自衛隊における言論の自由を守れ | 田母神俊雄オフィシャルブログ「志は高く、熱く燃える」Powered by Ameba

自衛隊における言論の自由を守れ

遅くなってしまいましたが、皆さま明けましておめでとうございます。暫くの間、ブログを中断してしまいました。事務所と自宅の引越しや、年賀状の整理、年末年始の雑誌などの寄稿、単行本の原稿などで手が一杯でした。最後は引越しの片付けも終わっていない中で、空き巣に入られるというおまけまでついてしまいました。自宅のセキュリティの方も強化しなければならないことを再認識致しました。




さて、1月24日の産経新聞によると、自衛隊情報保全隊が自衛隊OBの佐藤正久参議院議員や私の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していることが明らかになった。私は、随分前から噂ではこの話を聞いていたが、本当に北澤防衛大臣という人は陰湿な人だと思った。こんなことをやれば、大臣に人事権を握られている自衛隊の高級幹部は自ら佐藤議員や私の講演に参加することはないし、部下たちにも参加を控えるよう指示することになろう。現に1年以上も前から現職自衛官の高級幹部は私の講演には来ていない。しかし、彼らは本音のところでは、私の講演を聴きたいのだ。防衛省はいまサヨクに乗っ取られているようなものであり、自衛官たちは息を潜めて耐えるしかない状況に置かれている。そういう意味では、後輩たちに申し訳ない気持ちで一杯である。しかし、ここで私は戦いを止めるわけにはいかない。ここで止めては、北沢防衛大臣などの思う壺である。


現職自衛官たちのほとんどは、北澤防衛大臣のようなサヨク思想に汚染されていることはない。私の意見に同調する者が大部分であるし、私を支援したいと思っている。しかし、度重なるこのような嫌がらせは自衛隊の士気を低下させることであろう。北澤防衛大臣は、自衛隊のやる気を失わせることには本当に熱心な人だと思う。こんな指揮官を抱いていては、困難な場面に出くわすほど自衛隊は行動できないことになるだろう。


人は、自分がやりたいことをやれるときが幸福である。国民が幸福になるためには政治的な自由と経済的な豊かさが必要である。自由と繁栄こそが人を幸福にする、基本的な要件なのである。しかし、いまの民主党政権下では国民の自由は奪われるばかりである。民主党は、国民の言論の自由を認めないのか。

北澤防衛大臣は、昨年11月、航空自衛隊入間基地で基地後援会長が「民主党政権はつぶれて欲しい」と挨拶したのに反発し、民主党批判を封じる事務次官通達を出した。これで自衛隊の現場は、自衛隊の行事などで挨拶する民間の人たちに民主党政権の悪口を言わないように、その都度お願いしなければならないという。挨拶する人も自衛隊に迷惑をかけないようにと気を使うことであろう。更に自衛隊の現場は何を話すのか何を話したのか報告しなければいけないという。余計な仕事が増えることになる。サヨク民主党政権を支えるためだけのために。


自民党がこれまで実施してきた自衛隊に対する政策も、決して褒められるものではないが、少なくとも自民党政権下では自衛隊に対し、北澤防衛大臣が出した事務次官通達のようなものが発出されることはなかった。自衛隊の行事で挨拶する野党議員や民間の人たちも、自民党政権の防衛政策を批判することは度々あった。しかし、これを封じようとする政府の動きは出なかった。自衛隊の学校でも与党自民党だけではなく野党の社民党や共産党の議員も呼んで講演もさせていた。彼らは当然のことながら、自民党の悪口を言いまくっていた。しかし、それが民主主義の社会というものである。自民党政権はこれをことさら問題視したこともないし、自衛官もそれらを聞きながら自らの意見を固めていくわけである。



日本はいまいい国に向かっているのか。


権力は、批判されるのが当たり前である。批判されない権力は絶対的に腐敗する。北澤防衛大臣はこのことをもっと理解すべきではないのか。それに自分を守ることではなく、国を守ることをもっと真剣に考えてもらいたい。そのためには、自衛官がやる気を無くすようなことは止めてもらいたい。北澤防衛大臣にとって、自衛官は部下である。部下のやる気を振作することこそが指揮官の責任である。北澤防衛大臣はいま、自衛官のやる気を失わせ、自衛隊を弱体化させて我が国の守りを危なくする方向に努力を傾注している。一体彼はどこの国の防衛大臣なのか。