2月のインド株式市場の分析と今後の展望~インドの発展のためのファンダメンタルを考える~ | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

2月のインド株式市場の分析と今後の展望~インドの発展のためのファンダメンタルを考える~

本日はインド経済が発展するための基礎的諸条件を分析して見たいと思います。


来年度にかけて景気回復の持続が見込まれることも、税制改革を実践する上で、良好な条
件であると考えます。予算案と同日に発表された2010年10-12月期の実質GDP成長率は、前
年同期比+8.2%と引き続き高水準の伸び率となりました。部門別では、製造業が同+5.6%
と前四半期の同+9.8%から若干伸び率が鈍化したものの、商業・ホテル・運輸・通信が同
+9.4%、金融・不動産・企業向けサービスが同+11.2%とサービス業が全体の伸びを牽引、
農業部門も同+8.9%と伸長しました。平年を上回るモンスーン季(6-9月)の降雨量がそ
の後のカリフ季(雨季)の作物の順調な生育に繋がった模様です。インド経済の基調は力強く、
政府は2010年度の実質GDP(国内総生産)成長率が前年度の+8.0%から+8.6%へ拡大する
との強気の見通しを示しています。尚、2011年度について政府は+9%台の成長も視野に入
れている模様ですが、私は7 回に亘る利上げの影響でGDP 成長率はやや鈍化し、+8.0%
程度に落ち着くと見ています。インフレ率(WPI、前年同月比)は、11月が+8.1%、12月
が+8.4%、1月が+8.2%と3ヶ月連続し8%台で推移しています。これはWPI構成要素の比重
の高い食料品価格が、11月の+10.1%、12月の+13.5%から、1月に+15.6%と上昇したこ
とが大きく影響しているものと見られます。国際商品市況の上昇トレンドに変わりがないこ
ともあり、物価は全般に高止まり傾向にあります。このため、世界的にインフレ圧力が高まって
いることが、引き続き物価押し上げ要因の一つとなっていると見ています。一方、民間の
熟練労働者の賃金の上昇傾向が続いていること、また農村部の労働者の最低賃金が17~30%
引き上げられたことを背景に、供給サイドのコスト上昇、価格転嫁圧力も高まっています。
従って、インフレ率は向こう数ヶ月間、インド準備銀行(RBI)が望ましいと考える水準を
上回るものと思います。



Ken