昨日は、中村勘三郎さんの命を奪う直接の原因となった急性呼吸窮迫症候群について解説。
そうしたら、「食道癌についても元素で分析して!」というご要望をメールでいただいたので、今日はこちら。
食道と肺は、ノドでつながっているので、肺炎を起こしやすい。
だから、食道癌や食道癌を治すための手術で急性呼吸窮迫症候群になる場合も多い。
では、食道癌を予防するには、どうすればいいのか。
食道癌の原因は、主に3つある。
1番がタバコ、2番がお酒、3番が熱い食べ物。
タバコ・お酒・熱い食べ物が食道癌の御三家と呼ばれる。
いずれも、食道にダメージを与え、それが積み重なると食道癌になる。
特に注意していただきたいのは、お酒を飲んで顔が赤くなる人。
お酒を飲むと、ものすごく食道癌になりやすいことが分かった。
3年前に、National Institute on Alcohol Abuse and Alcoholism (NIAAA アメリカ国立アルコール中毒研究所)などが次の論文を発表。
これによれば、もし、1週間にビールなら大瓶で11本、日本酒なら11合を飲むと、食道癌になる確率は89倍ということ。
顔が赤くなるのは、体内にアセトアルデヒドという成分が蓄積するため。
実はこれが強力な発癌物質で、とくに食道はアセトアルデヒドに弱い。
アセトアルデヒドは、元素周期表で特別な位置にある炭素原子が、パイ電子というものを持っていて、これが不安定な状態になっており、DNAと反応して傷をつけちゃうのが発癌の原因だと考えられる。
だから、食道癌も元素周期意表で読み解けるわけ。
とにかく、お酒が弱い人が、無理してお酒を飲むのは、ぜったいにやめよう。
人体と元素の関係について、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第3章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。