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発達障害の早期診断と早期療育に関する連載の3回目です。

元の記事はこちらです↓

教育委員会が答える発達障害への課題 「保護者への説明苦慮する現場の状況」 栃木での調査より


発達に遅れがある子達 その子が1歳半から4歳くらいまでの微妙な状況と、母親のつらい日々



今日は、自閉症の早期診断のところで、アメリカの試みに関する情報をいただきましたので、ご紹介したいと思います。日本でもこうしたことが検査法として確立されれば、多くの子達に早くから療育が始まり、お母さん達も救われると感じます。今日はそんな記事です。


【1~4歳児の発達の遅れのある子をもつ母親のつらさ】

子どもの成長発達に遅れがあるのは、母親にとっては大事な問題です。

一番身近に暮らしているだけに、いち早く察知することが多いようです。



早期支援や早期療育が効果的なことが知られていますが、

始めるには、両親共の障害受容は欠かせません。

子どもを療育施設(あるいは遅滞が軽度の場合は保育園)に入れるにしても、

夫や祖父母が障害を理解していないと、家庭不和の元になりかねません。


僕は、こうしたことがスムーズにいかない原因に、

日本では高機能広汎性発達障害の確定診断が、

1歳~4歳ごろに中々おりにくいことと、

客観的な検査法が確立されていないことが影をさしていると感じます。


このシリーズで、2回に渡って述べてきた現実を解決していくには、

客観的な検査法の確立も大切なことだと感じるのです。


【アメリカの試み 1歳時診断】

 さて、先日、知人であり、ブロガーの申ももこさんとお話しをしていたところ、興味深い情報を教えていただきました。アメリカでは、数年前に自閉症の早期診断に徹底研究がなされ、1歳児での自閉症診断を始めているところがあるそうなのです。


 以前にも書いたことですが、発達障害の診断には、それをおこなう者の主観が入りやすいことで、病院により診断名が変わってしまったりと、診断への信頼感の問題など、いろいろな不幸が起きているように感じます。

 それもひとえに、現在の診断法が、主に生育歴と本人への問診が中心であることに起因していると考えます。そこに心理検査による発達診断が加味されるとはいうものの、この検査とて、検査者との相性や検査方法によって、結果に幅があることが知られています。個人の主観の入り込む余地のない検査法が確立されないことが、この障害に沢山の影を落としていると感じるのです


アメリカで行われている検査法の判断基準のひとつには、

非常にユニークで興味深い研究成果があります

そのひとつに、発達障害を持つ赤ん坊は、

母親の目を見るのではなく、

口を見ている事が多いと分かったそうです。


定型児の場合、生後数ヶ月で、母親とのアイコンタクトが始まります。

そこから親子の気持ち・感情の相互交換が起こり、

母子の情愛が育まれていきます。


しかし、発達障害があると、

大人であっても人の目を見るのは怖いと感じるようで、

赤ん坊でも、このアイコンタクトは起きないことが多いようです。

その代わりなのか、母親の顔のパーツの中では、

良く動く口に注目が行くようで、視線がそこに向かうそうなのです。


これは、成育歴の聞き取りなど、親の主観の入りやすい手段ではなく、

単純な判断基準として、非常によいと感じます。

こうした手法がドンドン立証されて、

確定的な診断法になって言ってほしいと思います。


【検査法確立の為の徹底した研究】

さてこの検査法は、アメリカの5つの大学で共同で研究され、徹底した事例研究で確立したそうです。


 まず、自閉症(アスペルガー)の子どもがいて、2人目以降を出産予定の家庭に研究の協力を依頼したそうです。(これは、発達障害が、兄弟児にも出現することが多いことから、こうした方法で研究対象を確保したそうです。)そして、研究依頼した家庭が2人目以降を出産した直後から、週1回または月1回の赤ちゃんの経過観察を行い、どのような発達過程をたどるのか詳細に記録したそうです。
 経過観察した子どもの中には、当然ながら、後にアスペルガーの診断がついた子どももいれば、定型発達の子どももいました。しかし、この方法を取ったことで、アスペルガーと定型発達の発達過程をより詳細に比較することができたため、アスペルガーの早期の診断を可能にしたのだそうです。
 これまでは、アスペルガーの発達過程は親の記憶にたよっていたが、この方法により客観的なアスペルガーの発達過程のデータが数多く集まったそうなのです。


 そして、この研究と早期療育の成果は、超早期教育システムの確立に発展していると言うのです。その結果、1歳前後である特定の療育を開始した自閉症児の9割がことばを獲得し、対人行動やソーシャルスキルの基礎的な力も獲得して、その後の発達に大きく異なる影響を与える、ということが追研究によっても確認されつつあるのだそうです。多くの子ども達の可能性を開いているというのです。


こうした研究は、日本でも是非進んでいってほしいと思います。

子ども達が必要な支援や療育をいち早く受けることにも繋がりますが、

母親の宙ぶらりんなつらい時期の解消にも寄与することでしょう。


以前、別の方からは、1歳児の方が、

かえって兆候を見抜きやすいと聞いたこともあります。

2歳を越えてしまうと、どちらも多動であったりして、

しばらく中々見分け難い時期に入ってしまうというのです。


こうしたことからも、この研究、ますますの発展に是非期待したいですよね。



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