南相馬市のホールボディカウンターによる検査の推移と
チェルノブイリ周辺住民・核実験時の内部被曝との比較です
ホールボディカウンターとは、体内の放射性核種(主にガンマ線を出す核種)の量をベクレル単位で測れる機械です。
結果は、ベクレル/kgやベクレル/BODY
そこから預託実効線量を計算して、ミリシーベルト単位であらわしたりします。
まず南相馬市の結果と推移を見てみましょう
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/kensa/hibakukenshinkeka3.jsp
大人、子供とも、検出割合は、大幅に低下していることが解ります
まとめると
20ベクレル/kg以上検出した割合
大人(高校生以上) 2.28%→0.16%
子供 0.24%→0.06%
という変化です。食品の汚染度の低下とともに、放射性セシウムの排出も時間経過で進むため、内部被曝の状況は、福島県において急速に改善していることが解ります。
特に子供の減少は激しいですが、留意される方が多い上に、セシウムの排出は、子供は大人の2倍程度の割合で進むので、より低下しやすい傾向があります。
次に年齢別です
高齢者からの検出が、多いことが解ります。
60~80代で検出割合が10%を超えています。
これは、自家製の作物や山菜、キノコなど、高い汚染が見つかっているもの等を、若い世代より比較的よく食べる食習慣で、初期のフォールアウトで汚染された自家製作物等を食べていた方が多い結果と考えられます。新陳代謝が子供や若い世代より遅い(=セシウムの排出も遅い)のも遠因でしょう。
男女比では、男性のほうが放射性セシウム137が多い傾向にあります。
セシウムが蓄積する筋肉の量が多い(逆に脂肪にはほぼ蓄積しない、体脂肪が多く筋肉量の少ない女性は体重1kgあたりの線量は当然少なくなり、検出されにくくなる)ことと
先述した野生の山菜やキノコも男性が好んで採取する傾向にあります(私もそうです)
あと、男性はチャレンジャーというか、それほど気にする人も、少ないのだろうと考えます。
世代別の食品入手傾向についてのアンケートは上の様な結果が出ています。
同一人物の、2回の検査での推移です。
一度比較的多く検出された成人も低下傾向にあることが解ります
特に子供の減少率は極めて大です。
月別の検出率です
やはり明確に低下傾向であるのが解ります。
同一の機器で測った場合の、追跡状況です
1回目が不検出で、2回目が検出された方は1名しかいません。
ほとんどの被験者が、低下していることが解ります。
いわき市の最近の結果でも同様に、低下傾向が見られます
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/dbps_data/_material_/localhost/06_hoken/1065/wbc_syuukei2412.pdf
こうして食品の汚染度の低下や、汚染されやすい食品の周知、生体半減期等で内部被曝は、当の福島県においても改善に進んでいます。
ではチェルノブイリ事故での周辺住民の内部被曝はどうだったのでしょう?
同じくホールボディカウンターを用いたデータです
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00198/contents/006.htm
ちなみにこのデータは、事故から5~10年後で、セシウム137のみです。
セシウム137だけで50~100ベクレル/kgの人が、13%
100~200ベクレル/kgの人が5.7%
200~500ベクレル/kgの人が2.2%
500ベクレル/kgの人が0.3%
南相馬市では50ベクレル/kg以上が0.04%です。
チェルノブイリ周辺の内部被曝が圧倒的な規模だというのが解ります。
事故の規模や汚染度だけでなく、食習慣や食品自給率、市場希釈、情報の周知や規制値の妥当性(事故後の規制値は凄いの一言http://sakamotoh.tumblr.com/post/13818898682)が内部被曝の水準に大きく影響します。
ここに挙げたどの要因も幸いなことに、内部被曝の規模が「チェルノブイリ>>>フクイチ」に働きました
チェルノブイリ周辺だけではありません
これはカリウム40以外の核種込の数字ですが、主なものはセシウム137と思っていただいて構いません。これはベクレル/BODY(全身)です
デンマークの食事中のセシウム137・ストロンチウム90の濃度変化
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010105/05.gif
こういう結果ですが、核実験の内部被曝もかなりのレベルです。
では日本の核実験時の人体内のセシウム137はというと
核実験の影響は日本全国ほぼ同レベルでした
これもベクレル/BODY(全身)です。
農業の手法の違い(昔は汚染されやすい露地栽培ばかり、今はハウスなど)や食品自給率(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0310.html 1960年代前半カロリーベースで70%代、今は39%)、他、核実験の影響では全国が汚染されている等の違い
そもそもストロンチウム90は比較にならないぐらい核実験のほうが多かったのです。
http://mixi.at/a1X1WKJ
首都圏などでは、内部被曝は核実験時並か、ストロンチウム90を入れれば確実に核実験以下の内部被曝と考えるのが妥当です。
まとめとして
福島県に置いてでも、内部被曝は大幅に改善されており、レベルもチェルノブイリ周辺の住民と比較にならないぐらい低い、しかも低下している
内部被曝の影響を考えた場合、チェルノブイリでの事象やデータと比べた場合、現状でも将来的にもリスクはかなり少ない、これはヨウ素131による甲状腺被曝も同様です。
高い値が出やすい食材を食べることを避ける事は、内部被曝の検出水準を下げることには有効であるが、食品スーパーで産地を気にせず適当に買物をする程度で、自然に成し遂げられている(それほど汚染度も低く、産地も色々である)、神経が磨り減るほど考えなくても十分である。
また色々な傾向から、食品からの内部被曝がほとんどであると言える(でないと老人に多い傾向が説明できない、呼吸率や活動を考えた場合、呼吸からとりこまれた分は少ないと考えざるを得ない)呼気については留意するレベルだとは全く思えない。
実質的に、気をつけなければいけない時期は、ほぼ過ぎており、「減る一方の内部被曝」となっているのが現状である。
チェルノブイリ周辺住民・核実験時の内部被曝との比較です
ホールボディカウンターとは、体内の放射性核種(主にガンマ線を出す核種)の量をベクレル単位で測れる機械です。
結果は、ベクレル/kgやベクレル/BODY
そこから預託実効線量を計算して、ミリシーベルト単位であらわしたりします。
まず南相馬市の結果と推移を見てみましょう
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/kensa/hibakukenshinkeka3.jsp
大人、子供とも、検出割合は、大幅に低下していることが解ります
まとめると
20ベクレル/kg以上検出した割合
大人(高校生以上) 2.28%→0.16%
子供 0.24%→0.06%
という変化です。食品の汚染度の低下とともに、放射性セシウムの排出も時間経過で進むため、内部被曝の状況は、福島県において急速に改善していることが解ります。
特に子供の減少は激しいですが、留意される方が多い上に、セシウムの排出は、子供は大人の2倍程度の割合で進むので、より低下しやすい傾向があります。
次に年齢別です
高齢者からの検出が、多いことが解ります。
60~80代で検出割合が10%を超えています。
これは、自家製の作物や山菜、キノコなど、高い汚染が見つかっているもの等を、若い世代より比較的よく食べる食習慣で、初期のフォールアウトで汚染された自家製作物等を食べていた方が多い結果と考えられます。新陳代謝が子供や若い世代より遅い(=セシウムの排出も遅い)のも遠因でしょう。
男女比では、男性のほうが放射性セシウム137が多い傾向にあります。
セシウムが蓄積する筋肉の量が多い(逆に脂肪にはほぼ蓄積しない、体脂肪が多く筋肉量の少ない女性は体重1kgあたりの線量は当然少なくなり、検出されにくくなる)ことと
先述した野生の山菜やキノコも男性が好んで採取する傾向にあります(私もそうです)
あと、男性はチャレンジャーというか、それほど気にする人も、少ないのだろうと考えます。
世代別の食品入手傾向についてのアンケートは上の様な結果が出ています。
同一人物の、2回の検査での推移です。
一度比較的多く検出された成人も低下傾向にあることが解ります
特に子供の減少率は極めて大です。
月別の検出率です
やはり明確に低下傾向であるのが解ります。
同一の機器で測った場合の、追跡状況です
1回目が不検出で、2回目が検出された方は1名しかいません。
ほとんどの被験者が、低下していることが解ります。
いわき市の最近の結果でも同様に、低下傾向が見られます
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/dbps_data/_material_/localhost/06_hoken/1065/wbc_syuukei2412.pdf
こうして食品の汚染度の低下や、汚染されやすい食品の周知、生体半減期等で内部被曝は、当の福島県においても改善に進んでいます。
ではチェルノブイリ事故での周辺住民の内部被曝はどうだったのでしょう?
同じくホールボディカウンターを用いたデータです
http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/1999/00198/contents/006.htm
ちなみにこのデータは、事故から5~10年後で、セシウム137のみです。
セシウム137だけで50~100ベクレル/kgの人が、13%
100~200ベクレル/kgの人が5.7%
200~500ベクレル/kgの人が2.2%
500ベクレル/kgの人が0.3%
南相馬市では50ベクレル/kg以上が0.04%です。
チェルノブイリ周辺の内部被曝が圧倒的な規模だというのが解ります。
事故の規模や汚染度だけでなく、食習慣や食品自給率、市場希釈、情報の周知や規制値の妥当性(事故後の規制値は凄いの一言http://sakamotoh.tumblr.com/post/13818898682)が内部被曝の水準に大きく影響します。
ここに挙げたどの要因も幸いなことに、内部被曝の規模が「チェルノブイリ>>>フクイチ」に働きました
チェルノブイリ周辺だけではありません
これはカリウム40以外の核種込の数字ですが、主なものはセシウム137と思っていただいて構いません。これはベクレル/BODY(全身)です
デンマークの食事中のセシウム137・ストロンチウム90の濃度変化
http://www.rist.or.jp/atomica/data/pict/09/09010105/05.gif
こういう結果ですが、核実験の内部被曝もかなりのレベルです。
では日本の核実験時の人体内のセシウム137はというと
核実験の影響は日本全国ほぼ同レベルでした
これもベクレル/BODY(全身)です。
農業の手法の違い(昔は汚染されやすい露地栽培ばかり、今はハウスなど)や食品自給率(http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/0310.html 1960年代前半カロリーベースで70%代、今は39%)、他、核実験の影響では全国が汚染されている等の違い
そもそもストロンチウム90は比較にならないぐらい核実験のほうが多かったのです。
http://mixi.at/a1X1WKJ
首都圏などでは、内部被曝は核実験時並か、ストロンチウム90を入れれば確実に核実験以下の内部被曝と考えるのが妥当です。
まとめとして
福島県に置いてでも、内部被曝は大幅に改善されており、レベルもチェルノブイリ周辺の住民と比較にならないぐらい低い、しかも低下している
内部被曝の影響を考えた場合、チェルノブイリでの事象やデータと比べた場合、現状でも将来的にもリスクはかなり少ない、これはヨウ素131による甲状腺被曝も同様です。
高い値が出やすい食材を食べることを避ける事は、内部被曝の検出水準を下げることには有効であるが、食品スーパーで産地を気にせず適当に買物をする程度で、自然に成し遂げられている(それほど汚染度も低く、産地も色々である)、神経が磨り減るほど考えなくても十分である。
また色々な傾向から、食品からの内部被曝がほとんどであると言える(でないと老人に多い傾向が説明できない、呼吸率や活動を考えた場合、呼吸からとりこまれた分は少ないと考えざるを得ない)呼気については留意するレベルだとは全く思えない。
実質的に、気をつけなければいけない時期は、ほぼ過ぎており、「減る一方の内部被曝」となっているのが現状である。