銅メダルは、どうして鉄メダルじゃないのか!【元素で世界を読み解く!】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
テーマ:元素周期表銅メダルは、どうして鉄メダルじゃないのか!【元素で世界を読み解く!】
年末になり、ロンドンオリンピックのメダリストが、メダルを首に下げて、テレビに登場するシーンをよく目にするようになった。
ここで、疑問!
銅メダルは、どうして銅なのか?
1位は金、2位は銀というのは、納得できるが、3位は鉄メダルではダメなのか?
結論からいうと、鉄メダルじゃあ、困る。
銅と鉄の決定的な違いは、さび方!
銅は、表面は、すぐにさびるが、これが、酸化皮膜というバリアーになって、内部にさびが進行するのをブロックする。
一方、鉄は、どんどん、さびが進行して、最後は赤さびの塊になっちゃう。
だから、昔から、コインは、銅銭はあっても、鉄銭はなかった。
肖像も、銅像はあっても、鉄像はなかった。
サビだらけの像だったら、栄誉を称えるどころか、バカにしているみたいだよね。
ということで、表彰に使うメダルも銅が選ばれたわけ。
もっとも、鉄でも熱加工して黒サビにすれば、酸化皮膜になる。
また、現代では、サビを防止する、様々な技術がある。
でも、表彰は銅というイメージは、定着しているね。
もうひとつ、銅が表彰に使われる理由は、なんともいえない味わいのある色。
実は、銅がこうした色を持つのは、元素周期表の位置で決まっている。
銅は金と同じ列。
外側の軌道も、よく似ていて、これが、独特の色になる原因。
つまり、銅の色は、金の色とメカニズムは同じ。
銅は、金と同じと漢字で書くのは、実に含蓄が深い!

