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こんなラジオドラマ↓があったんですね。知りませんでした。
日本語のセリフを言うゆちょんは韓国語を話すときより若い(というか幼い?)気がするのは私だけでしょうか。
どうしてもこの方イメージが

ドラマを聴いていたら久しぶりに妄想癖がむくむくと沸いてきました。笑
特にテーマもなく、着地点も決まっていない妄想物語です。
どうなることやら・・・。
気まぐれで更新する予定です。(突然前触れもなく終了する可能性あり)
(女性は田中美里さんですね。冬ソナのユジンの吹き替え担当した方。)
もちろん、まったくの妄想小説ですので、実在する人物、団体等とはまったく無関係です。
070819 東方神起 ユチョンラジオドラマ トプカプ宮殿編
ソウル
夏の日の夕暮れ。
西日が容赦なく窓から入り込み、室温を高めていく。
流れる汗をタオルでぬぐいながら、ゆちょんはパソコンに向かっていた。
「もうちょっとだから固まらないでくれよ~。頑張ってくれ~」
早期卒業のための論文と卒業制作の締め切りが迫っていた。
彼の部屋にはクーラーさえなかった。
唯一ある扇風機は、彼ではなくパソコンを冷やすために回っていた。
ジリジリジリ!
目覚まし時計がけたたましく鳴った。
「やっぺ。バイトの時間だ!」
親からの仕送りはなく、学費と生活費は奨学金とアルバイトで賄われていた。
どんなに締め切りが迫っていようとバイトを休むわけにはいかなかった。
「あ~、今日も徹夜だな・・・。」
ここ数日、ろくな睡眠はとっていない・・・。
パソコンの電源を切り、あわただしく出かけようとするユソンの足がポストの前で止まった。
「ふっ」
今日も郵便物が何もないことを確かめると、口を少しゆがめ苦く笑った。
(いつまで何を期待しているんだ。まったく・・・)
想いを振り切るように自転車にまたがり走って行く・・・。
東京
裕子は、会社帰りの電車の中で車内広告に見入っていた。
「トプカプ宮殿の至宝展」 東京都美術館
トプカプ宮殿・・・
一年前のイスタンブールでの出来事を思い出していた。
パク・ユチョン。私のことを韓国人だと勘違いして話しかけてきた韓国人大学生。
誘われて、彼の案内でゆったりとした散策の時間を楽しんだ。
私は男性と親しく話したりするのは苦手なのに、初対面から彼は違和感を感じさせなかった。
「僕は移り行くものの方が好きだな。儚いけれど、そのひとときの美しさを愛しみたいな・・・」
なんて大人ぶって言うかと思えば、私がジュエリーデザインの勉強をしていることを知ると
「あの、宝石が嫌いって訳じゃなく・・・、あまり縁がないから。こんな風に宝石やアクセサリーをちゃんと見るのは初めてだし・・・」
汗をかきながら弁明する彼の顔は、端正だけどどこか少年の面影を残していた・・・。不思議な人。
どうしているかしら・・・。
私の手帳には、今でもあの時別れ際に手渡された、走り書きの彼の住所のメモが大切に挟み込まれている。
このメモを取り出して手紙を書き、何度破り捨てたことだろう。
意気地のない私。
「あの、もしよかったら手紙をください。待っています。今日はとても楽しかった。ありがとう・・・」
メモを私に押し付けるように渡し、それだけ言うと、私の返事を聞くまいとするかのように走り去っていった彼・・・
今でも待っていてくれるのかしら?
もう一年もたつのに・・・、遅いわよ・・・ね。
こうやって、行きつ戻りつ、一歩を踏み出せないままいつまでも同じところをぐるぐる回って煮え切らない私。
今日言われた先輩の言葉が蘇った。
「あなたのデザインは綺麗なんだけど、なんていうかな、小さくまとまってしまっているのよ。自分の殻を破らなきゃ。いつまでも事務部門にいるあなたじゃないでしょ。」
そう、私はジュエリーデザイナーになりたくて大学の芸術学部を卒業して宝飾製作会社に入社したものの、デザイン部門には配属されず経理事務をしながら勉強を続けていたのだ。
自分の殻を破る・・・
あの時も、何かきっかけを掴みたくてイスタンブールへ行ったのだった。
もう一度あの宝石たちに会いに行こう。
自分で自分の背中を押すように、私はプレイガイドへ行きチケットを2枚買った。
「あの時の宝石たちが日本にやってきます。会いに来て下さいませんか。」
携帯さえ 持ってない事 言えなくて
かすかな望 繋いでるメモ
あの時の 二人の時間 僕はまだ
昨日のように 抱きしめたまま
祈るよに 文認めて 投函す
一行だけの 短い手紙
動画・画像お借りしました。