JRで移動中…本を読みながら、泣いてしまいました。
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事の発端は、東北に住む小学校4年生の男の子から届いた一通のメールでした。
「夜回り先生。僕、死にたいです。学校でいじめられてる。僕んち貧乏だから、汚いっていじめられてる。家でも、お父さんとお母さんはお酒を飲むと僕をぶつ。お前なんていないほうがいいって。先生、僕なんていない方がいいんだよね。夜になるとカッターで腕を切ります。死にたいです」
私はすぐにメールを返しました。
「水谷です。メールありがとう。先生がついています。必ず君を救います。この番号に電話してください。待っています。ずっと待っています」
すぐに電話がなりました。
少年の父親は無職で、競馬とパチンコに明け暮れ、酒におぼれる毎日です。
母親は、自宅で美容院を開いていましたが、少年には無関心で、洗濯もろくにしてくれません。
お風呂も一週間に1回か2回入れてもらえるくらいでした。
夫婦は嫌なことがあると、少年に「かちかち山」というそうです。
すると、少年はズボンとパンツを下げます。
そのやわらかい肌に、2人はたばこの火を押しつけていました。
いわゆる、根性焼きと呼ばれる行為です。
そんな少年は、保育園時代からいじめられていました。
「汚い、こっちくんな」と。
少年は小学校1年生からリストカットを始めたといいます。
「水谷先生、切るとすっとするんだ。気持ちが落ち着くんだ」
私はこの言葉を聞いて、少年への哀しみと同時に、まわりの大人への怒りを感じました。思った通りです。
少年は担任からも虐げられていました。
担任に、いじめの救いを求めても
「君も悪い、もっと清潔な服装をすればいいんです」と言われたそうです。
悪いのは少年ではありません。
親なのです。
しかし、この教員は親に連絡することもせず、少年を責めました。
こんな経緯があったため、少年はまわりの大人を信じていませんでした。
私は少年に言いました。
「リストカットは心の叫び。いいんだよ。切っても。ただし、人の前で切ること。隠してはだめだよ。だれかまわりに信じられそうな人はいないかい?その人の前で切ってごらん」
私は、彼のまわりにいるかもしれない、心ある大人の存在に賭けました。
「先生、校長先生なら信じてくれるかもしれない。女の先生だけど、いつも優しい目で僕のこと見てくれるんだ」
私は、今夜リストカットを我慢するように言いました。その代り、明朝校長室に直行し、校長先生の前で切るように伝えました。
翌朝、私は少年からの電話を待ちました。
午前9時、電話が鳴りました。電話の向こうで、少年は泣いていました。
「先生、ありがとう。
僕ね、さっき校長先生の前でリストカットしようとしたんだ。
お父さんやお母さん、クラスのみんなにも担任の先生にもいじめられていて、死にたいって。
そしたらね、校長先生、つらかったんだねっていって抱きしめてくれたよ。
僕のために泣いてくれたんだ。」
少年の声には喜びの響きがありました。
自分のつらさを、やっと受け止めてもらえた喜びが…。
「よかったなぁ。いい校長先生だなぁ…」
私ももらい泣きしていました。
その時突然、電話から女性の声が聞こえました。
「水谷先生ですか。今回のこと、ありがとうございます。本当にすみませんでした。この子がこんなにも苦しんでいるなんて知りませんでした。教員として失格です」
校長先生でした。泣きながら声を震わせて話してくれました。
「水谷先生、この子は私が守ります。どうしたらいいか、ぜひ教えてください」
私は、3つのことをお願いしました。
一つ目は、少年が家庭で受けている事実は虐待であり犯罪なので、すぐに児童相談所に連絡し、少年を保護するとともに、両親を逮捕し、罪を償わせてほしいこと。
二つ目は、大人がきちんと処分し律しないから、子どもたちは大人を信じなくなってしまうことを伝えて、校長と担任が少年を守れなかったことに対して、きちんと処分を受けること。
三つ目は、この学校で少年が学習を続けることは無理なので、すぐに教育委員会に相談して、少年の入る施設の近くの学校に転校させてほしいこと。その際には、少年をきちんと守る態勢を整えてくれること。この3つをお願いしました。
立派な校長先生でした。
自ら大人としての責任をとって退職しました。
そして、なんと…
この少年の身柄を引き取ってくれたのです。
少年のつらかったそれまでの人生を取り戻そうとするかのように、たっぷりの愛情を注いで大切に育ててくれました。
今、少年は大学生となり、彼女の自慢の息子です。
愛し合い、いたわり合う夫婦のもとに生まれて、たくさんの優しさと愛を受けて育った子どもが、いじめをすることはまずありません。また、いじめにあうことも少ないですし、いじめられたとしても、すぐに親や先生に相談して解決できます。
それは、自分が愛されていることから生まれる自己肯定感が、いじめという卑怯な行為の抑止力となりますし、いじめに対して戦う力ともなるのです。

「夜回り先生 いじめを断つ」水谷修 (日本評論社)より
========
私は校長先生が、この少年を抱きしめた時…
(そこを読んでいたときに)
涙があふれてきました。
私は、なんだか勇氣が湧いてきました。
手をさしのべることができる大人たちを増やしていく…。
輝く大人たちを増やしていく。
大人が輝けば、子どもたちも輝いていく。
笑華尊塾の挑戦も続きます。
水谷先生の本はかなり読み、勉強させてもらってます。
そして、水谷先生が背負っているモノのはかりしれない大きさを思うと、
自分の抱えている部分など、どうってことないと思います。

負のエネルギーを真正面から受けとめ続けている水谷先生の表情…
いつも悲壮感が漂っているなぁ…そう感じていました。
私は、水谷先生が…

笑顔になって、安心して生きていただけるような
そんな世の中にしていきたいです。

ニカっ!

しあわせ連鎖プロデューサー
シオヤタカハル
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事の発端は、東北に住む小学校4年生の男の子から届いた一通のメールでした。
「夜回り先生。僕、死にたいです。学校でいじめられてる。僕んち貧乏だから、汚いっていじめられてる。家でも、お父さんとお母さんはお酒を飲むと僕をぶつ。お前なんていないほうがいいって。先生、僕なんていない方がいいんだよね。夜になるとカッターで腕を切ります。死にたいです」
私はすぐにメールを返しました。
「水谷です。メールありがとう。先生がついています。必ず君を救います。この番号に電話してください。待っています。ずっと待っています」
すぐに電話がなりました。
少年の父親は無職で、競馬とパチンコに明け暮れ、酒におぼれる毎日です。
母親は、自宅で美容院を開いていましたが、少年には無関心で、洗濯もろくにしてくれません。
お風呂も一週間に1回か2回入れてもらえるくらいでした。
夫婦は嫌なことがあると、少年に「かちかち山」というそうです。
すると、少年はズボンとパンツを下げます。
そのやわらかい肌に、2人はたばこの火を押しつけていました。
いわゆる、根性焼きと呼ばれる行為です。
そんな少年は、保育園時代からいじめられていました。
「汚い、こっちくんな」と。
少年は小学校1年生からリストカットを始めたといいます。
「水谷先生、切るとすっとするんだ。気持ちが落ち着くんだ」
私はこの言葉を聞いて、少年への哀しみと同時に、まわりの大人への怒りを感じました。思った通りです。
少年は担任からも虐げられていました。
担任に、いじめの救いを求めても
「君も悪い、もっと清潔な服装をすればいいんです」と言われたそうです。
悪いのは少年ではありません。
親なのです。
しかし、この教員は親に連絡することもせず、少年を責めました。
こんな経緯があったため、少年はまわりの大人を信じていませんでした。
私は少年に言いました。
「リストカットは心の叫び。いいんだよ。切っても。ただし、人の前で切ること。隠してはだめだよ。だれかまわりに信じられそうな人はいないかい?その人の前で切ってごらん」
私は、彼のまわりにいるかもしれない、心ある大人の存在に賭けました。
「先生、校長先生なら信じてくれるかもしれない。女の先生だけど、いつも優しい目で僕のこと見てくれるんだ」
私は、今夜リストカットを我慢するように言いました。その代り、明朝校長室に直行し、校長先生の前で切るように伝えました。
翌朝、私は少年からの電話を待ちました。
午前9時、電話が鳴りました。電話の向こうで、少年は泣いていました。
「先生、ありがとう。
僕ね、さっき校長先生の前でリストカットしようとしたんだ。
お父さんやお母さん、クラスのみんなにも担任の先生にもいじめられていて、死にたいって。
そしたらね、校長先生、つらかったんだねっていって抱きしめてくれたよ。
僕のために泣いてくれたんだ。」
少年の声には喜びの響きがありました。
自分のつらさを、やっと受け止めてもらえた喜びが…。
「よかったなぁ。いい校長先生だなぁ…」
私ももらい泣きしていました。
その時突然、電話から女性の声が聞こえました。
「水谷先生ですか。今回のこと、ありがとうございます。本当にすみませんでした。この子がこんなにも苦しんでいるなんて知りませんでした。教員として失格です」
校長先生でした。泣きながら声を震わせて話してくれました。
「水谷先生、この子は私が守ります。どうしたらいいか、ぜひ教えてください」
私は、3つのことをお願いしました。
一つ目は、少年が家庭で受けている事実は虐待であり犯罪なので、すぐに児童相談所に連絡し、少年を保護するとともに、両親を逮捕し、罪を償わせてほしいこと。
二つ目は、大人がきちんと処分し律しないから、子どもたちは大人を信じなくなってしまうことを伝えて、校長と担任が少年を守れなかったことに対して、きちんと処分を受けること。
三つ目は、この学校で少年が学習を続けることは無理なので、すぐに教育委員会に相談して、少年の入る施設の近くの学校に転校させてほしいこと。その際には、少年をきちんと守る態勢を整えてくれること。この3つをお願いしました。
立派な校長先生でした。
自ら大人としての責任をとって退職しました。
そして、なんと…
この少年の身柄を引き取ってくれたのです。
少年のつらかったそれまでの人生を取り戻そうとするかのように、たっぷりの愛情を注いで大切に育ててくれました。
今、少年は大学生となり、彼女の自慢の息子です。
愛し合い、いたわり合う夫婦のもとに生まれて、たくさんの優しさと愛を受けて育った子どもが、いじめをすることはまずありません。また、いじめにあうことも少ないですし、いじめられたとしても、すぐに親や先生に相談して解決できます。
それは、自分が愛されていることから生まれる自己肯定感が、いじめという卑怯な行為の抑止力となりますし、いじめに対して戦う力ともなるのです。

「夜回り先生 いじめを断つ」水谷修 (日本評論社)より
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私は校長先生が、この少年を抱きしめた時…
(そこを読んでいたときに)
涙があふれてきました。
私は、なんだか勇氣が湧いてきました。
手をさしのべることができる大人たちを増やしていく…。
輝く大人たちを増やしていく。
大人が輝けば、子どもたちも輝いていく。
笑華尊塾の挑戦も続きます。
水谷先生の本はかなり読み、勉強させてもらってます。
そして、水谷先生が背負っているモノのはかりしれない大きさを思うと、
自分の抱えている部分など、どうってことないと思います。

負のエネルギーを真正面から受けとめ続けている水谷先生の表情…
いつも悲壮感が漂っているなぁ…そう感じていました。
私は、水谷先生が…

笑顔になって、安心して生きていただけるような
そんな世の中にしていきたいです。

ニカっ!

しあわせ連鎖プロデューサー
シオヤタカハル