完全に紙屑と化した米国債を買うのは売国行為だ


ここのところ、米国がいよいよ国家破産する(と言うか、既に破産していることを認める)という兆候が顕著に見られるようになってきました。時系列で、主要な動きを列挙します。

 ①PIMCOトータル・リターン・ファンド、米債・機関債を売却(今年3月9日 http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPJAPAN-19910020110310

 [ニューヨーク 9日 ロイター] 米債券運用大手パシフィック・インベストメント・マネジメント・カンパニー(PIMCO)の旗艦ファンドである「トータル・リターン・ファンド」PTTRX.Oは2月末現在で米国債・米機関債など米政府関連債券をすべて売却した。9日にウェブサイトで公表した。1月末時点での保有比率は12%だった。
 同ファンドで2369億ドルを運用するビル・グロス共同最高投資責任者(CIO)は、米財政赤字とインフレへの影響への懸念を繰り返し表明していた。


 PIMCOは世界最大の債権専門運用会社とされていますが、そこが2月末に米国債・米機関債など米政府関連債券をすべて売却したというのです。米国の破綻は不可避ということでしょう。

 ②BRICS首脳、ドル中心の国際通貨秩序の見直し要求(4月14日 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110414-00000232-reu-int

 [三亜(中国) 14日 ロイター] BRICS(中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカ)の首脳は14日、中国・海南島での会合後に共同声明を発表し、「安定と確実性をもたらす」広範な国際通貨システムへの見直しを呼び掛け、5カ国の影響力強化に向けて新たな一歩を踏み出した。
 共同声明は、最近の金融危機で、米ドルを要とする現在の金融秩序の不備と欠陥が露呈したと指摘した。
 BRICSは、米国が大規模な貿易赤字と財政赤字を抱える状況でのドルの将来に懸念を示し、より安定した通貨システムへの変革を求めた。
 また、BRICS各国の開発銀行は、米ドル建てでなく各国の現地通貨建てで相互に信用枠を設立することで基本合意した。


 BRICS間では、ドルを決済に使わないということです。ドルが世界の基軸通貨というのは、既に過去のものに成りつつあります。天文学的な赤字を計上していますから、当然ですが。

 ③<米国債>格付け見通し「ネガティブ」に引き下げ…S&P(4月18日 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110418-00000122-mai-bus_all

 【ワシントン斉藤信宏】米格付け会社大手スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は18日、米国債格付けの中期的な見通しを示すアウトルックを、これまでの「安定的」から「ネガティブ」に引き下げたと発表した。S&Pが1941年に現行の格付け制度を開始して以来、米国債の格付け見通しを引き下げたのは初めて。

 S&Pは声明で「米財政赤字が大幅に膨らみ巨額となる中、財政健全化の長期計画をめぐり米議会で与野党が合意できない可能性がある」と、見通し引き下げの理由を説明した。今後2年以内に3分の1の確率で米国債の長期信用格付けを現在の最高水準「トリプルA」から引き下げる可能性があるという。

 米財政収支は08年秋のリーマン・ショック後、大規模な景気刺激策や税収の大幅な落ち込みなどを受けて急速に悪化。財政赤字は09会計年度に史上初めて1兆ドルの大台を突破した後、3年連続で1兆ドルを突破することがほぼ確実になっている。昨年末に成立したいわゆるブッシュ減税を延長する包括減税法による税収の減少もあり、改善への道筋は見えていない。


 米国債の格付けが「トリプルA」ということ自体、真にふざけた話です。米国債は単なる紙切れで、何の価値もありません。お手盛りもいいところです。

 スタンダード&プアーズは今年1月27日、日本の長期国債の格付けを「AA(ダブルA)」から「AA-(ダブルAマイナス)」に引き下げていますが、世界最大の債権国を貶めて平気でいられる彼らも、ついに米国債の実態を認めざるを得なくなったわけです。見通しを引き下げただけですが、買っている人は直ちに売るべきでしょう。

 最も憂慮すべき話は、次のものです。

 ④ヒラリー・クリントンは我国に米国債30~50兆円を買わせた(らしい)(4月20日 http://blog.goo.ne.jp/itagaki-eiken

  「どうも菅直人首相は、大震災のドサクサの対応に紛れて米国のヒラリー・クリントン国務長官に米国債を最低30兆円~最高50兆円分も買わされた。それも為替相場が円安に振れていたとき、円建てで買わされたのではないか」という話が、金融証券界に飛び交っている。米国の財政が大ピンチに陥り、歳出の大幅削減を決めざるを得なくるなど四苦八苦しているため、救いの手をまたぞろ日本に求めてきたということである。

 4月17日にヒラリーが来ましたが、福島原発の対応について菅政権に釘を刺すと共に、当座の費用を工面するのが目的だったようです。15日時点で1ドル=83円03銭で、20日には1ドル=82円77銭になっています。円安の時に円建てで米国債を買わせ、円高に振れたときにその資金をドルに替えるのではないかというのです。その差額は米国の利益になります。

 この程度の円高では大したことはないですが、我国が復興して更に円高が進めば利益は膨らむことでしょう。尤も、その時まで米国経済が持つとは思えませんが…。

 先のS&Pによる米国債格下げの情報は、15日には米財務省に対して通告されていたそうですから、18日に公表される前に慌ててやって来て、何も知らずに震災救助で感謝している菅総理を脅して米国債を買わせたのでしょう。何ともズルイ連中です。

 ヒラリーは、天皇皇后両陛下の私的なお茶に招かれ、満面の笑みを浮かべていましたが、多分お礼の意味もあったのでしょう。そして用が済んだらさっさと帰って行きました。滞在時間僅か5時間で50兆円の米国債を買わせたとしたら、恐るべき効率の良さです。(見事な詐欺師振りと言うべきでしょうか…)


「陽光堂主人の読書日記」より
http://yokodo999.blog104.fc2.com/blog-entry-234.html