ファミコンへの思い入れ | 大神Blog

ファミコンへの思い入れ

今はゆっくりしている時期とは言え、このブログ執筆と
「大神」レトロシリーズの作業と海外雑誌向けの原稿作成が重なって、
ちょっと焦っている神谷です。海外の雑誌なんですが、
妙にピンポイントで細かいことを聞いてきたりしてるんですよね…
筆しらべ一つ一つについて思い入れを述べよ、とか…。
もちろん思い入れはあるので書きますケド。

さて、前回の僕の回に予告しました「大神」レトロシリーズ、
先週の金曜日から公式ホームページで始まりましたが、
大好評のメッセージが続々と送られてきて、僕たちも大喜びしています!

事の発端は、公式ホームページのミニゲーム「アマテラスの小判取り」で流れる、
「イダテンと競争」のレトロバージョン。これは「大神」開発中に作曲担当の
ウエダ君がお遊びで作ったもので、その当時たまたま企画が進行していた
「小判取り」のBGMに使用することになったのですが、このなんとも懐かしい音が
ズーッと僕の耳に残っていて…「大神」の開発も終わってゆっくり出来ている今、
「ほかの曲もレトロバージョンにアレンジして!」 …とウエダ君にリクエストしたのです。

もちろん自分の趣味でリクエストしたワケじゃ…ない…ですよ。
「大神」も発売されてから約3ヶ月の月日が流れ、
そろそろ公式ホームページの更新をストップする、とウェブ担当の方から話が
あったので、それならば最後の最後のお遊びをしようじゃないか、と思い立ったんです。
ウエダ君もヒロシも快くこの企画に賛同してくれ、新人のニワ(♀)も加えて
「公式ホームページで音楽をダウンロードして、
            ユーザーの手でサントラを完全版にしてもらおう!」と、
早速曲作りに取り掛かってくれました。

そうなってくると、当然「ファミコンライクな画面」が欲しくなって来ますよね?
…そこで、デザイナーのヨッシーに「何か作って!」とお願いすると、
二つ返事で快諾!(…多分)。海外向け広告の作業で忙しいところだったのですが、
その合間を縫って「大神」のドット絵キャラクターを制作してくれることになりました。
ヨッシーとは、「いつかファミコンでゲーム作りたいよねぇ」なんて話を
良くしていたので、ちょっとだけ願いが叶いましたかね…(笑)。

ファミコンライクな神木村は、「大神」でも背景制作を担当していたナカムラ(♀)が
制作することになりました。彼女は、年齢的にもファミコン世代からは
ちょっと離れていて、昔少しだけ遊んだことがある…という程度らしいのですが、
色々研究して(?)頑張ってレトロな神木村を作ってくれました。

僕は今年で36歳、ド真中のファミコン世代っ子です。
初めてファミコンを買ったのは、中学1年の時だったでしょうか…。
世の中は空前のファミコンブームで、どこへ行っても本体が売り切れという状態でした。
お正月に、駅前の某デパートでファミコンを限定10台販売するという広告が新聞に入り、
早朝4時に自転車を駆ってデパートへ行ったら既に10人並んでいて「上には上がいる」と
ガッカリして帰ったこともありました。

あの頃は明けても暮れてもファミコンファミコンでしたね~。
勉強そっちのけで遊んでいたために両親にアダプターを隠されたり、
親が高校へ入試の合格発表を見に行ってくれている間に
隠してあるアダプターを出してきて「ナッツ&ミルク」を
遊んだりしていましたっけ…(しかも不合格)。

ファミコンサウンドも大好きで、
今も仕事中にファミコンゲームのサントラを良く聴いています。
音色、音数が厳しく制限されているにも関わらず、力強い演奏を聴かせてくれる
名曲が数多くあります。「ふぁみこんむかし話 新・鬼が島」のサントラも、
「大神」制作の参考になりましたね~(笑)。

そんな愛するファミコンなのに、僕はそのゲームを制作したことがないんですよね。
こんな自分が言うのもなんですけど、ファミコンでのゲーム作りは、
難易度が相当に高いと思います。
「適当に3Dでグリグリ動かしておけばOK」的な
誤魔化しの効かない事がどれだけ辛いかは、業界に入ってから10年近く経ってから
(「ビューティフル ジョー」制作時)やっと思い知ったほどですから、
多分、今の僕がファミコンゲームなんか作ったら、2年3年と迷走することでしょう。
本当に、ファミコンでゲームデザインの力を磨いてきた偉大なる諸先輩方には、
足を向けて寝られませんね。

…と言うワケで、ファミコン版の「大神」、誰か作ってくれないですかね(笑)。
僕が作ったら、僕が遊ぶことが出来ないですから。

まぁ、その夢は叶わないにしても、せめて気分だけは味わいたいじゃないですか。
「大神」レトロシリーズの企画、僕自身も更新を楽しみにしています。
更新されるのは、あと2回!どんなキャラクターや音楽が登場するか、
楽しみに待ちましょう。


pic203
写真:これはある程度基本の部分が固まってからの、企画ミーティングのもの。
    「癒し」という漠然としたテーマを、ゲームにどう絡めていこうかと
    試行錯誤している時のものです。
    この頃にシバタさんが企画に加わり、ボンヤリしていたゲームの輪郭は
    次第にクッキリと仕上がっていきました。シバタさんがいなかったら、
    「大神」の完成はなかったでしょう。


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