ノロウイルスの下痢の仕組みを元素で解説! | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-12-19 07:22:51

ノロウイルスの下痢の仕組みを元素で解説!

テーマ:元素周期表
ノロウイルスの下痢の仕組みを元素で解説!

ノロウイルスが猛威を振るっているが、今週と来週がおそらくピーク。

なぜ、下痢が起こるのか知っておくと、対策に役立つ。


たとえば、病原性大腸菌O-157は、ベロ毒素という猛烈に強力な毒素を出す。



これは、赤痢菌の毒素と同じで、ベロ毒素が血液の中に入り込むので、死に至ることがある。



だから、O-157は本当に怖い。



一方、ノロウイルスは、こうした毒素を一切ださない。


じゃあ、どうして下痢や嘔吐が起きるかというと、塩素という元素がかかわっている。


小腸の細胞膜に
、塩素イオン(正確には、塩化物イオン)を通す穴がある。

この穴から塩素イオンが小腸の中に出ていくと、それに伴って水分も出ていく。




これによって、粘膜が守られ、消化吸収をスムーズに行われる。

健康を維持するには、大切な仕組み。


ところが、ノロウイルスが感染すると、穴が開きっぱなしになる。

だから、大量の水分が腸の中に流れ込み、下痢となるわけ。

その分、体内では水分が不足する。


だから、水分やミネラルが補給できれば、ノロウイルス自体で死に至ることはない。

これが、
O-157や赤痢菌と違うところ。


水分補給を、こまめに、しっかり行うのが、決定的に重要だ。

これさえ出来れば、それほど恐れる必要はない。


塩素イオン人体の機能との関係については、「元素周期表で世界はすべて読み解ける」(光文社新書)の第2章で詳しく解説しているので、こちらをご参照ください。


元素周期表で世界はすべて読み解ける 宇宙、地球、人体の成り立ち (光文社新書)/光文社
¥777
Amazon.co.jp