王様の耳はロバの耳 | 浅慮相乗のブログ

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”おうさまのみみは ロバのみみ
 あれじゃなんにもきこえない きこえやしない”

幼児の頃、着ぐるみが演じるこどもミュージカルに連れて行ってもらったことがあります。演目は『はだかのおうさま』と『おうさまのみみはロバのみみ』。どちらもよく知られたお話しです。

細かいことはすっかり忘れてしまいましたが、休憩時間に当時、新発売だった飲み物を飲んだこと、そして冒頭に書いたコーラスの歌詞だけは45年以上経った今も覚えています。

エントリ「リーチしてます?そのチャネル」 http://ameblo.jp/senryo-sojo/entry-11869950536.html で触れた佐賀県武雄市の「官民一体型学校」創設に伴う説明会、いくつかweb上に記事が出ました。
なお、参照した記事中、主催者側を除き、お名前が記事中に出ていても省略し、必要であれば仮称を付しています。


”説明会に参加した女性は、「きょうの説明では、今後の授業がどうなっていくのか、具体的なイメージは分かりませんでした」と話していました。
また別の男性は、「考え方は興味深く、子どもたちも先生も生き生きとするような学校になるよう取り組んで欲しい」と話していました。”
NHK佐賀放送局(魚拓)
共同運営の塾代表が説明会
https://archive.today/2w60E#selection-713.0-713.12


” 質疑応答で、市内の医師(氏名略、仮称A)さん(37)が「先生への負担は増えるのでは」と質問。樋渡啓祐(ひわたしけいすけ)市長は「事務的な負担を減らし子供と向き合う時間を増やしたい」と答えた。また、別の質問に対し高濱代表は「(一部授業で)導入している長野県の小学校は活気が出ている」と強調した。説明会後、Aさんは「今日の説明では何もわからない。授業方法は先生に任せればいいのでは」と語った。
 息子2人が同小に通う(氏名略)さん(35)は「佐賀市で花まる方式を導入している塾があり興味がある。新しい取り組みは子供たちにとっていいことだ」。また、同小に通う子供はいないが、来場した元高校教諭の男性(60)は「花まる塾が何か市民も知らないまま導入が決まった。市長のパフォーマンスだ。教師の数を増やすことが先」と批判した。”
毎日新聞
官民一体型学校:花まる学習会導入で説明会 佐賀・武雄
http://mainichi.jp/select/news/20140605k0000m040160000c.html


”説明を聞いた医師の男性(37)は「今までにない教育。理念もよく分かる。うまくいってほしい」と期待。子どもが同小に通う母親(38)は「今とどう変わるのか、イメージができなかった。先生の負担についても気になる」と話した。”
読売新聞
塾代表招き説明会、武雄の小学授業連携
http://www.yomiuri.co.jp/kyushu/culture/kyoiku/20140605-OYS1T50052.html


”説明会終了後、武雄市若木町の男性は「理念はわかったが、授業の中身がどんなものかはっきりしなかった」。子どもを武内小に通わせている主婦は「今の授業内容が、どう変わるのかわかりづらかった。先生たちの負担増も気がかり」と話した。”
朝日新聞 
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(佐賀)花まる学習会代表が指導法語る 武雄の提携説明会
http://digital.asahi.com/articles/ASG654K07G65TTHB003.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG654K07G65TTHB003


”質疑では「共感を持って聞いた」と歓迎する意見の一方、「塾はやめることができるが、公立はやめられない。花まると合わない子はいるのか。先生には独自の教授法があり、先生たちがノーと言ったらどうなるのか」と質問が出た。”
”説明会後、母親の一人は「正解のない問題を解く力が大事なのは分かるが、おとなしい娘が活発な子の意見に流されてしまいそう。実際に授業を見ないことには分からない」と語った。”
佐賀新聞
さが教育新流 花まる学習会が武雄市で説明会
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/71409


最後の記事を除き、すべてに共通しているのが「分からない」という声。そりゃそうでしょう。市民を蔑ろにしてマスコミには1年近く前から取材をさせ、発表を東京でやったんですから。

当ブログエントリ
民可使由之、不可使知之
http://ameblo.jp/senryo-sojo/entry-11847612788.html

本末転倒の状態でいくら理想を語っても、不安は消えません。最後にご紹介した記事の引用部にある通り、公共分野では選択の範囲は限られているのです。

そして、質疑応答に出た声がすべてとは限りません。同じ記事の2つ目の引用にある通り、なかなか言えない人は常にいるのです。

自分の権利は自分で守らなければ誰も守ってはくれません。それはその通りでしょう。けれど、それが行き過ぎれば社会が荒れ、立場の弱い人たちにしわ寄せがいく。公共はそれを和らげる役割を担ってきたはずです。

権利と権利の衝突だっておこります。当事者の交渉のみを解決方法とすれば時間や手間もかかります。公共には調停の役割もあったはずです。

王様の耳はロバの耳。

「人間世界は嫌なことがいっぱいあるし、それでも強く生きる必要があり、教え直さないといけない」
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/71409

どうか市民の声を聞き、世間の評判やマスコミ受けの前に市政に生かす力を鍛え直してください。

最後にこの説明会についてのツイートを紹介しておきます。

”武雄市民は説明会の模様をケーブルワンで放送しているから見たほうがいい。#武雄市問題 #たけお問題”
https://twitter.com/toshikawahara/status/474851534056869888

”「(導入について事前に説明もなく)自分の子どもに関わることを記者会見で知るのはつらい。静かな環境を求めて移住してきたのに、驚いている」
http://www.saga-s.co.jp/news/saga/10101/65634
この発言をした保護者は反転授業導入の時にも同じ事を関係者に訴えたそうだ。なのにまた繰り返されたと…”
https://twitter.com/toshikawahara/status/474852628430483456

”なのにまた繰り返されたと今にも泣き出しそうに見えた…。”
https://twitter.com/toshikawahara/status/474853338685521920