これは
【発芽大豆「いろどりセブン」】。

一都六県(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、群馬県、栃木県、茨城県)からそれぞれ代表する在来大豆品種を集め、発芽させてひとつのパッケージにまとめたものです。それぞれ50gずつ個別に包装され、手造り職人による上品なバスケットに行儀よく収まっています。

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これまで私は埼玉県産在来大豆7品種を発芽させてひとつにしたのが『発芽大豆「彩7」』を販売していました。これを作りながら

「在来大豆は全国各地にある、自分が今携わっていることは在来大豆のさらなる普及を目指すもやし屋にできる価値発信、ならば埼玉県以外の在来大豆、まずは関東一都六県の大豆を集めて『彩7の一都六県版』を作ろう。各地の在来大豆普及のお手伝いをしてみよう」

と思い立ったのが今年の5月でありました。そしていろんな方の協力の下、各地の在来大豆とそれに関わる方を紹介していただき、連絡をとり、時には産地を訪ねて、ようやく…先月(11月)最後の東京産在来大豆「鑾野(すずの)大豆」を得たことで一都六県の在来大豆を発芽させた

【いろどりセブン】

が商品として完成をしたのです。

この商品にかける想い…それはここには書ききれないほどありますが、まずは商品に収まっている私の想いを綴ったリーフレット(構成:小林真)をお読みください。

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 深谷のもやし屋飯塚商店は、創業以来五十年にわたってミャンマーや中国から輸入したアズキの一種ブラックマッペと緑豆のもやしを製造してきました。いつでもどこでもできるのがもやしの長所。だからこそ私どもは仕事をしてこられたのですが、風土に根付いた食を最高と考える私には原料をすべて輸入に頼らざるをえないもやしのあり方に小さな不満を持っていました。

 そんな中、数年前に出会ったのが埼玉県産在来大豆です。農家が自分の家で食べるために育ててきた、しかし収穫の能率が悪いことから市場に出回らなかった二八種類の豆は、県農業関係者の手で長い年月をかけて集められました。そしてその味や香りは、これまで感じたことのないような〈からだへの親しみ〉に満ちた力強いものです。

 私はこの大豆をまず「豆もやし」にし、やがて発芽してすぐ二日目に食べる「発芽大豆」というかたちにたどり着きました。それが二八種の中から七つの豆を択んで商品化した「彩7(いろどりセブン)」。現代日本を覆う「グローバルな食」という大きな流れに対抗する、「風土に根ざした食材」と「食文化の継承」、「食の多様性の価値を発信」、そして「種の保存」、といった物語に満ちています。

 今回、私は埼玉県で始めたこの物語を広く関東地方に広げることを決意し、農家をはじめ多くの方々の協力を得て商品化に成功しました。一都六県の農家から在来大豆を集めた「いろどりセブン」。収穫量の関係でそれほど多くは提供できませんが、消費者のみなさんに味わっていただくことでさらに広がっていくと信じています。

まず、それぞれの豆の味の違いを
そのまま茹でて感じてください。(茹でる際に塩や日本酒を少々加えるとさらに味が引き立ちます)

「一都六県いろどりセブン」は、色とりどりの豆の個性を感じていただくために豆ごとの小分けにしました。
まず、少しずつの量を豆ごとに茹でて、そのままお召し上がりください。
茹で時間は五分ほど。熱いうちはほくほくした食感のままダイナミックな味わいが楽しめ、さめると豆ごとの個性がぐっと際立ちます。


次に、いろいろな豆をいっしょにして
お好みの料理でお楽しみください

埼玉版「彩7」は、七種類の発芽大豆をいっしょにパックしたもの。多様な豆を同時に食べることで、味の微妙な違いが奏でるハーモニーをぜいたくに楽しめる七重奏です。
ですから、「一都六県いろどりセブン」も二種類以上の豆をブレンドして料理してみてください。深谷周辺のプロや家庭では、すでにさまざまなレシピが開発されています。そのままを唐揚げに、茹でてサラダやカレーに入れたり、ハンバーグ、つくねに練り込んだり、はたまた納豆、漬物に。茹でて保存していろんな料理に使うプロは多く、冷凍するとかなり保ちます。
さわやかな味覚とカリッとした食感が発芽大豆の持ち味。同じ料理にまったく別の〈多様性〉を与えます。


飯塚商店代表 飯塚雅俊
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「いろどりセブン」、それぞれの在来発芽大豆の生まれた土地の説明、豆の特徴を簡単に記します。

☆「大白大豆(おおじろだいず)」(白大豆・白目・太粒)
群馬県利根郡片品村は水芭蕉で知られる尾瀬の群馬側の麓。関東地方唯一の特別豪雪地帯でもある。

大粒で、雪のような白い色なので「大白大豆」。目も白い。尾瀬の高原を思わせるさわやな風味を持つ。

☆「高橋在来(たかはしざいらい)」(青豆・黒目・小粒)
栃木県芳賀郡益子町は関東平野の北に位置し、南北に小貝川が流れる。益子焼で知られ、年二回の大陶器市は多くの陶芸ファンで賑わう。

生命農法研究会高橋丈夫氏が40年間育ててきれた在来大豆なのでこう呼ばれる。野性的で力強い味、しっかりした歯ごたえが特徴だ。

☆「青御前(あおごぜん)」(青豆・黒目・大粒扁平型)
茨城県那珂市は水戸市の北、ひたちなか市の西に位置する人口五万六千の都市。両市のベッドタウンとして人口が増えている。

みどりで大きな扁平型の個性的なルックス。紫色の花が咲く。味はいわゆる枝豆のようなさわやかな甘味が特徴。

☆「妻沼在来(めぬまざいらい)」(茶豆・黒目・太粒)
埼玉県熊谷市妻沼地区は利根川中流「妻沼低地」に広がる。上流から運ばれた沖積土を活かしたねぎややまいも栽培が盛んな地域だ。聖天山歓喜院が二〇一二年に国宝指定。

濃い色の豆は一般に味が強い。豆の特性ともいえる甘さやほっくりした感じがとりわけ強く出た品種で、銘菓五家寳きな粉などに利用されている。

☆「鑾野大豆(すずのだいず)」(白大豆・黒目・太粒)
東京都多摩郡檜原村は東京都本州唯一の村。ほとんどが山地で、多摩川支流秋川上流周辺に集落が点在する。

村民が八王子から持ち帰り育てられてきた大豆を、村制一二〇年記念の席で供されたのがきっかけで鑑定。地元の神社にちなんで名づけられた。黒目の外見、さつまいものような甘み、なめらかな舌触りが特徴。

☆「津久井在来(つくいざいらい)」(白大豆・黒目・中粒)
神奈川県相模原市津久井地区は県北西に位置する。相模川を城山ダムでせき止めた津久井湖は、桜、紅葉、わかさぎ釣りの名所だ。

おもに、農家が味噌用に栽培してきた。さらりとした甘み、つんとした香りを持ち、在来種としては都会的な印象がある。

☆「小糸在来(こいとざいらい)」(青大豆・白目・中粒)
千葉県君津市は房総半島東京湾側に位置し、小糸地区はその中部。地区内を小糸川が流れ、房総スカイラインが走る。

小糸川周辺で栽培されていた在来種が平成一七年に登録商標化。バランスのいいさわやかな甘味が特徴で、焼酎、枝豆コロッケなど商品化も進んでいる。

(構成:小林真)
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【発芽大豆「いろどりセブン」】は明日(20日)
明日午後3時より

「地産マルシェ三鷹店」(住所: 〒181-0013 東京都三鷹市下連雀4丁目16-6 電話:0422-70-3033)

20個限定で販売します。当日は私が直接店頭で販売をします。ひとつ700円(税別)です。一部の発芽大豆は試食も出来ます。

では皆様のお越しをお待ちしてます。


追伸…「いろどりセブン」、本日(19日)、毎日新聞埼玉県版でも大きく紹介していただきました。