わたしの大好きなピアニストの一人、舘野 泉さん。


はるか昔…、静岡の実家に住んでいたころ、


静岡市の中心部・駿府城跡近くにあった「青島ホール」という


こじんまりした隠れ家のような、サロンによく通いました。



このサロンには、有名な演奏家やまだこれから世界に羽ばたこうとする


演奏家たちの、すばらしい音色が間近で聴くことのできる場所でした。



確か…100人も入らないサロンでした。


私は、そのアットホームな暖かな雰囲気が大好きで、


若かりし頃でしたので、あまりお金が無いけれど、


好きなピアニストはなるべく聴き逃すまいと、


チケットを買って聴きに行きました。



ピアニストの息使いも、すぐそばで感じられるくらいの距離で


演奏が聴けること。



学生時代も、また、ようやく講師として働きだした頃も


楽しみに通いました。



舘野 泉さんも、このサロンに何度も来てくださいました。


この方の透き通った音色が、私は大好きです。



なんと表現しましょうか…。


いえ、美しい音色を言葉で表現できるはずもないですが、


…舘野さんの、なんのてらいもない音。


そのお人柄のように、深くて暖かい音の世界…。


なんとも言えない感動が溢れます。



今では、なかなかコンサートやリサイタルに足を運べませんが、


CDで舘野さんの演奏を聴いています。



特に寒い冬の夜など、舘野さんCDをかけながら著書を読むのが


私の至福の時です。




やすこ先生の日記帳

   2008年・「左手のコンチェルト」



舘野さんは、みなさんご存じのように2002年のリサイタルの最中に


脳溢血で倒れられ、右半身不随の生活を余儀なくされました。


しかし、驚異的な努力によって左手一本でピアニストとして復帰。



ご自身も語られていますが、左手だけになったからと言って、


音楽に対する気持ちや姿勢は、微塵も変わっていないと。



「左手だけで演奏を続けるのもまた面白く、

 生きがいのあることなのです。」



そう言い切る裏側に、どんなつらさ・苦しみがあっただろうか…。



両手で弾くから、とか、左手だけだから、とか、


そういう次元を越えたところの世界…。



舘野さんが「手職人」だとおっしゃる、ご自身のその手から紡ぎだされる、


美しい音色には、なんら遜色がないのです。



”美しい”…舘野さんの演奏は常に美しいです。。


音楽を愛するものにとって、それ以上すばらしいことってないです。


そう感じられる音楽は最高ですね。



やすこ先生の日記帳


舘野 泉 「タピオラ幻景 左手のためのピアノ作品集2」 2005年



たまにはじっとして…


(とは言え、なかなかまとまった時間が持てないのが現実ですが…。)



表現できないほどの、感動にどっぷりと浸りたいものです。


舘野さんの演奏を聴きながら、そんなことを思った夜更けでした。






雪の結晶春は名のみの風の寒さや~♪お風邪など召されませんように雪の結晶



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