バーレーンのデモは宗派対立なのか? | フィフィ オフィシャルブログ「All about FIFI」by Ameba

バーレーンのデモは宗派対立なのか?

まずはじめに、わたしがここで記事にしてる事はアラブ人である私がこれまでの国際政治を通して、今回のアラブの変革を見て感じることなのね。いろいろと日本のみなさんも思うことあるとは思いますが、あーこうゆう考えもあるよな~って受けとめてくれるくらいで読んでいただけたらと思います。そいえば、あの戦場カメラマンの方はもうアラブに行ったのかなぁ。エジプトの様子はちょいちょい家族から電話で聞いています、後日ここでお伝えできればと思います。読者の皆様からの沢山の応援メッセージ感謝しています。


スエズ運河をイランの軍艦二隻がシリアに向けて通過中。
イスラエルは挑発行為と騒ぐけど、スエズ運河はエジプトの領域。しかも、ムバラク政権が倒れて早速軍隊が通過を許可したのにはなんの意図があるのか?
あのね、そもそもだれが宗教の為に争って死にます?そこになにかの利益が発生しないと人は戦争なんてしませんから。シーア派、スンニ派が仲が悪いなんてだれの為に作った図式?現に今こうしてスンニ派の多いエジプトがシーア派国家イランの軍艦の通過を受け入れてるじゃない。これはさ、スンニ派、シーア派でイスラムが争ってるって事を第一に否定したい目的でもあるんだよね。
エジプト始めスンニ派が実権を握るアラブの国は親米政権が多い。政府は国内のシーア派に圧力をかける中で、アメリカのご機嫌を保ってきたの。反米政権のイランはシーア派ですからね、親米国家にある反米色を抹殺する一つの方法としてイランと同じシーア派の存在を追い詰めてきたのね。
バーレーンに今10万人もの反政府デモが起きてるでしょ、人口50万人(外国人を含めると110万人)の国で五分の一がデモしてるなんて大した事態ですよ。その多くはシーア派だからさ、メディアは宗派の対立が原因だとか言うけど、もともと人口三割程度のスンニ派が実権を握ってて親米政権で、その政府がアメリカにかわいがれていたのね、他七割のシーア派は反米のイランと同じ宗派だからその存在が強くなるのを恐れられてたわけ、だれが恐れてたの?わかるよね?
シーア派がバーレーン国内で強くなることでシーア派国家イランをも強くなる事を懸念してたわけ。シーア派だからってさイランってわけでも無いのに、アメリカからすればシーア派=イランと直結するところがあったわけね。だいたい、バーレーン政府が親米だって事はさ、国内に米軍置いてる事で理解できるでしょ?アメリカはバーレーンに基地を置いて常にイランの動きを見張ってましたからね、バーレーン国内のシーア派が力を持って米軍撤退って事になる事態を恐れてたわけ。
そもそもアメリカはイラクのフセインを倒しちゃったのが自爆だったかも。だってあそこもバーレーンみたいにスンニ派が実権を握るそもそもは親米国家だったもん。でもほとんどはシーア派だったんだよ?仲良くしとけばよかったものの、フセインが隣国に攻め込んで、油田が危ないと焦ったからイラクを叩いちゃって、結果フセインを処刑したらイラク国内でシーア派が勢い付いたでしょ、墓穴を掘ったわけ。米軍の居心地が悪くなっちゃってるもんね。
しかしさ、バーレーン国内のシーア派にとっちゃたまったもんじゃないよね、単にシーア派ってだけで政府から窮屈な生活虐げられて。職業差別なんてのも当たり前だったわけ。国の重要なポジションにシーア派を入れないように徹底してたんだよね。この一連の流れ、たぶんバーレーン以外にだって当てはまるでしょ。
いつも表向きにはイスラム教徒は宗派で争ってる見苦しい宗教なんてイメージつけとけば国際的にもイスラムは野蛮ねって事になるでしょ。あげくにアラブの若者達の生活を追い詰めて、テロを引き起こさせるように仕向けて、またそのテロの連鎖を生むような社会構図にして。
まぁ、アジアもそうなんだけどさ、いつもそこに同じ民族なのに火種くすぶらしといて危機感煽っといて、そこに正義のヒーローみたいな面して、軍隊引き連れて、駐留しちゃって、その見返りにアラブからは石油、アジアからは金銭要求して自分らの生活の足しにしてたわけよ。
内紛が起こる事で国内の軍事産業でもある武器はよく売れて潤うわけだし。それでめし食ってるような国なわけよ。
でも、どうだろ?親米政権がバタバタ倒れていく中で、アラブの国々が新政権を樹立し、アメリカは今までのような振る舞いでやってけないんじゃないかな?
長年の親米政権の下、一部が富を独り占めして多くの国民は様々な問題に苦しんできて、その原因がまるで宗教が生んだ思想や争いだなんて報じられ続け、どれだけの屈辱と、その原因を作った政権に嫌悪感を抱いたか。その不満は計り知れませんよね。ジハードなんて言葉の意味も完全にアメリカの都合のいいように使われてきました。宗教の為に人を殺したりなんてしないから。イスラム教徒は宗教の為に過激になるというイメージにしたかったんでしょうね。ジハードは聖戦なんて意味はない。本来の意味は内なる葛藤に勝つ事と目標の為に努力するという意味。この言葉の意味が美しいからこそ、女の子が多いが男の子にも多く名付けられている。
アラブは本当に長い間、偏見に苦しんできたよね。今まさに気を引き締めてアラブが一丸となって腐敗した政府を打倒し、その後に秩序ある政府を自らの手で樹立しなければいけない時期で、それが現政権打倒というゴールであってはいけないの。もちろん多くの課題を背負ってる。そして、何より多くのアラブやイスラムに対する誤解や偏見を払拭して本来のアラブの良さを世界にアピールしたいと思っている。
それをアラブ人の手によって進めたいと思ってるから。もうこれ以上どこかの顔色伺って生きていきたくないんだよね。
ここまで、わたし個人の考えを述べたが、この思いを持つアラブ人は少なくない。このアラブの歴史的、変革を日本はどう見ているのでしょうか?