東大入試の数学は発達障害に有利!【週刊現代に登場!その3】 | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし

東大入試の数学は発達障害に有利!【週刊現代に登場!その3】

東大入試の数学は発達障害に有利!【週刊現代に登場!その3】

昨日に引き続き、週刊現代の記事を読んで、お問い合わせをいただいたご質問に回答します。

お問い合わせ③
【週刊現代の記事】・・・吉田たかよし氏が説明する。「まず、東大受験において最重要課題とされる数学。知能の高い発達障害の人は論理的思考力が特異な傾向があるので、数学をくにしません」・・・・
とあるが、これは本当か?

吉田たかよしの回答

雑誌の記事は、短くまとめないといけないので、このような記事になったと思うが、厳密にいうと発達障害の一部に、こういうタイプがいるということ。

注意欠陥多動性障害の中で、他動性・衝動性優位型の場合は、むしろ論理的思考力が要求される問題が苦手な人が多い。

また、不注意優勢型も、そのままでは計算途中でケアれるミスをしてしまうので、そのままでは東大の数学は逆に得点を取りにくい。

ただ、この場合は、心拍変動解析などを利用して訓練をすると、東大の数学を一気に大きな得点源に変えられる。


また、アスペルガー障害の中で、知的能力の高い人は、東大の数学がメチャクチャできる場合がある。

人間関係に関心が向かないぶんだけ、無機質で面白みが欠ける東大数学を、淡々と解いていくようだ。

クリニックでその様子を観察していると、サバン症候群の方が100年後のKレンダーを丸暗記していく姿を彷彿とさせる。


こうした受験生と接していて、人間の脳機能は、全体として優れているかどうかより、何に特化しているかということが、はるかに重要だということを思い知らされる。

個性を伸ばすというのは、できないことをできないと率直に認めた上で、そのコンプレックスをいかに乗り越えるかが重要だ。

少なくとも私のクリニックから東大に合格された方は、欠点のない平均的な能力より、長所もあるけど、欠点も山ほどある脳機能を授かったことに対し、今は、とても感謝されている。