銅メダルは、どうして鉄メダルじゃないのか!【元素で世界を読み解く!】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2012-12-30 04:42:05

銅メダルは、どうして鉄メダルじゃないのか!【元素で世界を読み解く!】

テーマ:元素周期表
銅メダルは、どうして鉄メダルじゃないのか!【元素で世界を読み解く!】

年末になり、ロンドンオリンピックのメダリストが、メダルを首に下げて、テレビに登場するシーンをよく目にするようになった。

ここで、疑問!

銅メダルは、どうして銅なのか?


1位は金、2位は銀というのは、納得できるが、3位は鉄メダルではダメなのか?


結論からいうと、鉄メダルじゃあ、困る。

銅と鉄の決定的な違いは、さび方!


銅は、表面は、すぐにさびるが、これが、酸化皮膜というバリアーになって、内部にさびが進行するのをブロックする。

一方、鉄は、どんどん、さびが進行して、最後は赤さびの塊になっちゃう。


だから、昔から、コインは、銅銭はあっても、鉄銭はなかった。

肖像も、銅像はあっても、鉄像はなかった。

サビだらけの像だったら、栄誉を称えるどころか、バカにしているみたいだよね。


ということで、表彰に使うメダルも銅が選ばれたわけ。

もっとも、鉄でも熱加工して黒サビにすれば、酸化皮膜になる。

また、現代では、サビを防止する、様々な技術がある。

でも、表彰は銅というイメージは、定着しているね。


もうひとつ、銅が表彰に使われる理由は、なんともいえない味わいのある色。

実は、銅がこうした色を持つのは、元素周期表の位置で決まっている。

銅は金と同じ列。

外側の軌道も、よく似ていて、これが、独特の色になる原因。


つまり、銅の色は、金の色とメカニズムは同じ。

銅は、金と同じと漢字で書くのは、実に含蓄が深い!