John Coltrane
My Favorite Things
1962年、エリック・ドルフィー退団。以後コルトレーンはマッコイ・タイナー、ジミー・ギャリソン(ベース)、エルヴィン・ジョーンズというほぼ不動のメンバーによるカルテットとともに活動、バンド全体が一体となって演奏を繰り広げるという表現方法を確立。コンサートでは1曲の演奏時間が30分から1時間に及ぶこともざらであった。
このようにステージでの演奏は激烈を極める一方だったが、レコーディング・スタジオではインパルス!レコードの看板アーティストとしてレコードの売り上げにも関心を示し、デューク・エリントンとの共演(『デューク・エリントン&ジョン・コルトレーン』、1962年録音)、スローバラードばかり取り上げた『バラード』(1962年録音)、ジャズ・ボーカルをメインに据えた『ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン』(1963年録音)のような企画物レコードの作製にも取り組んだ。
1964年末、『至上の愛』を録音。また1965年に入ると、コルトレーンのモード・ジャズは極限にまで達し、特定の調性にとらわれず、あらゆるスケールを縦横無尽に使うことによって「無調性音楽」の色彩が強くなっていく。