『ペイ・フォワード 可能の王国』 |   八女と絵本と循環畑 一瞬一生

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                    未来を自ら創る人を応援しています。

テーマ:
 私は映画が大好きです。
 
 そして好きな映画は何度でも観ます。

 その中の1つがミミ=レダー監督の『ペイ・フォワード 可能の王国』。

 キャサリン=ライアン=ハイドの原作も読みましたが,
 原作も,映画も,それぞれに良さがあります。

 以下はネタバレになるので,
 まだ観ていないよ,これから観るよ
 という方は読まない方がいいかもしれません。









(ネタバレ注意)


☆シモネット先生がステキ!

 映画の冒頭,
 社会科のシモネット先生が
 進級した学級の子どもたちに話すシーンが好きです。

 「君たちにとって世界とは?」
 「世界は君たちに何を期待している?」
 日本で言えば中学1年生にあたる子どもたちには
 難しい質問ですよね。

 大人の私たちでも考え込んでしまいます。

 私にとって世界とは?
 「この世に生まれてきた理由を見つけ,
  使命を果たす場」でしょうか。

 あなたにとってはどうですか?


 シモネット先生の言葉は続きます。

 「君たちは縛られている。
  いつか自由になるだろう。
  でも,何の準備もなく自由になって,
  世界が大きな失望だったら?

  嫌いな所をひっくり返してしまえ。

  『可能の王国』はどこに存在する?
  それは君たちの頭だ。
  君たちにはできる。
  不可能を可能にできるのは君たちだ。」

 熱いです。


☆世界を変える方法

 シモネット先生の課題が
 「世界を変える方法を考え実行しよう。」
 でした。

 この課題に一生懸命に取り組んだのがトレバー少年。

 少年は
 「他人から受けた厚意をその人に返すのではなく,
 周りにいる別の3人へ渡していく」
 という考えを発表し,
 実践していきます。

 別の3人が,
 それぞれまた別の3人に厚意を渡していけば,
 それが広がっていって世界が変わるのではないか
 と考えたのです。


☆少年を取り巻く環境

 この少年,
 決して恵まれた環境にはありません。

 父親は蒸発,
 母親はアル中,
 祖母もアル中で母親とは絶縁状態。
 
 少年は
 いじめられている友達を助けることもできない
 臆病な子ですが,
 この環境を変えようと行動を開始します。


☆少年が起こした奇跡

 少年の行動は始め,
 実を結ばないかのように見えます。

 けれども,
 少しずつ周りの人々の気持ちを変えていき,
 それが広がり,
 やがては大きな運動へと発展していくのです。

 ネットで検索すると,
 世界中で
 「『ペイフォワード』の映画のようだ。」
 という出来事が報告されています。

 そういう記事を目にすると,
 嬉しくなり,
 映画を観た後の感動が蘇ります。


☆俳優さん

 主人公のトレバー少年を演じたのは,
 11歳で『シックス・センス』(この作品も大好き!)に出演し,
 アカデミー助演男優賞にノミネートされた
 ハーレイ=ジョエル=オスメントです。

 切なげな表情がたまりません。


 シモネット先生役のケビン=スペイシーは,
 後で『Se7en』を観た時に犯人役で出ていましたが,
 全然気がつきませんでした。


☆最後に

 トレバー少年の
 「臆病な人は変化が怖いんだ。」
 という台詞が心に残っています。

 
 「このままではいけない」とわかっているのに
 それまで自分の行動を変えようとしなかった人たちは,
 トレバー少年に勇気を与えられ,
 人生を自ら変えていけるようになります。

 
 現在も『ペイフォワード運動』を推進している人たちがいるようですが,
 みんなが自然にそれをできるようになると,
 世界が本当に変わっていくのでしょうね。


 私も
 厚意を人に渡すこと,
 自分の人生を切り拓いていくことに
 心がけていきたいと思います。