年間ベストシングル2012 | 1泊2日無人島気分

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もし、1泊2日で無人島に行ったら、日常のことや音楽のことなんかを、こんな感じで、ひとり思い巡らすんじゃないか…というブログです。

年間ベストアルバムに続いて、遅ればせながら「年間ベストシングル2012」です。

例年であれば、ベストシングルを5枚発表するのですが、昨年はダントツで心に刺さった曲があったので、あえて、それだけを発表したいと思います。

それは、この曲。

Festival /スガシカオ

¥250
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バランスの妙。

この曲「Festival/スガシカオ」を端的に表すならこれに尽きる。

アレンジは、ダブステップを通過したような音色を重心の低いグルーヴでまとめている。組み立ては音数が少なく簡素だが、少ない音数でグルーヴを生み出す手法は、彼の敬愛するプリンスの得意技である。そう思って聴くと、この曲、プリンスの代表曲「サイン・オブ・ザ・タイムス」を現代風にブラッシュアップしたようにも感じられるんだよね。

そして、歌詞は、先に書いたサウンドに相反するような、叙情的な雰囲気を背後に感じさせる言葉の選び方をしているようだ。

しかも、動画でなく写真が1枚1枚めくれていくような感覚の言葉運び。だからこそ、聴き手のこちらが想像する余地が残されている。これほど訴求力を持つ曲には、ミュージッククリップは余計だ。それより、聴き手の想像力があれば、それでいいと思う。

ミュージッククリップはイメージ映像として、聴いた人の頭の中に、聴いた人の数だけ存在する。生命力がある曲は、それで成立するのだ。実際にミュージッククリップを作って、補足してあげなきゃいけないような曲は、生命力が弱いよね。

それと、メロディーも、シンガーソングライター的な哀愁がちょっと練り込まれている。


これら3つの要素のバランスが耳に新しく感じる。これがこの曲の最大の魅力。

「ポップさと冒険心があり、しかも聴いた感じが新鮮」という、これだけのことを兼ね備えたシングルは、昨年俺が耳にした中では、これだけだった。

現在のところ、配信のみで発表されている曲ではあるが、次にアルバムを出す際には、きっと収録されるはずだし、アルバムの中でも要になるような曲だと思う。


ちなみに、その他に印象に残っているシングルは、

「OH YEAH!/KREVA」
「月光/斉藤和義」
「あなたに出会えなければ/星屑ビーナス/Aimer(エメ)」

…などですね。