【国ナビ】政府予算案への反対討論② | 桜内文城オフィシャルブログ「みんなきさいや」Powered by Ameba

【国ナビ】政府予算案への反対討論②

昨年秋の臨時国会以来、政府提出法案・予算案に対する「反対討論」ばかりしているような気もしますが(今回で5回目)、本日(3月29日)、参議院予算委員会において平成23年度政府予算案(一般会計、特別会計及び政府関係機関予算)に対し、みんなの党を代表して反対討論を行いました。その際の原稿を下記にお示しします。

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私は、みんなの党を代表して、平成23年度総予算3案に対する反対討論を行います。

先月、みんなの党は衆議院予算委員会に対して一般会計、特別会計、そして政府関係機関予算案をトータルで抜本的に組替える修正動議を提出しました。その後、東北・関東大震災への緊急対応のため、党派を超えて政府予算案の審議に協力してまいりましたが、依然として国政の方向性が定まらない議論となっています。

我が党の予算修正案の主な点は次のとおりです。第一に「未来への投資」として、法人税の実効税率を現行40%から20%に半減、さらに自然エネルギー等の科学技術・研究開発費、奨学金を30%増額します。第二にその財源は、民主党政権のバラマキ予算の象徴でもある「4K」、すなわち子ども手当、高校無償化、高速道路無料化、戸別所得補償の組換えに加えて、補助費、委託費、庁費の20%削減、議員歳費の30%削減、そして公務員人件費の20%削減等によって捻出します。

私共は、公認会計士をはじめ多くの民間の皆様のご協力をいただき、一般会計と特別会計の歳入歳出、年間1万3千本を超えるすべての予算科目を複式簿記で処理し、バランスシート、行政コスト計算書、純資産変動計算書、そしてキャッシュフロー計算書といった予定財務書類4表を自動的に作成する公会計のソフトを開発しました。これを国家財政ナビゲーションシステム、国ナビと呼びます。具体的には、来年度政府予算案に基づきバランスシート等の予定財務書類を作成し、省庁別及び特別会計・勘定別に財務状況を把握するとともに、一般会計及び特別会計のすべての予算科目と金額を組み替えるシミュレーションを実施し、抜本的な予算修正案とこれに基づく予定財務書類を作成しました。

我が党の予算修正案に基づく予定財務書類の概要は次の通りです。まず、平成23年度末のバランスシートで政府案とみんなの党修正案を比較すれば、公債発行残高が15兆円減少します。その結果、一般会計と特別会計を連結した国の債務超過額も政府案よりも7兆円改善し、427兆円となります。次に、行政コスト計算書では、政府予算案で生ずる純行政コスト125兆円に対し、これを26.2%削減、金額にして33兆円削減し、92兆円にまで圧縮します。これらにより、キャッシュフロー計算書におけるプライマリーバランスも大幅に改善し、政府予算案での11兆円の赤字に対し、これを1.3兆円の赤字にまで抑え込みます。

私共は、国政の方向性を決定づける予算案については、与野党ともに比較可能な予定財務書類を作成し、「数字」に基づくロジカルな「政策競争」を行うべきだと考えます。我が党は、昨年秋の臨時国会において、毎年度の政府予算案と野党の提出する修正案について、それぞれの予定財務書類の作成・開示を義務付ける「財政見える化法案」を提出しました。どの政党が政権の座にあろうとも、一般会計と特別会計の連結による予定財務書類を作成・開示する仕組みを共通の制度的インフラとして整備すべきだと考えます。

将来世代の利益や日本経済の成長を考えるとき、「数字」でロジカルな答えを導き出せるのが、今回、私共が開発した国家財政ナビゲーションシステム、国ナビです。今、国家経営のあり方そのもの、政府のマネジメントこそ、大きなイノベーションが必要であることを申し上げ、反対の討論を終わります。
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読者の皆様、今後ともどうかよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

桜内文城