孔雀明王伝説 役の行者と鬼 ~ 生駒郡 生駒山 | 奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ

孔雀明王伝説 役の行者と鬼 ~ 生駒郡 生駒山

生駒山 に伝わるお話です。

奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ-生駒山

むかし、役の行者(えんのぎょうじゃ)という、超能力をもったエライ人がいました。

ある夜、夢枕に孔雀明王(くじゃくみょうおう)があらわれます。

「生駒山に、二匹の鬼があばれて、人に害をなしている。
汝に、秘術を授ける。
これで鬼を捕えるのだ。」

目が覚めると、なんと枕元に不動緊縛の秘術が記された巻物がありました。

夢のお告げに従い、役の行者は生駒山へとむかいました。

ほうぼう捜し歩くが、鬼はなかなか姿をあらわしません。

役の行者は、無為にさがしまわるよりもと、鬼が出てくるのを待つことにしました。
そこで山にこもり、荒行をしながらすごしていました。
そして、
二十一日経ちました。


奈良ふしぎ歴史徹底攻略! 学校・教科書では教えてくれない奈良を親子でも100倍楽しめる観光ガイドブックブログ-生駒


果して二匹の赤鬼、青鬼があらわれたのです。

鬼たちは、すさまじい形相で行者に襲いかかってきました。

とっさに行者は、孔雀明王から授かった秘術、不動緊縛を使います。

とたんに二匹の鬼の動きが止まります。

全身がしびれてしまい動けなくなってしまったのです。

役の行者は、頭から臓腑へひびくような怒声をあびせかけます。
「まいったかっ。
もうこれからは人のあだなすのではないぞ。
約束するのならば、術をといてやろう。」

すっかりおそれいった鬼たちは、役の行者に助けをこいます。

二度と人を襲わないと近い、術をといてもらいました。

さて、鬼たちは立ち去ると思いきや、役の行者の前にかしずきました。

「行者様、まいりました。わしたちをどうか弟子にしてください。」

そういって鬼は髪を切り、それを証に役の行者に仕えることを誓いました。

いまでも役の行者の肖像には、二匹の鬼がつき従っているのがみられます。

それがこのときの鬼、前鬼・義覚(ぜんき ぎかく)と後鬼・義賢(ごき ぎけん)です。

生駒山の暗峠(くらがりとうげ)から西北にあるところに鬼取山があります。

それが前鬼、後鬼を懲らしめた場所と伝えられています。

または改心した鬼が髪をきったことから、髪切山(こうきりやま)ともよばれています。

さて、その晩、役の行者が野宿していると、今度は生駒明神が夢枕にたたれ、鳴川山へゆけと告げられました。

いってみると、輝く大きなウルシがありました。

それは十一面観音が幻に映しだされたものでした。

役の行者は、その木から十一面観音像を刻んで本堂としお堂を建てました。

この鳴川山を元三上とも、女人山上とも伝えられています。


霊山生駒を崇めた古社・往馬大社
生駒の聖天さん お彼岸万燈会(生駒市門前町 宝山寺)