
東大生に発達障害が多いというのは、単なる都市伝説ではなく、間違いなく事実です。
実際、今年も、私のクリニックで東大への合格者を出しています。
一口に「受験うつ」と言っても、医学的には、様々なタイプがありますが、発達障害による2次性の「受験うつ」は、私のクリニックでは特に治療実績が高く、それゆえに志望校への合格実績も高いのです。
実際、毎年、複数の受験生が「受験うつ」を乗り越え、東大への合格を勝ち取っていますが、発達障害による2次性の「受験うつ」が多いのです。
たぶん、そういう話が口コミで広がっているのだと思いますが、以前に書いた「東大生に発達障害が大きのは本当か?週刊現代に登場!」という記事へのアクセスが、いつまでたっても減る兆しがなく、とても嬉しく思っています。
発達障害による二次性の「受験うつ」は、適切な対処で東大に合格できるということを多くの受験生や保護者の方に知っていただきたいので、以下、再掲載させていただきます。
また、発達障害の受験生が、どうして東大の入試に合格しやすいのか?
その理由についての項目は、本日、加筆したものです。
以前に読んだことがあるという方も、この部分は、追加でお読みいただければと思います。
受験うつ~どう克服し、合格をつかむか~ (光文社新書)(電子版)
ストレスが増える受験期に、突然うつ症状を発症する人が急増している。うつで人生を狂わさないために、受験生本人や家族ができることは何か。受験生専門外来のがストレス管理や効率の良い勉強法を解説する。
今日、発売の週刊現代に、私のインタビュー記事が出ています。(p169からp170)
東大医学部の特集の第2部が発達障害。
記事に出ているように、アスペルガー障害や、注意欠陥多動性障害の不注意優勢型(ADD)の中には、東大受験に向いている人がいて、私が東大の受験を勧めているのは事実です。
実際、こうした障害に悩む受験生を対象に磁気刺激治療刺激や認知行動療法を行ない、東大に合格してもらっています。
では、どうして多くの発達障害の方が、東大の入試に合格できるのでしょうか。
その理由は、東大の入試の出題傾向と合格最低点についての特徴にあります。
早慶上智・Gマーチなど私立大学に特に顕著なのですが、一般的な大学入試の問題は、問われたことを問われたとおりに解答していくものです。
これに対し受験生の脳は、対人関係に使っている中枢を無意識のうちに試験にも使って解答しているのです。
出題に対して解答を出すというのも、周囲の人とコミュニケーションを取るのも、実は脳にとっては似た情報処理となっているのです。
一方、東大の入試は、独自の思考力を使ってじっくり考えさせる出題傾向となっています。
そのため、脳に求められる機能が対人関係とは遠くなるので、その分、発達障害の受験生には、相対的に有利に働くわけです。
また、難問が出題される結果、合格最低点が低く、まんべんなく卒なくできなくても、得意なことだけできれば合格するというのが、東大入試の特徴です。
これも、発達障害の受験生には有利なスキームになっているわけです。
たとえば、アスペルガー障害を持っていると、空気を読むのが苦手で、人間関係をうまく築けず、社会の中で上手に立ちまわることが困難です。
しかし、東大卒の肩書きがあれば、たとえ個性が偏っていても、社会のほうが個性に合わせてくれることが多いので、得意分野の能力を活かせるメリットがあります。
これは、本人のためにもなるし、日本のためにもなることですよね。
だから私は、東大受験をすすめているし、脳機能を扱う心療内科医として、サポートも行なっているわけです。
たとえば、こちらの動画でご紹介しているように、引きこもりの不登校の方を東大に合格させた例も、複数あります。
ただし、週刊現代では、東大医学部に発達障害が多いという記事になっていました。
この部分だけは、正直、少し疑問ですね。
確かに、頭が良すぎて、一見すると、変わり者に見える人が多いのは事実です。
しかし、単に変わり者に見えるのと、医学的に広汎性発達障害だといえるのは、まったく異次元の話です。
記事に書かれていた「東大医学部の中で発達障害は2割だ」という数字は、まったく事実ではないと、私は自信を持って断言できます。
むしろ、発達障害が多いのは、理学部や工学部に進学する理科Ⅰ類の方でしょう。
発達障害を持っていると、本人も人間関係に苦手意識を持っているので、そもそも医学部に行きたがらない傾向があります。
彼らは、人間関係とは無縁の、数学・物理学・情報科学・宇宙科学に興味を持つ場合が多いのです。
卒業後も、患者さんやチーム医療という人間関係のルツボの中で働く医者には向きませんが、数物系の研究者としてなら成功する人が多いのは確かです。
このことは、週刊現代の記者さんにも、しっかりと話しました。
でも、東大医学部にしないと記事が面白くないという事情があったのだろうと思いますが、これについては、私の主張は記事には採用されませんでした。
ただし、私が強調したいのは、発達障害の方が、無理して医学部に入ろうとするのは、賛成できないということです。
私のクリニックにも、「私の息子は頭はいいが発達障害なので、医学部に入れたい」という親御さんが、お子さんを連れて来院されます。
でも、多くの場合、受験生本人は、医者になりたがっていないんですね。
そんな場合は、医学部ではなく、東大の他の学部の受験をすすめています。
現在は個性が求められる時代。
長所と短所が激しく、能力がデコボコな人こそ、もう少し歯車が噛み合えば、すべてが平均的な人より、むしろ活躍できると考えられる分野がとても増えています。
だからこそ、偏見を捨て、社会が手を差し伸べてあげたらと思うんですね。
実際、世界の先進国は、もうとっくにこの段階に入っているんですね。
発達障害で受験うつになった場合は、私のクリニックで開発した磁気刺激治療(受験うつ)早期合格コースが特に効果を発揮しやすく、東大をはじめ、一流大学に次々に合格してくれています。
今後も、こうした活動に誇りを持って取り組んで行きたいと思っています!
発達障害で東大に合格する勉強法については、こちらの解説記事をお読みください!
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