学校法人郁文館夢学園では毎年、長野県奈良原にある施設「志高館」にて、
学年毎に10泊11日(中学1年生は5泊6日)の「夢合宿」を行います。
この「夢合宿」では、集団生活を送ることで、
① あるべき生活習慣
② あるべき人格
③ あるべき学力
を体得することを目的としています。
新中学1年生は、入学式の翌日から、この志高館での夢合宿に参加します。
毎年、その初日には「理事長講座」と題して「夢の見つけ方、叶え方」について、
私から生徒たちへ話をします。
芥川龍之介は、こう言っていました。
「人間は遺伝・偶然・環境・意志の産物なり」
私もこの4つの要素で成り立っていると考えています。
まず、遺伝について。
「遺伝」=お父さん、お母さん、そのまたお父さん、お母さん、30代遡れば、10億人もの人がかかわっているDNAが、人にはすでに備わっています。努力をしなくても足が速い、頭がいい、そういうのは、遺伝によるものです。
歌が好き、踊るのが好き。数学は嫌い、国語は好き。これも遺伝です。そして、人は、嫌いなものに対して努力は出来ないが、好きなものに対しては努力が出来ます。だから、なんとなく好きだな、やりたいなと思えることを大切にしましょう。
夢をかなえるためには努力が必要です。好きな事、得意な事だと、無理なく努力が出来るようになります。だから「遺伝」から、様々な事にチャレンジして、好きな事、得意な事から自分の夢を見つけましょう。
次に、偶然と環境について、
「偶然」=創業の時、つぼ八の創業者と偶然出会いました。もし、出会わなければ今のワタミはありません。
「環境」=私の経験に例えるなら、10歳の時に母親が亡くなりました。
そして、10歳の時に父親の会社が潰れ、
それこそ靴下も買えないくらいの貧乏になりました。
この「偶然」と「環境」は、運とも言い換えられます。
自分の力ではどうしようも出来ない力だからです。
そして「運」には、運を味方にする方法があります。
・神様が応援したくなるような誠実な生き方をすること
・努力をすること
・人に優しく、親切にすること
この三つを守れば、運を味方にすることが出来ます。
そして、何より大事なのが意志の力です。
意志はすべてを変えることが出来ます。
遺伝と偶然を環境の中で、与えられた人生を生かすも殺すも意志の力です。
どうなりたいか。すべてを受け入れて前へ進む。
「意志=夢を持ち、夢を追う」
と言ってもいいかもしれません。
「夢×運=人生の結果」だと思うのです。
その入門編を新中学1年生へ話をしました。
つい何週間か前まで小学生だった生徒たちには、
少し難しかったかもしれません。
それでも、みんな一生懸命に話を聞いてくれていました。
志高館での夢合宿から始まった新中学一年生の学生生活。
郁文館は、君たちが幸せになるための学校です。
この場所で学んだことを身に着け、3年後、6年後、大きく羽ばたいて欲しい、
心からそう願います。