金価格を考える~過去の価格と供給面 | マーケットの今を掴め!FX・CFD東岳ライブ情報

金価格を考える~過去の価格と供給面

4連続コラムの2日目の本日は、過去の価格及び供給サイドの面から考えてみたいと思います。

GFMS(南アフリカの有名な調査会社)は前回、ゴールドが高値をつけた1980年代の金価格をこんにちのドルの価値に換算すると、1980年代を通じた平均金価格 $1626、高値 $2248(=ちなみに当時の名目価格は$850)という計算になると指摘しています。つまり現在の金価格は未だ「実質ベース」では最高値には程遠いといえそうです。


次に金の供給面を見たいと思います。GFMSはボトムアップ方式で100社以上の産金会社に生産計画を聞取り調査し、その結果、供給予想を立てています。2010年の金山からの生産高は前年比99トン増(+3.8%)の2689トンでした。地域別ではオーストラリアと中国からの増産が目立ち、逆に南アとペルーの減産が目立ちました。採掘コストは2009年の478ドルから2010年は557ドルに+17%上昇しました。また間接費を含めた採掘コストは+20%上昇し、857ドルになりました。(現在の金価格が1485ドルであることを考えると業界全体のグロスマージンは約42%であると試算できます。)各地域別の採掘コストを比較すると南アは810ドル、オーストラリアは660ドル、北米は520ドル、ラテンアメリカは380ドルです。現在世界に蓄積されている金地金、ジュエリーなどを含むストックの合計は16.66万トンです。




Ken