”中国”の時代は終わった ~中国は日本文明圏に入った~ | 朝倉新哉の研究室

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全ては日本を強くするために…

「中国の時代は終わった」と聞くと、

大半の方は

「中国バブルの崩壊は始まってるし、日本や欧米企業の脱出が増えれば、
 中国経済は、これまでのような高成長は無理だろう」

という経済の話だと思うでしょう。


『読む年表 中国の歴史』岡田英弘 WAC

に、こんな記述があります。

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日清戦争の敗戦とともに、
中国は二千百年をこす伝統的システムを完全に放棄して、日本型の近代化路線にのりかえた。

これまで蓄積されてきた漢字語の体系は全面的に放棄され、
あらたに日本製漢語を基礎とする共通のコミュニケーション・システムが生まれることになった。
これが現代漢語の起源である。

ここにいたって中国の歴史は独立性をうしない、世界史の一部、
それも、日本を中心とする東アジア文化圏に組み込まれた。

つまり「中国」以後の時代にはいったのである。
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岡田氏は、中国文明の三大要素として、

「皇帝」「都市」「漢字」

を挙げています。

再び、『読む年表 中国の歴史』からの引用です。

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秦の始皇帝が華北・華中を統一したことによって、ようやく「中国史」がはじまる。
なぜなら、このときはじめて中国文明の三大要素、
「皇帝」と「都市」と「漢字」が出そろうからである。
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中国文明の三大要素のひとつ、「漢字」は、日本の影響によって、ある意味”崩壊”したのです。

みたび、『読む年表 中国の歴史』からの引用です。

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1905年、清朝はこれまで千三百年にわたって
中国の指導者層を生みだしてきた科挙の試験を廃止し、
そのかわりに外国留学帰りの人々を登用して官吏とすることにした。
もっとも多かった留学先は日本である。

日本は1868年の明治維新以来すでに30年、一世代にわたって、
日本であらたにつくられた漢字の組み合わせによって、
欧米の事物を表現する文体と語彙を開発していた。
こうしたあたらしい文体と語彙は清国留学生によって学ばれ、摂取され、吸収された。

日本製の漢語は中国人の言語に大量にながれこみ、
古典に基礎をおいた科挙試験のための文体と語彙にとってかわった。
欧米諸国に留学した中国人にとっても、
あたらしい事物をつたえるコミュニケーションの道具は、
やはり日本式の文体と語彙だけしかなかった。
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このようにして、中国文明の三大要素のひとつである漢字は、”崩壊”しました。

漢字そのものは残りましたが、中身が全く違うものになってしまったのです。

それも、日本の影響によって変わったのです。

日本の影響力で、中国文明は変質したのです。

これは、中国文明が日本文明の風下に立ったということを意味するのです。

日本から吹いた”風”によって、中国が影響を受ける、そういう時代になったのです。


私は、この本を読んだとき、

「文明的、文化的には、中国文明は日本の風下に立った、
 中国は日本文明圏に組み込まれた、ということになるのかもしれないが、
 経済や軍事の面ではどうかな?」

と思いました。


しかし、レアアース問題の顛末や、中国依存の実態を知るにつれて、

「経済の面でも、中国は日本の風下なんじゃないか?」

という思いは深まりました。


 (レアアース問題の顛末については、
  当ブログ
  上下欲を同じくする者は勝つ
  ~日本企業の適応能力とそれを支援する政府 官民一体の協力体制~

  をご参照ください)

 (中国依存の実態
   日本経済の対中国依存度は、GDP比で2.7%です。
   個別の品目でみると、7割とか9割依存しているものもありますが、
   日本人が中国人を指導して、そういうものを作らせているのが原因です。
   ですから、指導をやめれば依存は解消するのです。
   
   詳しくは、
   当ブログ
   食料の中国依存は高かった ~ピンチをチャンスに変える策~
   をご参照ください)


中国文明の三大要素のひとつ、漢字は、日本の影響によって、”崩壊”しました。

もうひとつの要素、「皇帝」も、辛亥革命によって消滅しました。

三大要素のうち、2つまでが、消滅または、根本的に変質したのです。

もうひとつの「都市」についてはどうでしょうか?

これはもうちょっと時間をかけて調べないと、なんとも言えないところです。

今のところは、これもかなり変質しているんじゃないか?

という気はします。

いずれにしても、岡田氏によれば、

「中国の歴史は、”中国”以後の時代に入った」

「中国は日本文明圏に組み込まれた」

「もはや”中国”の時代は終わっている」

ということなのです。



国家戦略研究
『読む年表 中国の歴史』岡田英弘 WAC
http://www.amazon.co.jp/%E8%AA%AD%E3%82%80%E5%B9%B4%E8%A1%A8-%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AE%E6%AD%B4%E5%8F%B2-%E5%B2%A1%E7%94%B0%E8%8B%B1%E5%BC%98/dp/4898311784/ref=sr_1_1?s=books&ie=UTF8&qid=1353289539&sr=1-1より転載


中国は、日本文明圏に入った、

日本から吹いた”風”によって、中国が影響を受ける時代になった、

だから、日本から風を吹かせて、中国を無害化しよう!

というのが”天下六分の計”なのです。

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