松本市長の記者会見2.23版;甲状腺ガンの子どもは5年後から。今防げる! | 脱原発の日のブログ

脱原発の日のブログ

12月8日は1995年、もんじゅが事故を起こして止まった日。この時、核燃料サイクルと全ての原発を白紙から見直すべきだった。そんな想いでつながる市民の情報共有ブログです。内部被ばくを最低限に抑え原発のない未来をつくろう。(脱原発の日実行委員会 Since 2010年10月)


脱原発の日のブログ

<引用文の前に松本市の被災者受け入れ状況を話していらっしゃいます;詳細はアクセスして下さい>
http://www.city.matsumoto.nagano.jp/aramasi/sityo/kaiken/teirei20110322/index.html

放射線の事故というのは最初からある意味では最悪の事態を想定したかたちで先手、先手として手を打っていく事が大事じゃないかといことは、私が5年半の経験をもとに日本に帰ってきてからそう思っておりました。
 しかしそういう中でまさかこういう状況になると思っておりませんでした。
 それは私、皆様のご質問に対しては、一つは20キロの避難ですけれど、できれば30キロまで広げたほうがいいのではないのかなということを申し上げ、あ わせて予防的に無機のいわゆるヨード剤を投与しておいたほうがいいんではないのかなということも申し上げましたし、場合によっては避難ではないのですけれ ど、やはり50キロ位、チェルノブイリの場合だと30キロゾーンは人が住めないわけですけれど、チェルノブイリと同じにしてはいけないのですけれど、そし てできれば50キロ位までの範囲っていうのは注意したほうがいいのではないかなと。それくらいやはりいわゆる大気汚染が広がるよということを申し上げたと こでございます。
 それからまた特に乳幼児とか妊産婦に対してはヨード剤の予防投与ということは、これはまさに内部被爆の問題なんですよということを申し上げきたんですね。
 どうしても政府を含めて皆さん方は外部被爆のことだけを取り上げているので、そうではなくて皆さん3つの点に注意してください。
 一つはマスクをしてください。なぜマスクをするかというと、汚染されていて、これに浮遊している放射性の降下物が鼻から気道ですね、気管をとおして肺に入ってそれが吸収されて血液の中入って体に蓄積されるということですね。
 それから二つ目は肌は露出してはいけないということ。これは皮膚からですよね。いわゆる吸収されて体の中に入ちゃいけない。
 もう一つは口から入るっていうこと、この三つなんですね。
 ですから経気道的、経皮、皮膚ですね、それからもう一つは経口的なんですよ。この三つが経路になっているんです。
 ですからできるだけここに取り込まないようにってことを言っているのです。
 取り込まれたらどうなるかっていうと、その放射性物質が放射性ヨードであり、セシウムであり、ストロンチウムであり、プルトニウムであって、それらが入ると大変なことになりますよ。
 これは今じゃなくって5年、10年、30年セシュウムとかストロンチウムの半減期が30年ですから、放射性ヨードの半減期は1週間ですけれども、そうい うようにですね、取り込まないようにって言っているにもかかわらず、今回のようにですねほうれん草ならほうれん草に、今度はシーベルトからベクレルって キュリーです。
 皆さん良く知っているキュリー夫人のキュリーです。いわゆる放射能の強さを表すのですけれども、今回のほうれん草の場合でも日本の基準で2000ベクレ ル/キロですよね。/リッタ—という事でいうと倍になっていて、そういうなかでもってそれを要するに食べてもいいかって言われたら、語弊がありますが、で きるだけ口にしないほうがいいだろうっていうのは、これは現地行った者としては、本当に言いたいのは子ども達やあるいは妊産婦、胎児の命を守るという意味 でいったら5年とか10年、チェルノブイリでもって甲状腺がんの子どもが増えたのが5年後なんですよね。
 5年後から出てきているんですよね急激に。そしてその事故前の時の子どもの発症率というのは100万人に1人か2人でこれはチェルノブイリのとこも同じなんですよ。
 それが汚染地になるとそれが100倍になったり、ひどい時には130倍ですね、ゴメリ市なんか。
 だから将来のことを考えれば、これは本当に申し訳ないけれど、作っている方々に。しかしこれはそんな事を言っても色々ありますけれど、風評ではなくて事 実として、これはやはり押さえておかなければいけないと私は思って、パニックでなくて国民も冷静に聞いてくれて、そして今の時期は食も少しひかえてもらう ということ、そのためにも早くに放射性ヨードをやらないと、もう入ってしまったら終わりなのです。
 私はですから前から予防適応しておいた方がいいですよって、みんな今政府においては後手後手ですよね。
 避難している人たちも放射性ヨードっていうけれど、もう避難しているわけですから、避難中に被爆して入ってしまえばいくら後でやっても遅いのです。
 そういう事がちっともわかっていないってことが、きわめて残念だってことを申し上げたいですね。
 ですから原発のあそこの今の状況は、是非ともこれは国をあげ、それから海外の力を借りてあそこをとにかく消火する。
 外に放射性物質を出さないってことは最大限やってほしいのだけれど、私はもう一つもう一番最悪であった土壌汚染ということは、これまさに環境汚染。水も汚染ですしそれから食物も汚染、これ出てしまったんですね。 
 ですから次は経路汚染、経口的になるからだから取り込まないようにするってことは当たり前のことなんですけれど、それが抜けちゃっていることで「安心、安心」って放射線1回浴びることは、そんな問題ではないですよね。
 あれは外部被爆なんですよね。皆さんだって検査された時にエックス線浴びるわけですよね。それは1回だけですよね。そうじゃないんです。入ったものは沈 着して抜けない、そして今やこれからのことは、いわゆる放射能沈着という表現しますけれども、放射線降下物、フォールアウトですから、今舞っているのが下 に降りますから、落ちると土壌が汚染されます。
 当然土壌とそれから水だって汚染されます。一方で葉物ですよね。葉っぱの上にやはり降下するわけじゃないですか放射性物質が。で、それを牛や羊が食べるわけじゃないですか。そうするとそれが放射性物質が今度はお乳の中にでるわけですよね。
 そのお乳を人間が飲むわけですよ。これがいわゆる食物連鎖というわけですよね。
 またその土壌の中に落ちたというようになると、そういう食べた牛やヤギが糞とかおしっこを出します。ここに放射性物質が溜まりますから、それがまた地面、土壌を汚染するこれ悪循環、これ食物連鎖やってるわけです。
 また汚染された土壌からは今度はセシウムのような物がですね。今度は葉物じゃなくてようするに根菜類ですかね。根からまた吸収されますから、特にセシウ ムなどは消化管からほとんどが吸収されるってこともわかっているわけですから、それから放射線なら甲状腺に集まってしまうわけですから、ですからそういう ことが事実としてとらえてですね、やはり報道していくのは国からもいかないと、単に「冷静に行動してください」とか、なんと言いますかね数的なもので被爆 がこうでじゃなくて5年、10年日本でやはり、だからもし将来ですね、わかりませんけれど悪性の新生物が日本で増えてきたような状況の時にはいったい誰が 責任とるんでしょうかね。
 だからそういう意味で今言ったように、できるだけ放射性物質を体に取り込まないような注意をお互いにしていったほうがいいのではないかな、というようなことであります。
 そういう意味でも今後全国でも食品に対しては多分汚染の状況をチェックしてくださいという言葉がいろいろ出てくる思います。
 心配ないものは本当に食べていいです。私自身は汚染地でジャガイモを食べたり人参食べたり玉ねぎ食べたりやってきていますけれども、できれば大人はまだ いいですけれども、これから生まれてくる子どもや、あるいは小さい子供というのはそういうことの無いようなことをしてあげなければいけない。

 そこで放射能の許容レベルは、先ほど記者が言われたように、これは許容レベルというのはあるんですけれども。
 例えば事故の時にポーランドでは、事故から4日目なんですけれども、国の命令ですよね。
 それで乳牛に新鮮な牧草を与えることを全国的に禁止しているんですよね。
 それから100ベクレル/リッターということは100ベクレル/キログラム以上の汚染ミルクを子どもやあるいはまた妊娠、授乳中の子どもが飲むことを禁止しているとか、4歳以下の子供は原則として粉ミルクを飲ませる。
 この時は急きょ粉ミルク不足の分はオランダから緊急輸入をしている。
 それから子どもや妊娠、授乳中の女性はできるだけ新鮮な葉菜類、葉物は摂取を控えるように指示している。こういうふうに対策をとったんですね。
 ですから今回の場合に、これが1000ベクレルですから、ほうれん草なんか4000ベクレルですから、そういう意味では、やはり残念だけれども、特に生 産者は本当に気の毒ですけれども、子どもたちの命、将来のことを考えれば、この場は政府が最大限に保証してあげるということで、しばらく汚染の状況が安全 のところまで行くまでは、それはミルクもそうですね。
 これは1987年ということで、1986年が原発の年ですけれど、1987年ヨーロッパの食品の放射能の限度というか安全許容量を出しているのが、有名 なネイチャーという雑誌に出ているんですけれども、これは乳製品だと、これはバターとかミルクとかチーズとかアイスクリームとかはセシウムは1000なん ですね。ヨウ素が500なんです。ストロンチウムが500、プルトニュウムが20ベクレル/キロです。
 乳製品以外の食品というものがありまして、これはそれ以外のものですね。これがセシウムが1250、ヨウ素が3000、ストロンチウムが3000、プルトニウムが80。
 それから飲料水がセシウムが800、ヨウ素が400、ストロンチウムが400、プルトニウムが10ということで。
 また家畜の飼料は、セシウムが2500と、このように一応基準は設けてあります。
 多分これに準じて日本の場合もこうやってあるんだろうと思いますが、きちっとしたものは無いんですけれどね。
 各国違います。しかし大体この一つの基準というのはあるわけで、どれがいい、どれが悪いんじゃなくて、ご承知の通りチェルノブイリだってあそこの30キ ロゾーンでなくて100キロ以上離れたところで、ホットスポットって言いまして、ある場合には雨の状況で、日本は雪ですけれど、それによってはフォールア ウトが、ある所に集中的にポンポンと点状に落ちる。だからそういう所で生産されたものというのは当然汚染されるわけです。
 そういう意味で今回私も意外だったのは、茨城の方で高濃度って何故かって、これは当然大気汚染であちこちに汚染された大気があるわけですから、その中に 雨が降って雨の粒の中に、私が前に言ったように「雨とか雪は注意した方がいいですよ」と言ったら、雪が降ってしまいましたけれど、そういうのはやはり放射 性降下物も含まれて落ちるわけですから。
 そういう所、残念ですけれど、そういう所の場合は可能性はあるということを、一応私は、皆さんをパニックではなくて「こういう事実がありますよ」という ことを知っておいてもらった上でもって冷静に対応してもらうって、こういう表現をしていかないと、ただ単にエックス線で当てて1回でこうだとか、そういう 外部被曝のことを言われるので、これは私は、もしかしたら菅総理大臣が自ら国民に向かって「こうなんだ」って、とにかく子ども達や、あるいは妊産婦を含め 胎児たちの命を守るんだと、将来のことを考えて、ということを言わないと、私はいけないと思っております。
 これは誤解なきように、皆さん方ある言葉だけを出されますから誤解されて、私いつも言われてしまうんですけれど、そうではなくて、もし心配だったら全部出してください。
 そうでなかったら出さないでください。それくらいの私は皆さんに今、私自身がチェルノブイリで経験したことをお話ししているわけですから、決して政府を 批判ではないんですけれど、事実としてとらえてほしい、しかも国民の皆さんは落ち着いてくださいと、こういう事があるけれども、安心なものは食べていいで すからということで私は申し上げております。
 私自身も5年も汚染地で向こうの人と同じものを食べてきたわけです。
 だから、実際に言えるのは甲状腺のがんに関して放射性ヨウ素がこんなに高いのに、昨日の長野県の、今日の報道を見ていますと、その4000ベクレルじゃ ないですけれども「ほうれん草を洗わないで500グラム食べても安全だ」というそういう県からもしメッセージを出しているようでしたら、報道を見た限りで すけれど、これが事実であれば大変な事を言っているなということで、やはり相談にのる人も慎重な答をしていかないと、安心安全と言っても新聞の社説によっ ては、安心安全冷静ということは、もっと具体的に出してもらわないと私わかりませんよというのは、私はあの通りだと思うんです。
 内部被曝の問題は一切出してないし、食物連鎖の話も一切出してないです。
 しかも5年10年先のこと出してないですね。
 私はそういうことも出していかないと、国民がうんと不安に思うから、敢えて今日は申しあげたところでございます。
 是非とも報道の皆さんも、ある意味では刺激的なタイトルで出す。それはやめてください。私は事実を申し上げただけでございます。
 皆さん、全部出してください。出さないから、そこだけ取っちゃうから読んだ市民が非常に不安になるから、今日お願いしたいのは書けないんだったら出さないでほしいということ、皆さんの中でご理解いただきたいとこのように思っております。以上です。

【広報国際課長】
 他にあるでしょうか。よろしいですか。以上で記者会見を終了させていただきます。

【市長】
 ありがとうございました。


※この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理したうえで作成しています。


問い合わせ先

[部課名] 政策部 広報国際課

[連絡先] 電話 0263-34-3000 内線1142 ファックス 0263-36-6839



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆
すげのや昭さんの略歴
昭和18年 11月22日、長野県更埴市(現千曲市)で生まれる
昭和43年 信州大学医学部卒業
聖路加国際病院にて研修
昭和46年 信州大学医学部第二外科学教室入局
昭和51年 トロント大学(カナダ)留学(甲状腺疾患の基礎研究)
平成5年 信州大学医学部第二外科助教授昇任
(平成3年より)松本市のNGOグループによるチェルノブイリ原発事故の医療支援活動に参加、汚染地域における小児甲状腺検診をはじめとして現地にて支援活動を継続
平成8年 ベラルーシ共和国に渡り、首都ミンスクの国立甲状腺がんセンターにて小児甲状腺がんの外科治療を中心に、医療支援活動に従事
平成11年 高度汚染州ゴメリに移り、州立がんセンターで医療支援活動
平成13年 ベラルーシ共和国での5年半に及ぶ長期滞在を終え帰国
長野県衛生部医監として就任
平成14年 長野県衛生部長就任
平成16年 長野県衛生部長退職
3月 松本市長就任