WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!「Oh!Happy Morning」第59回オンエアー | 受験専門の心療内科 東大赤門 吉田たかよし
2013-03-23 12:53:54

WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!「Oh!Happy Morning」第59回オンエアー

テーマ:【吉田たかよし】のTV・ラジオ出演日記

WBC、内川の走塁ミスを脳科学で分析!OhHappy Morning 第59回オンエアー」



今週、「Oh!Happy Morning」で話したことを復習!

WBC、先週は、選手の脳が臭いなどで感情を伝え合っているので、試合の流れが作られるという話をした。



本当は、日本3連覇を分析したかったのだが、準決勝で敗退。



勝敗を分けたのは、8回に起きた、信じられないような内川選手の走塁ミス。



どうしてこんなことが起こったのか、実は脳科学で注目されている、ある研究結果で矛盾なく説明がつく。



 



状況を確認しておくと、2塁ランナーの井端と1塁ランナーの内川選手がダブルスチールを仕掛けた。



だけど、井端選手は、すぐに無理だと判断して、2塁に引き返した。



ところが、内川選手は、それに気づかず、2塁に走り続けてしまった。



 



ニュースでは、内川はうつむいて走っていたので井端選手が2累に戻ったことに気づかなかったとされている。



確かに映像を見るとその通りなのでが、不思議ではないか。



人間の目には周辺視野があり、視線の先だけでなく、周辺もぼんやりとは見えていて、それで異常を知る。



うつむいて走っていても、周囲の状況はある程度はつかめるはず。



なぜ、内川には見えなかったのか、その理由がはっきりと分かる研究結果がある。



 



ノースカロライナ大学の研究チームは、緊張状態と視野との関係を調べた。



その結果、のんびりしているときは周辺視野が広く、緊張すると周辺視野が狭くなることを発見した。



これには、意味がある。



何か危険が迫ってきたときは、その原因に集中した方がいい。



だから脳は、視線の先にあることだけに情報処理を集中し、周辺視野の情報は無視するように切り替える。



たとえうつむいていても、内川選手の目には井端選手は周辺視野に映っていたはず。



しかし、脳が無意識のうちに、わざとその情報を無視した。



 



脳にこうした性質があるのは、みなさんにも無関係ではない。



緊張すると視野が狭くなるのは、交通事故の大きな原因となっている。



目には映っているのに、脳が情報処理しないため、本人には見えていないということが、事故を招く。



たとえば、道を歩くとき、何か気がかりなことがあって緊張状態であれば、交通事故に遭う危険性が4倍になる。



ドライバーは、運転以外のことで何か恐怖を感じていれば、道路の異変に気づかなくなるという研究もある。



その原因が、周辺視野の情報を脳が無視することにある。



何か心配事があるときは、できるだけ交通量の多い道路はあるかない、あるいはハンドルを握らないほうがいい。



 



ただし、緊張することが、一方的に悪いわけではない。



周辺視野を狭くする代わりに、目の前のことに能力を集中させて機能を高める。



たとえば、内川選手は、走る速度は早くなったはず。



映像を見ても、アッと言う間に2塁ベースの手前まで来ていた。



緊張感がたかまれば、こうした単純な作業能力は高まる。



火事場のクソ力も、こうした仕組みで生まれる。



 



緊張したら、複雑なことをやろうとしてはいけない。



ダブルスチールをやれたらやれという山本浩二監督の采配が問題。

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