71年の歳月が経ちました。
遠い外洋にて母艦を飛び立った攻撃隊の搭乗員達は一様に武者震いしたことであろう。
未知数の強敵米国。
ほぼ全ての規模において最大の敵である米国に殴り込む。
戦闘員一人一人の意気が最高潮でなければ、到底敵う敵ではないことは重々承知の上であったであろう。
しかしながら、やらねばならなかった。
後世の為。
先祖の為。
家族の為。
日本という国体としても、日本人としてもこれ以上の譲歩はできなかったからである。
尊厳の為に死ぬことは厭わない。
これは現代と当時の大きな違いであるといえよう。
現代の日本人は、権利という言葉を傍若に乱用し我欲を対外的に強制する。
かくして、強烈な個人主義であり、もはやこれが蔓延し国家における道徳心が相当に欠如してしまっている。
国家としてのまとまりが希薄になれば、即ち国力の希薄と見えよう。
現在中国の隠すことなき対外的野心ははっきりとした脅威である。
しかしながら自分の国の小さな領土一つも守れずにいる我が国。
それで良しとする政府指導部。
国家、民族の尊厳の為に正に全身全霊を賭し戦った魂が嘆いているのが解らないのであろうか。
国益の為。
そのような詭弁を垂れ責任から逃れる政府指導部。
真の国益とは。
未来永劫の国家繁栄と、国民の安心である。
仲良く話し合いましょうが通じる相手ではないことぐらい理解しているにも関わらず、現状維持から発展させる気概の欠如した政府。
5年も経たないうちに、中国とは何らかの武力衝突が起こるであろう。
政治指導を誤れば、その先に日本という国家が消滅しかねない危機感を常に抱かなければならない時期である。
それを踏まえ行動できる政治家に国家を指導して頂きたい。
日本という文化は脈々と今尚きちんと受け継がれている。
しかしながら、尊厳の希薄により国家の存亡が危機に直面していることに政府や国民が気付かなければ。
71年前、正に現況よりも切迫した状況において奮い立たせた魂が嘆いていることであろう。
平成24年12月8日 旭靖会 会長著