Bruckner Symphony no. 8 1st Mov.
Karajan VPO 1979
ジェット機を乗り継いで世界中を飛び回って活動するという、昨今のスター指揮者の活動様式を始めた最初の一人だった。カラヤン以前には、指揮者は一つ処でオーケストラやオペラハウスの顔をするのが普通であった。また、自家用ジェット機を保有していて、自ら操縦し別荘などへ行っていた。愛機はダッソー・ファルコン 10。晩年になり、80歳で期限が切れる飛行機免許の代替としてヘリコプターの免許を取得している。
大変な車好きでありスピード狂としても知られ、さまざまなスポーツカーや高性能車、高級車を所有し乗り継いでいた。歴代の愛車はメルセデス・ベンツ 300SL、ポルシェ・356、ポルシェ・911、アウディ・クワトロ、BMW、フェラーリ、ジャガー、ロールス・ロイスなど。日本車(スバル・レオーネツーリングワゴン)を友人のスイス人医師にプレゼントしたこともある。運転技術はF1ドライバーのニキ・ラウダ直伝。最晩年には赤いポルシェ・959に乗っていた。エリエッテ夫人は納車された959を見て、「もっとレコードを録音してもらわなきゃね」とジョークを飛ばしていた(「カラヤン・イン・ザルツブルク」にその時の様子が映像収録されている)。カラヤンのスピード狂はスキーにも及び、直滑降の名手として山小屋の主人から「アルプスで1番早いダンナ」と呼ばれていた。
生前は派手な生活で知られたが、自ら地元アニフの教会内に用意し死後に埋葬された墓地は極めて質素である。死後、ザルツブルク市は遺族に対し豪華な墓地の提供を申し入れたが、エリエッテ夫人は故人の遺志を尊重しそれを断っている。