北朝鮮のミサイルは、毒物で飛ぶ!【最新ニュースを元素で解説!】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-12-08 03:37:55

北朝鮮のミサイルは、毒物で飛ぶ!【最新ニュースを元素で解説!】

テーマ:元素周期表
北朝鮮のミサイルは、毒物で飛ぶ!【最新ニュースを元素で解説!】

北朝鮮のミサイルは、今日にも燃料の注入が始まるとの見通しだ。

国連安保理決議に反してミサイルを打ち上げること自体、許しがたいが、私は元素の研究者の立場から、燃料が毒物だという問題を指摘したい。


ロケットの燃料として、いろいろな種類があるが、北朝鮮が使っているのは、UDMH(非対称ジメチルヒドラジン)という物質。

これは、とんでもない毒物。

実際、消防法で毒物に指定されている。


燃料をロケットに注入して数日で打ち上げないと、ロケットがダメになる・・・。

こんな報道を耳にしたことがあるはずだ。

これは、UDMHが、ロケットの金属を腐食してしまうため。

猛烈な腐食性があるということ。


じゃあ、人間が触れたら、どうなるか?

ロケットより、丈夫な皮膚を持っている人なんて、いるわけない。

事実、皮膚も粘膜も、一瞬にして腐食される。

さらに、発がん性も見つかっている。


UDMHは、2つの窒素原子がものすごく不安定な形で結合している。

これが、酸素と爆発的に反応して、ものすごいロケットの推進力を生み出すわけだけど、同時に、毒物にもなるわけだ。

やはり、元素周期表の位置で、きれいに説明がつく。


もし、北朝鮮のロケットの破片が落ちてきても、絶対に、近づいてはダメ。

北朝鮮の技術レベルでは、完全に燃焼し尽くすことができず、残ったUDMHが、破片に付着している可能性がある。


元素周期表と元素の毒性との関係について、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第7章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。

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