながら「踊るキリスト」という感じだ。
アンコールで踊り、歌い、みんながひとつになる。
森の精霊たちもいっしょに楽しんでくれたようだ。
このブログを呼んでいるみんなもぜひ屋久島にきて命の洗濯をしてほしい。
鈴木洋見(ダイ)の公式ホームページ
「森の旅人」ケンタ&ナオの公式ホームページ
本当にこの島は去りがたくなるねえ。
またもや台風にもかかわらず船に乗れた。
帰りの高速船でざわめきが起こる。
「見て、あの人、ふんどしよ!」
船内に笑いがおこり、乗客が左の窓に移動する。
防波堤の上には、見送りにきてくれた仲間が手を振り、
ダイとトシがふんどし一丁で海に飛び込む!
でたー、必殺見送りダイブ!
こうやってやつらは命がけで人を楽しませる。
何度でも、何度でも、もどってこよう。
神と人間が笑って暮らす屋久島へ。