ヘレン・カルディコット博士 大阪がれき問題記者会見(文字起こし) | 脱原発の日のブログ

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12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)

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ヘレン・カルディコット博士  大阪での記者会見 (文字おこしはoldblue管理人・・・通訳の方の話されたことをなるべくそのまま文字におこしています)

動画   http://iwj.co.jp/wj/open/archives/41421

ツイッター http://togetter.com/li/410830?page=2

動画  http://www.ustream.tv/channel/iwj-osaka1#/recorded/27173479



【会見部分 文字おこし 全文】

みなさま、本日はありがとうございます。

非常に興味深い時期にこの場所に来ることができたと思っています。みなさまの橋下市長は日本中で今とても著名な方になっておられまして、私たちに会っていただけないほど超お忙しい状況になっておられまして、政治的ないろいろな望みというか野心をお持ちになって活動をしているとお聞きしています。

ほんとうに地元の市民の人たちよりも、国家の国の政治の方に興味があるという状況らしいのは、私にとっては非常に興味深いことだなという目で見ております。もしそういう状態であるからこそ国政の政治家になるにはふさわしいというふうに私は思います。そういう人であるからこそ。

それで、橋本市長は福島で震災があり事故があって、たった2週間程のあいだに、もうすぐにがれきの受け入れを表明されて、それをしかも焼却されるということを言われたわけです。36000トンあるというがれき、これは大阪にすでに搬入されているのでしょうか?本来であれば今日は試験焼却の日というふうに伺っていたんですが・・・まだですね。福島だけでも十分、非常に悪い状況です。東京まで汚染が広がっている状況になります。その状況の中で、東京まで広がっているこの汚染を、それ以外の地域にまで汚染を共有しようとしている。放射性廃棄物を共有することで、汚染を広めようとしているということ、これは小児科医としての私の立場から言うと、もうほとんど犯罪的な行為と言えると思います。

放射能が出たこの大きな事故を、結局その結果を全国で分け合おうとしている状況にあると思います。

それで放射性物質が、36000トンと言われているがれきの中に入っています。木質のものとかいろいろありますが、とくにセシウム137の汚染が心配されています。

セシウム137というのは300年間そこに残りますので、もし大阪にこのセシウム137を持ち込んでしまえば大阪は300年間にわたって、セシウム137を持ち続けないといけなくなるわけです。それを人が呼吸から吸ったり、食品から取り込むということが発生します。それで政府は、この放射能のレベルなら許容可能な範囲だということを言っていますが、実際、許容可能な放射能というものは存在しません。すべての放射能は、これはガンを引き起こす可能性を持っているわけです。

あとセシウム134もありますが、これは約20年ですが、これも非常に危険度の高い物質です。そしてセシウムは、例えば脳腫瘍、それから筋肉腫といったものの原因になりますし、精巣や卵巣に蓄積をします。そうしますと遺伝的な疾患、遺伝的な異常形成とかを起こす可能性が出てきます。その結果、胎児に影響が出ますので、そのために先天性の異常を持った子供が出産され、例えば形成異常の子供が生まれる可能性が出てきます。

そしてその他にもいろいろな放射性元素が廃棄物に入っています。コバルト60とかウラン235とかウラン238などがあります。そうしますとこれは腎臓のガンとか先天性の形成異常、いわゆる奇形が出る場合がありますし、それから骨ガン、白血病の原因になり得ます。

そして今ここに、女性で小さなお子さんをお持ちの方が立ち上がってここにいらっしゃるというのは、今この状態の中でこれほど適切なことはないと思います。といいますのは成人に比較しますと、子供は放射能に対する感受性が20倍高いと言われていますし、それから小さな女の子と男の子を比較した場合、女児の方が2倍リスクが高い。それから胎児に至っては成人と比較した場合には、感受性の点で、リスクの点で数千倍と言われています。ですから妊娠中の女性の腹部にX線を照射するだけで、生まれてくる子供の白血病の可能性が2倍になるということなんです。

女性というのはいつも革命的な変化をもたらすときの力になります。そういう意味で今、女性が日本で革命的な変化を起こす必要があるのだと思います。とくにそれが母親とか、これから母親になる方々がやらなければいけないと思っています。

非常に興味深いことですが、この町の市長は橋下さんですが、ハシモトという名前が、甲状腺疾患の名前で橋本病というのがございますが、全く今回の放射能によって、放射線被曝によって同種の甲状腺の疾患が出るわけですから、そういう意味では、この「橋本病」というのはとくに言葉としてメディアの方にしっかり注目していただきたいと。おそらく橋下さんは放射線医療の面を理解されていないのではないかと思います。セシウムというのは食品の中で100倍、何百倍何千倍という濃縮をします。土の汚染がそれがレタスの形になったとき、他の野菜になったとき、牛乳になったとき、食肉になった時には濃縮度がどんどん上がっていきます。草から牛、牛乳、牛肉そしてそれを食べる人間と、どんどん濃縮度が上がるわけです。

そしてこのセシウムというのは、食品に入っていても、全く味もしない、匂いもしない、目にも全く見えません。いわば、見えないキラー=殺人物質、ということが言えます。セシウムは脳とか筋肉に蓄積をして、そこに長期間、本当に本当に長い期間そこにとどまります。

そしてとどまった場所の周辺にある少量の細胞に非常に高い線量、極めて高い線量を与えます。放射性物質が体に入りますと、その物質は体の中で放射線放出物として、そこから放射線が体内で放出される状態が発生するわけです。ところがこのことを日本の国の政府は、また政府や企業や色々な機関はしっかりと考えていません。外部被曝のことにばかり着目しています。土が汚染されることでガンマ線が出る、X線と似たような性質ですけれども、ガンマ線が出ることばかりを言っていますけれどもこの外部被曝だけに注目していて、体の中に取り込まれた時の問題についてきちんと考えていません。

それで日本の政府や東京電力は、日本の皆さんに嘘をついています。これだけの福島のようないわば、「医療大惨事」が発生している状態の中で嘘は絶対についてはいけないのです。嘘をついても解決はしません。それは天然痘とかそういったものが過去に流行った時と同じです。

放射性物質はいくら廃棄物を焼いたからといって、そこにあった放射性物質が消えてなくなることはありませんので、放射性物質は変わりません。ただ煙突のところから出ていくようになるだけで、それがまた土壌についてそこから人々の被曝につながるということです。煙突にはフィルターがある、排気筒にはフィルターが付けてあるということを言ってるんですが、フィルターで放射線が消えるわけではないですから、放射性物質になったフィルターができあがるだけで、それを一体どこに捨てるのか、ちょっと今資料に目を向けましたけれども、「ゆめしま」という名前のところにそういう放射性物質を捨てようとしている。雨が降れば水に溶けて、水によって運ばれて、土の中に、最終的には人が口にするような食べ物にまで到達すると。これが300年間消えずに残るわけです。

大阪市の中でも市議会とくにある女性議員の方が非常にこの問題を懸念していらっしゃるということをお聞きしましたが、非常に興味深いです。やはり賢明にこの問題がわかるのは女性の方だということです。

子供を保護する、子供を守るということになったときに、女性の持っている直感の正確さというのはたいへん鋭いものがあります。ですからそういう意味で、ここで立ち上がって、がれきの焼却に反対しようということで、今日のこの会を準備された女性の皆さんを、私はたいへん素晴らしいということで賞賛したいと思います。そして橋下さんは、彼女たちの声を聞かなければならない、聞かせるために私ができることがあればぜひお手伝いをしたい、なんでもお手伝いをしたい。

国会も選挙がありますけれども、この問題というのは選挙の争点にやはりならないといけない。そして、特に国政の選挙の中で争点にならないといけないのは福島のこの大災害もそうですし、それから特に4号機、4号機の建屋がもし何かあって今後崩壊すれば、大変なまた大きな惨事が起きます。それからこの今回のがれきの問題、全国にこの汚染を広げようとしていること、それからその点がすべて争点にならないといけないと思うんです。      非常に関心があるのはロシアの政府は、チェルノブイリ事故のあと、ロシアの国民のために、非常に責任をもった態度を示したという点については、国民のためにという点では日本の政府よりしっかりとやったと、責任ある行為をしたと思います。

たしかこの地域は15機の原子炉から、たった60マイルしか離れていない、非常に距離が近いと思います。 特にその中でも大飯原発については地震断層の上にあるのではないかといわれています。大飯は閉鎖しなければいけないと私は思います。

いろいろなレンジで考えると日本というのは、いろいろなことで非常に危ない位置にある状態だと思います。そのことをしっかりと頭において行動しないといけないと思います。

私から申し上げるのは以上です。

【お母さんと記者会見に参加した9歳の女の子のスピーチ】

私は瓦礫を受け入れてほしくないと思ってます。なぜかというと、大阪で瓦礫を燃やしたら、私たちが住んでいる場所にも放射能が来るかもしれません。大阪だけでなく他の場所にも来るかもしれません。
放射能は風に乗って色んな所に行くと思います。
放射能を食べたり吸ったりしたら私たち子供や小さな子は病気になるかもしれません。
私が大きくなって子供ができてその子供も病気になるかもしれません。
だから私は嫌です。
私には福島から大阪に逃げたお友達が居ます。その子達は放射能が怖くて大阪に逃げてきたのに、また大阪に放射能が来るのです。
他にも友達が大阪に沢山います。友達のことを思うと悲しくて涙が出ます。

市長さんが瓦礫を燃やすとみんなが困ります。
悪いことをした人は警察が捕まえてくれます。
橋下市長さんが大阪に放射能を持ってくるのは悪いことだと思います。
でも、どうして警察が捕まえないのかわかりません。
市長さんはみんなのために仕事をしてくれる人だと思っていました。

橋下市長さん、瓦礫を燃やすのをやめるとはっきりして下さい。